many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

2011-09-18 17:59:59 | 読んだ本
夏目漱石 昭和23年発行・昭和53年62刷改版 新潮文庫版
持ってるのは、昭和59年の75刷。読んだ記憶は、とうに無いけどね。
今年に入って、「三四郎」と「それから」を読み返したんで、ついでだから、こないだの出張の行き帰りとかの時間で、「門」を読み返した。
三部作と言われてるけど、主人公の名前は、小川三四郎でも長井代助でもなく、野中宗助。
学生でも高等遊民でもなく、ちゃんと役所勤めをしてるらしい。
妻の御米と暮らしているけど、そこは「それから」のつながりで、結婚したときのいきさつから、親を棄て、親類を棄て、友人を棄て、勤めはしてるけど社会一般とのつながりを棄て、世間とは没交渉の生活をしているらしい。
でも、なんか「三四郎」や「それから」にあるような、ドキッとするとこがないなー。淡々と物語は流れていく。
泥棒に入られたりとか、障子を張り替えたりとか、“猫”にあったようなエピソードが書かれてるのは、ちょっと面白いけど。(ちなみに家でやとっている女性の名前は、当然「清」)
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拡がる環

2011-09-16 19:21:56 | 読んだ本
ロバート・B・パーカー/菊池光訳 1991年 ハヤカワ・ミステリ文庫版
シリーズを順に読み返そうと思ってる、スペンサーもの。第10弾まできたよ。
うーん、このへんから、ちょっと変わってくるのかなぁ、って読みながら考えてた。
事件は、上院議員の選挙の候補者の警護を引き受けたら、候補者への思わぬ脅迫と戦うことになったってことなんだが、ストーリーの主眼はそこにない。
恋人のスーザンが、スペンサーを放って、自らのキャリアアップのために遠くに行っちゃう。でも彼女を追いかけたいスペンサーが悶々と悩むのが本作のテーマだあね。
で、そのへんのとこを、「初秋」で救いだしたポール・ジャコミンなんてガキに、
「ぼくたち以前のあんたは絶対に弱みのない、いわば不死身の人間だった。(略)他人にさして期待を抱かず、自分が正しいことで満足していられた。(略)以前のあんたは完全無欠だったが、今はそうじゃない。そのために、自分に対して疑念を抱くようになった。(略)今ひどく苦しんでいるのは、たんにスーザンがいなくて寂しいからじゃないよ」
だなんて喝破されちゃってる。
本人は、スーザンと久しぶりに再会したら、
「おれがいないのを、きみがもっと寂しがっているようだと、おれはもっと気分がよくなる」
とか素直に言っちゃってる。とてもとても、ハードボイルドからは程遠い。
で、スーザンからは、
「あなたは、私を愛しているのは、私のためなのか、自分のためなのか、考えてみるといいかもしれないわね」
なんて言われちゃって、なんつーかカタナシである。
で、考えた結果として、
>自分のスーザンに対する気持ちは、もちろん、スーザンの側に問題があるのではない。私が彼女を愛するのは、彼女のためでなく、自分のためなのだ。彼女を愛するのは容易だし、抵抗できないことだとすら言える。同時に、愛することが必要だが、それは自分にとって必要なのであって、彼女が必要としているわけではない。
なんてとこに行き着く。偉いぢゃない、自分で解決できたのね、スペンサー。って、どうでもいいけど、そんな考え事してるとこ、ギャングの手下の殺し屋に狙われて、危ないよ。
んで、スーザンとまた会ったときには、
「要は、今のおれであるためには、きみに対して今と同じ気持ちを抱き続ける必要があるんだ。きみがおれに対してどんな気持ちを抱いていようと」
とか心情を吐露するんだよねえ。
私も今より20も若かったから勢いで読んでたけど、いま初見だったら、人生ごちゃごちゃ考え過ぎ!人間、行動様式はもっとシンプルぢゃなきゃあ!とか言って、読んでる途中で放りだしちゃうだろうなと思う。
全般にウジウジしてるスペンサーはカッコわるいったらないし。
相棒のホークとか、警察のなかでは話のわかるマーティン・クワークとかが出てくるのはいいんだけど、妙に理解がありすぎて、スペンサーが第二・第三の自分と話してるみたいで、鏡像求めるっていうと違うかもしれないけど、なんかスペンサーの内部が見え過ぎてヤんなっちゃう。
このへんから、なんか前よりつまんないな、って思い始めたのかもしれないって、読み返してて思った。
でもなぁ、私も、女の子が喜ぶのをみるのが嬉しいんぢゃなくて、女の子に花をあげてる自分が、なんか好き、とかって性格っつーかモノの考え方をしてるんで、このへんの影響あるのかなーって気もしないでもない。
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野球

