鎌倉の建長寺のまん前に、鉢の木という精進料理の店がある。
建長寺は、1253年に、北条時頼が、宋から蘭渓道隆を招いて創建した日本で初の禅宗の寺院として、あまりにも有名だが、そのまん前に店を構えてしまうというのもすごい。鉢の木という店の名も、北条時頼が大雪の時に、宿を乞いたところ、その主人が、大事にしていた梅、松、桜の三本の鉢の木を焚いて、栗飯を炊いた美談から来ている。
昼をそこで食べたのだが、グループ系の人も含めて満員。年齢層は、やはり高い。食事は、ご覧のような精進料理で、この後、野菜てんぷら、ご飯、ケンチン汁、デザートなどが出た。写真の右上にあるのが、ユバの揚げ物で、定番メニューになっている。精進料理の割に、量は結構あるので、昼食の場合、そんなに高いメニューでなくても十分。サービスも日本的で落ちついて食べられる。
ちなみに、ケンチン汁は、建長寺発祥の精進料理ということをご存じだろうか。建長寺で、修行中のお坊さんが、誤って壊してしまった豆腐や野菜くずを、もったいないので何かにつかえないかということから、出来た料理だったかと思う。だから、豆腐は、包丁で切ってはだめで、手で崩すのが、ポイントだ。豚肉などはもちろん入れない。
鎌倉らしい店として、訪れた時には、立ち寄られたらいかがだろうか。