国が行った公共事業の一つ諫早湾開拓は実に色々な問題を起こし、あの歴史的
ギロチンと言われる堤防締め切りから20年が経とうとしてます。
この問題の根源は国の杜撰な公共事業にあると言えます。
諫早湾干拓は戦後間もない頃コメ不足に対応するため国が各地の干拓事業を
始めました。
八郎潟干拓・児島湾干拓・有明海南部総合干拓・宍道湖中海開拓等です。
長い歳月と巨額の国費を使い八郎潟と児島湾の干拓は完了しました。
処が有明海と宍道湖には意外に反対が強く難航した。
結果的には有明海は諫早湾に規模縮小し、集中豪雨の諫早災害対策とし
防災としての干拓事業に衣替えしました。
因みに宍道湖干拓は反対運動が激しく、時の流れで国が諦め中止となった。
一方諫早湾干拓は続行され完成したが、佐賀県熊本県漁業者の反対は激しく
なった。
其処に当初の計画通り干拓の5分の1の農業用干拓地に長崎県が農地耕作
を始めたのでまた事態がややこしくなって来た。
因みに干拓地の大部分は防災対策用に真水の湖となって居ます
諫早干拓の反対運動は環境問題から折からの漁業不振を全て諫早干拓のせい
にした闘争と変わりました。
是には問題があります。
一説には有明海の汚濁化は過剰ノリ養殖や過剰貝類摂取とする説。
天候不順説。
福岡筑後川に設けられた大堰のせいとする説。
有明海沿岸の県が勝手に干拓し農地や港にしたせいとする説。
現に熊本県は熊本水害の土砂で有明海に広大な農地造成を行ってます。
また熊本新港で広大な海を埋め立て、今も埋め立てています。
是は佐賀県・長崎県も同じ様なもので、有明海を寄って集って食い物にして
それを全て諫早干拓のせいにして居ます。
司法は当初この様な諸般の事情で因果関係がハッキリしないと逃げて居たが
佐賀県漁民が起こした訴訟に対し佐賀地裁はハッキリ原因は諫早干拓と言い切り
それを実証するため試験的に開門し海水調査する判決を下した。
当時は民主党政権で国の公共事業はやり玉のあげられて居た時でした。
上訴審の福岡高裁も佐賀地裁に賛同した判決を下した。
処が今まで推進して来た国が最高裁控訴を諦め国の敗訴が決まった。
是は時の民主党政権の菅首相の判断により決まった。
ここから諫早干拓は混迷を深めて行きます。
干拓開門問題が大きな争点となった。
開門は害多く何ら益なしとする長崎県と開門推進の佐賀県との対決となる。
賠償金を多くせしめようとする漁民側と今や生活がかかる開拓地農民との対決。
それに長崎県が起こした開門執行停止訴訟で長崎地裁が仮処分の判決を出して
司法の乱れが露出しました。
今や両方引くに引けない所まで来てしました。
政治の力では解決出来ない事になってしまった様ですね。