2011-09-15 23:37:48 | Weblog
きょうは、(いろいろあって自粛してたこともあり)今シーズン初めての、野球の試合の日だった。
ピッチャーやって、6イニングで5失点。
打つ方は3タコ。(ほんとひどかった。バットに振り回されてた。)
1年近くボールを握ってないわりには、投げるほうは、まあまあだったかな。
特に5イニング目に、指にビッと引っ掛かりがあったのは、久々に手応えがあった。
(でも次の6イニング目はメタメタ。)
ボールがちゃんといってるかどうか、周りで見てる人にはわからない、自分だけの判断基準。
スピードがどうこうぢゃなくて、ボールがちゃんと回転(トップスピン※9月20日訂正 当然「バックスピン」です!)してるか、これまで全然自信がなかったんだけど、今日の感じはよかった。
中指にビシッと引っ掛かりがあって、リリースのときに音がしそうなくらいの感じがあれば、それが自分としては本来の投げ方、完全復活に近いといえる。
フォームばらばらだけど、そんなことは関係ない、脚からの全身の力が指先に伝わってることが大事。
この3年間で、指の引っ掛かりがでたのは実は初めて。ちょっと次回に向けて楽しみではある。

※写真は私ぢゃないし、本文とは関係ないよ。
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ひさしぶりに乗馬に行ってニアフュージョンに乗る

2011-09-13 15:47:04 | 馬が好き
ひさしぶりに乗馬に行くよ。ホームグラウンドで乗るのは5週ぶりだ。
週末の時点で、月曜「最高30度・最低21度」、火曜「最高29度・最低19度」って予報を見て、たいして変わんないんだが気分的に涼しそうなんで火曜に行く予定にしたんだが、きょうの予報は33度だ。北海道に比べて内地はいつまでも暑いねえ。
気温の予想に気持ちは萎え萎えになるんだけど、そうは言うものの、新しい馬は来たっていうし、よく考えてみたら、こうして月火に乗馬ができる生活もあと少しのあいだ(半年?)かもしれない、乗れる機会は大事にしなきゃいけないよぉと気合い入れ直してチャリンコで出かけてく。
きょうの馬は、ニアフュージョン。(あらら…)
すごい久しぶり。(帰ってきてから調べたら、去年の6月1日以来。)

どんな馬だっけ?忘れちゃったよ。
なんか駈歩行くときとか障害飛ぶときとかに、ピョンピョンはねてるのをよく見るような気がしたな。(極端なときには、障害ってのは後ろ足でバーを蹴り落とすゲームだと勘違いしてんぢゃないかってくらい、そんな動きを繰り返すよ。)
間違ったプレッシャーのかけかた(扶助)をすると、こちらの期待とは違った反応で逃れようとする、ある意味わかりやすい馬。もちろん、もうちょっと扶助に対する許容範囲を広げていただいたほうが有難いことは言うまでもないんだけど。
馬装してると、馬の前を右左に通り過ぎるだけで、いちいち耳キュっとしてguruguru言ってるよ。
怖いなー。でも怖いのバレると余計見くびられるから、知らん顔して馬装を続ける。歯をむいて、来るか!?って一瞬思わせるんだけど、たいがいは自分の引き手をガジガジ噛んでるだけ。
ちなみに、となりの馬房のカネショウエイコウがいないと、不安で不安で、ヒンヒン騒ぐ。そのへん、私が初めて見た2年前から成長がない。カネショウエイコウが残って、自分が馬場に行くときは平気なのに。ヘンなやつ。
さあ、またがったら、馬場に行くまでのあいだが勝負だよ。(ちなみに私は厩舎のまわりを歩ってるときは、馬上体操しない。固いアスファルトの上に落ちたらヤだもん=落ちない自信がない。)
たぶん昨日休んでたんだろ、元気に歩いていく、そこんとこを、ハミ受けろーって要求する。あれ、意外と簡単にうけたよ。そしたら、スルスルーっと手綱伸ばす。もう一度、手綱短くもって、譲れー、そしたら俺も譲るからーってやる。できたら手綱伸ばす。何度も繰り返し。なんだ、意外と乗りやすい馬じゃん。
馬場に出たら、馬上体操して、アブミ直して(久しぶりのせいか、なんか適当な長さがわかんなくて2度直した)、常歩で、またハミ受けろー、受けたら手綱伸ばすをやってみる。
んぢゃ、速歩開始。あらら。少しはハミ受けを意識して乗ってられたのは、常歩まで。途端に馬のバランスというか、人馬のコンタクトがおかしくなるよ。
耳しぼって、口開けて、上げた頭を振りながら、何すんぢゃい!って感じの目で馬が私を見てるよ。これで、ドンドンと脚使って、拳で受けようとしても、たぶん馬がそっくりかえってくるだけだよ、どうしよ? 最初はもっと適当にフワーッと乗っとこうか?
もっと手綱短く、って言われて、短くもつ。もっと、って言われて、もう拳ひとつぶん短く。あ、なんか前向いて進み出した。最初の、馬の横顔が見えるような状態なのは、手綱が長いからに決まってるってことに、私が気づいたのは、馬場をもう何周かしてからのことだったな。

