かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

法隆寺をささえた木

2016年06月18日 | Books
今日は、猛暑の中のゴルフだったが、結構、湿度は、低くて、どうにか回れた。
調子は、ほどほど。



本書は、本屋で見つけた。
著者の一人である西岡常一さんは、有名人だから知っていただ、もう一人の小原二郎さんは、農学博士で、木材工学のプロだ。

この現場のたたき上げの西岡さんと、その分野での科学の面からのプロの共著というユニークな組み合わせが、本書の最もユニークなところだろう。

初版が1978年で、ゲットしたのは、なんと90刷。大ロングセラーだった。

読むと、何故ロングセラーになったかがわかる。
西岡さんは、まさにたたき上げの宮大工だが、体で、飛鳥時代の建物の凄さを知った。そして、それを、本書でそれを、平易に説明してくれる。
小原さんは、その西岡さんが体で感じたことを科学的な見地から立証していくが、その体で感じたことが、科学的に根拠のあることであることがわかってくる。

木は、鉄よりも長持ちするイメージはあったが、最初の3~4百年は逆に強度が増すのだという。それから強度は落ち始めるが、そのスピードは極めて遅い。
木の種類、生えている環境によって、扱い方が全く違う。
それをうまく使うのが、大工の腕のみせどころだ。
それにしても、もう立派なヒノキが世界中探しても見つからなくなっているという。
そういえば、金沢城の再建使われた木ももう入手困難と説明されていた。

一体飛鳥時代の人は、どうやってその知見を持ったのか。大陸から伝わっただけでは、説明できない。
なぜなら、生えてる木が違うからだ。
ただ、礎石を使う工法は、大陸から伝わったものであると思われる。
日本から、韓国に伝わったのではないかと思われる技術もある。

単なる建築の話だけではなく、当時の人、物、文化の流れ、仏像にまで、話が広がる。

古代史ファンであれば、必須の一冊。
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