かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

清張通史2 空白の世紀

2012年07月13日 | Books



清張の通史シリーズ第二巻。
魏志倭人伝の時代以降、文字による日本の歴史は、途絶えるが、数は、少ないが、数々の考古学的発見により、その歴史は、おぼろげながら見えてはくる。

本書は、その謎に満ちた時代を、清張さんが、筋の通った推理で、解き明かしてくれる本。書かれた資料が少ない分、清張さんの本領発揮ともいえるかもしれない。

清張さんは、魏史倭人伝における邪馬台国の位置を、北九州地区とし、倭人は、九州と韓国をまたがって活動した民族とした。
本書では、それを発展させ、その後韓国の北から来た夫余族が、畿内で政権を立てたが、母国韓国との密な連絡は続いたと考える。
記紀で、大和にいたと語られる豪族たちも、同時に韓国から渡ってきたと考える。
任那国の説明もつく。倭種の居住の中心であったとする。
倭国と倭種を、分けて考えるところが、ポイントかもしれない。

面白かったのは、石上神宮の七支刀のデザインを、韓国の慶州で見つかった金冠のデザインと結び付けていることだ。あの金冠は、私もソウル国立博物館で見たが、そのような発想は全く出なかった。清張さんらしい推理である。

そして、倭の五王は、まさに夫余族が、畿内に移住して作った最初の統一王朝ではないかと推理するのである。そして、この王朝が、出雲、吉備、越と交わった記録が記紀ではないか。

朝鮮製の馬具の話、それにまつわる騎馬民族説の話にも多く触れられているが、面白い。

高木さんの小説と基本線は似ているが、やはり本家の方が、正面から、取り組んでいる本格派のように感じる。

明日から、連休。まだ梅雨空だが、小旅行に出る予定。
本書の影響も大きい旅。、

コメント
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