んぢゃ、軽速歩で、またやるよ。速くしないように注意して、前へ出す、グーっとハミを受けること要求する、できたらスルスルーっと手綱伸ばしてく、馬のアタマが下がって伸びてく、(内側のクビ)ポン、ポン。
左右の手前を替えて、何度も繰り返し。あんまり後ろへ引っ張らないように、拳を前に置く、どっちかっていうとヘソが拳に近づいていくようなとこに立ったり坐ったりしている感じで。幸い、ニアフュージョンとは、引っ張り合いのような状態にならない。
んぢゃ、駈歩。手綱短くもって、駈歩でもやるよ。駈歩だとクビとか馬の動きは大きいから、常歩のときのように引っ張れば簡単に馬の口がフッと軽くなるわけぢゃないよ、ちゃんとコンタクト保って駈歩に乗ってかないと、受けてる受けてないがわかんなくなる。受けたら、また手綱伸ばす(駈歩で手綱伸ばすのは、ちょっと怖いよ)、馬のクビが一旦伸びて、また手綱短くもってやり直し。何回も繰り返し。手綱短く持ち直すときは、左右同じ長さにって気をつけて、内側を軽く開く、ちゃんと内方姿勢できてるかチェック。
んぢゃ、横木通過。駈歩で3本またぐ。回転するとこではしっかりエンジンかけて、だからって横木に向いたら速くしない、馬が突っ走んないように、さっきのハミ受けてる状態の駈歩を心掛ける。
最初はヘンな突入のしかたしたみたいだけど、2回目くらいから、明らかによくなる。なんかバランスがいい感じがする、私がよくやらかす馬が伸びちゃってるような感じが全然ない。面白いんで、繰り返し。いいよぉ、エキサイトするとこがない、通過後も冷静だ。
(やってるうちに、ニアフュージョンって、ときどき、横木通過のとき、両の前脚のあいだでバーを跨ぐのを見たことがあるのを思い出した。左を横木の手前に着地して、右は横木の向こうにとか。あれはヘンだなーっと思ってた。)
んぢゃ、速歩で障害。最初は、超低空クロス。速歩出したら受ける、障害に向かっても速くしない、ダーッて勢いで突破しないように、一歩余計に入れて上へあがる感じを目指す。まあ、考えるまでもない低さなんだけど。
一回目は抑えること意識しすぎて、止まるかってくらいヘンな飛び方だったんだけど、二回目から馬のほうでわかってくれたみたいで上手に飛ぶ。
抑えよう抑えよう、起こそう起こそう、なんて考え過ぎてて、飛ぶときに人間が遅れる。頭うしろに行かないように、真上にいることを心掛けて、気持ち手を前に出して、飛ぶ。
バーを上げて、やがて垂直。飛び方いっしょ、助走のしかた同じ。なんか止まんぢゃないかって思うくらい、おとなーしく向かってて、問題なく飛ぶ。
んぢゃ、駈歩。出したらすぐ抑える、速くしないで真っ直ぐ向かう、突っ込まないように飛ぶ。
最後80センチくらいまで上げて、スピードあげずに、それまでの調子で飛ぶ。飛んだあと走んないのがイイね、フライングチェンジ(人間が)うまくできないけど、速歩に落としてすぐ手前替えた駈歩出して、もう一度飛んで、終わり。

