本書は、本屋で見つけた。
単行本が文庫化されたものらしいが、なかなか面白かった。
三種の神器という言葉は、いろいろな場面で使われるが、元祖はもちろん天皇家の象徴。
鏡、勾玉、刀であるが、確かに、どこにあるのか、どのようなものなのかを考える機会はなかった。
例えば、刀は、熱田神宮の宝物だが、皇居にある刀は?
鏡は、伊勢神宮内宮にあるのではなかったけ?
壇ノ浦に消えた神器は何?
このような疑問に著者の戸矢さんは、丁寧に答えてくれる。
とは言っても、実際に見られた訳ではないから、いろんな資料を元に研究した結果を教えてくれるということだが。
面白かったのは、鏡、刀など中国、韓国から伝来したものが神器になっているが、必ずしや日本ならではの形になっているはずとのご意見。
また、勾玉は、縄文時代から伝わる日本古来の姿を引き継いでおり、皇居に現物があるのは、勾玉であり、刀、鏡は、レプリカであるはずというご意見だ。
確かにそうなのかもしれない。
ただ、本当の正解は、現物を見ないとわからないし、今の天皇家が続く限り、その時は永遠に来ないのだと思う。
それでいいのだと思う。