many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

見守ってやって下さい

2012-10-11 19:45:12 | 読んだ本
内田春菊 1988年 河出文庫版
とくに前後関係も脈絡もなく、内田春菊さんのエッセイ集。
内田春菊さんの書くものは、おもしろいと思う。
すごい淡々としてるんだけど。
おそらくフーゾク業関係とおもわれる頻繁にかかってくる間違い電話に、どーしてこの電話番号を知ったのか教えてくれと、冷静に見も知らぬ相手を説得するとことか。
料理が好きだって言うひとは、どっか他人から、自分が健康に気をつかって食事を作ってるってことを褒めてもらいたいんぢゃないだろうか、って喝破しちゃうとことか。
テレビ制作者の演出(やらせの要求)に、「いったいなんだったのかしら」とか「ふしぎだなーと思ってたら」とか、素朴にヘンだよって言うとことか。
なんか世の中全般の、ふつうのひとがスルーしかねないとこに、自然にしっかりツッコミをいれるような感じが、とてもおもしろい。
ダメなことはダメ、おかしいことはおかしいって言う素直さが読んでて気持ちいい。
ところどころに出てくる、「私は悲しくなってしまいました」みたいな表現が、ストレートで好きです。
ちなみに、著者は最初のころ自分の書くものを、エッセイぢゃなくて「作文」と呼んでたといいます。
なんか言われてみればそんな感じ、これから私がこれについていい意見を言うぜ、とか、これからおまえら読者の知らないこと教えてやるぜ、みたいなとこがないのが、読んでていいところです。(でも、ピシッと急所ついてたりする。)
あ、もちろん、本文に関係あったり、ときどき関係なかったりする、イラストも好きです。
どーでもいーけど、私もよく「どーして」とか「こーゆーの」とか言文一致体で書くんだけど、この本読み返したら、そーゆーのいっぱいあった。影響うけてんのかな、俺?
コメント
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