ハミ受けた駈歩で向かってくと、障害の前でどっちかっていうと手綱の手応えがフワーっとしてて、なんだよ飛ぶのかホントに、とかって最初のうちは思ってたんだけど、繰り返すにつれて、馬が前出てるのがわかってきた。
っていうか今までの感覚が間違ってたんぢゃないかと。
障害飛ぶのに馬が前進気勢があるのって、なんか馬が手綱持ってくくらいの勢いで前に引っ張るのを腕力で抑えようとしてる状態だと誤認してたんぢゃないかと。そうぢゃなくて、適度なコンタクトのなかで、手綱から拳がフワーっとした感じでいても、馬がしっかりとした駈歩してんのが鞍から伝わってくるのが、前に出てるってことぢゃないかな。
クールダウンの常歩しながら、またやってみる。ハミ受けて、受けたら手綱伸ばす。
練習の前にやってたときのように、たまたま馬のクビが曲ってきたからって、そこで手綱伸ばしても、馬はポカンとしてるだけである。そうぢゃなくて、ちゃんと受けたあと伸ばすと、馬のクビが前へ下へ伸びてくのもそうだけど、後肢が踏みこんでるから、伸ばしたあと何歩かの勢いが違う、解放されたように力強く大きく前へ歩いてく。うん、次回はこれを最初からやらなきゃ。
練習終わったら、汗びっしょりの(途中からクビの汗でゴム手綱がすごく滑ったよ)ニアフュージョンを洗う。暑いから、あっという間に乾いちゃうのだけが、夏の乗馬のいいとこだあね。
おわったあと、リンゴぢゃなくて、最近安いんで、梨をやってみる。予想どおり、鼻先に突き出してやれば、フーンフン興奮してるけど、食べない。ニアフュージョンは、リンゴ食べるようになるまでも、ちょっと時間あったからね。

無理やりひと口押しこんだあとは、ほかの馬にやってみる。コンキスターやミラノはどっちでもいいやって感じで、付き合いで食べる。なんでも喜んで食うのは、例によってキリーンとかフラヴォンとかオリアンダー。
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食の軍師

2011-09-12 17:03:23 | マンガ
泉昌之 平成23年1月 日本文芸社
きのうのつづき、っていうか、ハズした本を先週買っちゃったんで、くやしいんで食関係のおもしろそうなマンガを今日買いに行った。(口直しってゆーの?)
こ・れ・は、おもしろかった。うん、好きだ、こーゆーの。
私の好きな泉昌之の最新刊なんだけど、なんでもデビュー30周年らしいんだが、その30年前の「夜行」=列車のなかで駅弁をどう食べようかって御飯とおかずの組み立てを独り考える話、から何も変わってない。このバカバカしさが好き。
食の軍師ってのは、蜀の軍師とひっかけてんだな、諸葛亮孔明ばりの作戦家を気取って、なんか食うのに、いちいち「兵法」とか「戦略」とか「○○の計」とか、大騒ぎするんだけど、それが相変わらずのどうでもいいことへのこだわりがあって、楽しい。
出てくる食い物=コンテンツは、
「おでんの軍師」
「もつ焼の軍師」
「寿司の軍師」
「蕎麦屋の軍師」
「とんかつの軍師」
「バイキングの軍師」
「餃子の軍師」
「焼肉の軍師」(前後編)
「弁当の軍師」
ほかに、番外編のようなものとして、
「醤油の魔術師」の「其の一:ソイ・ソース・マジック」と「其の二:卵かけご飯」
「祐天寺喰い」

蕎麦屋入ったら、すぐ出てくる蕎麦味噌と焼き海苔で酒をやりながら、次なる肴を仕込むと称して、焼き鳥・だし巻き玉子を追って注文。
その様を、>そうやって徐々に 蕎麦に近づく!! 匍匐前進の如く… 蕎麦を 追い詰めるのだ!!とか自己満足しながら進んでくとこ、泉昌之らしさ全開。
それと、
昨夜はワカメそばと かやく御飯軽く一膳 今朝はジャムトースト2枚とスープだった それもこれもすべて… この昼の とんかつの ために!!
とか次のメシの感動のために、前夜からセーブして調整するようなとこ、「ダンドリくん」も入ってるよねー、いいねえ、サイコー
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