ウォーレン・マーフィー/田村義進訳 昭和61年 ハヤカワ・ミステリ文庫
ひさしぶりに読み返した、トレース・シリーズの第2作。原題は「AND 47 MILES ROPE」
もう何冊か持ってるんだけど、なんで当時これ読んだのか忘れた。たぶんスペンサー・シリーズにはまりかけてたころだから、なんか似たようなものないか探ってたのではないかと。
主人公は保険調査員のデヴリン・トレーシー。でも、トレースって呼ばれてかまわないところがスペンサーシリーズとは違うね、スペンサーはスペンスと呼ばれるのを非常に嫌うし。
で、事件はラスベガス郊外の伯爵夫人の豪邸で、執事が殺されて宝石が盗まれたんだが、トレースの仕事は盗難のほうぢゃなくて殺人・生命保険のほう。
それはいいんだけど、登場人物たちがよくまあしゃべる。
主人公のガールフレンドのチコだけぢゃなくて、元巡査部長の父親や、スロットマシンで損してばかりの母親まで出てくるが、みんなよくしゃべる。
1ページまるまるセリフのかけあいで進んでいくなんて場面はしょっちゅう。これが独自のスピード感があって、慣れが必要な感じ。
で、なかでも一番いい加減なことペラペラしゃべるのは、もちろん主人公のトレース。
保険会社の副社長に調査の進捗状況を訊かれたときに、「先は見えた」って答えるんだが、なにをいうかと思えば、
>これは儀式殺人だ。証拠はそろっている。手につけていた手袋。鈍器による頭蓋骨の殴打。倒された木。居間の床に散らばっていた土。さらには、失われた宝石と灰皿。すべてが上エジプトのサヴィタクギ暗殺団のしわざであることを示している。(略)インドのサッグ団以来、もっとも凶悪な殺人集団として知られている。(略)
ぜんぶデタラメである。
でも、ときどき地の文でも「マークスはネズミを尻っぽから飲みこんだような顔をしていた。」なんて面白い表現がある。どんな顔だ。
ひさしぶりに読み返した、トレース・シリーズの第2作。原題は「AND 47 MILES ROPE」
もう何冊か持ってるんだけど、なんで当時これ読んだのか忘れた。たぶんスペンサー・シリーズにはまりかけてたころだから、なんか似たようなものないか探ってたのではないかと。
主人公は保険調査員のデヴリン・トレーシー。でも、トレースって呼ばれてかまわないところがスペンサーシリーズとは違うね、スペンサーはスペンスと呼ばれるのを非常に嫌うし。
で、事件はラスベガス郊外の伯爵夫人の豪邸で、執事が殺されて宝石が盗まれたんだが、トレースの仕事は盗難のほうぢゃなくて殺人・生命保険のほう。
それはいいんだけど、登場人物たちがよくまあしゃべる。
主人公のガールフレンドのチコだけぢゃなくて、元巡査部長の父親や、スロットマシンで損してばかりの母親まで出てくるが、みんなよくしゃべる。
1ページまるまるセリフのかけあいで進んでいくなんて場面はしょっちゅう。これが独自のスピード感があって、慣れが必要な感じ。
で、なかでも一番いい加減なことペラペラしゃべるのは、もちろん主人公のトレース。
保険会社の副社長に調査の進捗状況を訊かれたときに、「先は見えた」って答えるんだが、なにをいうかと思えば、
>これは儀式殺人だ。証拠はそろっている。手につけていた手袋。鈍器による頭蓋骨の殴打。倒された木。居間の床に散らばっていた土。さらには、失われた宝石と灰皿。すべてが上エジプトのサヴィタクギ暗殺団のしわざであることを示している。(略)インドのサッグ団以来、もっとも凶悪な殺人集団として知られている。(略)
ぜんぶデタラメである。
でも、ときどき地の文でも「マークスはネズミを尻っぽから飲みこんだような顔をしていた。」なんて面白い表現がある。どんな顔だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/ea/f0093800397ad884a0df1446a91440e7.jpg)