最高裁でDNA型鑑定で血の繋がりがないと証明された場合父子関係が取り消せるか争われて
居る控訴の2件の上告審判決が近く出される事となった。
日本では妻が婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定すると言う「嫡出推定」とする明治時代からの
民法規定が今も生きて居ます。
この規定で、離婚間もなく生まれた子供や、別居中に生まれた他の男性との子供の戸籍がとれず
無国籍の子供が産まれ社会問題になって居ますね。
此までの最高裁判例で、妻の妊娠時期に夫婦の実態がなく性的関係を持つ機会が無かった事
が明らかであれば此の嫡出推定は適用されないとした判例が、あるにはあります。
ただ其れを証明する事が難しい事と法律的には夫である男性と裁判を起こして争わ無ければなら
無い事で問題の無国籍児が出て来る原因となって居ます。
今回の上告審は何れも妻が婚姻中に別の男性と交際し出産した。
DNA鑑定の結果交際相手の男性との親子関係である確率は99・99%である事が判明し、妻は
子供が法律上の夫と父子関係がない事の確認を求めたものです。
妻はDNA鑑定と言う精度の高い科学的根拠により法律上の夫と血の繋がりがない事が明白。
子は現在血の繋がりのある男性と安定した生活を送りこの男性は子を認知する意向を持って居る
ので男性を法律上の父親と認めるべきと訴えたものです。
是に対して法律上の夫はあくまで法に従い嫡出推定を適用すべしとしています。
血の繋がりのある男性と子供が一緒に生活して居る事を理由に戸籍上の父親との関係を否定
したら、法律上の父子関係が崩壊するとしています。
問題の長女が生まれたのは、結婚後10年目だそうです。
父親として愛情を注いで育てが妻は貴方の子供でないかも知れないと言いDNA鑑定を依頼。
その結果親子関係がない事が判明妻は長女を連れて別居し交際相手の男性と同居した。
男性の言い分は、血の繋がりでなく親子の愛情の問題だと意固地に主張しています。
親子とは何かと言う大きな問題提起でもあります。
現在バツイチが女の勲章となり離婚は最早不名誉な事で無くなりました。
又性生活も開放され不倫など何処にでも転がって居る様な社会環境です。
シングルマザーは常識とさえ言われる世の中の流れです。
もはや明治時代の古い観念が通用しない時代の流れとなった。
今回の最高裁判決がこの古い嫡出推定を打ち砕くきっかけとなるのでしょうか?
注目されますね。
PS
もう一つ親子関係解消の訴訟で父親から起こされた訴訟も起きたとの事です。
これは自分の子供に疑惑を感じた父親がDNA鑑定を依頼した処、結果は
99・9%父子関係が無い事が判明した。
父親はこの子との父子関係解消の訴えを起こしたそうです。
現在母親は他の男性との性的関係は否定してDNA鑑定に疑問を感じると主張
して居るとの事です。
母親が起こす父子関係解消の訴訟、父親が我が子に疑問を感じ起こす父子関係
解消の訴訟、世の中の乱れがひどくなれば現在の法律では律しきれないケース
が出て来て親子関係はどうあるべきかを問いかけて来て居るとも云えますね。
因みに近頃は近親相姦問題も起きて余計問題がヤヤコシクなって来て居る様だ。