本書は、例の?古本市で、背表紙だけ見てGET。後から、調べたら、文庫本で、まだ入手可能のようだ。
読み始めたら、何か変だ。題名が示すように、特に脈略もなく、見開き2頁ずつの注釈集になっているようだ。
後書きによると、1テーマ原稿用紙3枚で、講談社の「本」に、足かけ5年に渡って連載されたエッセイ集だそうだ。
ただ、エッセイ集などといった軽いものではなく、一つ一つのテーマに松本さんの蘊蓄と洞察が、詰め込まれていて、読み応え十分。写真、挿絵、地図等も充実しており、ビジュアル的にもよい。1981年に第一刷が発刊されている。
一つ一つのテーマに新たな発見があるのだが、現在の古墳の主名が、明治時代に付け直されたものであることを初めて知った。松本さんのGETした、江戸時代の古墳解説本には、全く違う古墳の主名が記載されているのだそうだ。
例えば、高松塚古墳は、文武天皇陵になっているのだそうだ。
この時の指定が、いかに古代史探求の妨げになていることか。
しっかりした管理の元に、発掘を認めていくべきと思う。
松本さんの小説「火の路」にも、展開されている見解だが、飛鳥とイランの関係にも詳しく触れている。
正倉院に残されている鼻の高い伎楽面は、想像で作ったにしては、あまりにもリアルであるし、謎の石造群も、当時のペルシャ文明の影響が見られるという。イラン人が、当時の飛鳥にいたと考えると説明がつく。
本書にあった宣伝で、松本さんが、「清張通史」という本を出していることを知って、早速GETしてしまった。文庫本で入手可能だった。
こちらの方も、早く読んでみたい。