かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

欲望

2022年04月03日 | Movie



今日は、冷たい雨の中のゴルフ。
桜は、きれいだったのだが。
2月の気温だったという。
とほほ。



本DVDは、ヤードバーズに在籍していたジミーペイジとジェフベックの共演が見られるというので、ゲットしたが、謎めいた映画で、3回も続けて見てしまった。
BLOW UPとは写真を引き伸ばすことを言うので、この邦題”欲望”は、合っていないし、内容ともマッチしない。
インパクトのある響きのある言葉なので、そのままがベストだったろう。



太陽がいっぱいを撮ったアントニーニ監督の初の英語作品とのこと。
音声が3通り入っていて、①普通の映画②アントニーニ研究家の方の副音声付③セリフなしの音楽のみの音声。
BGMは、ハービー・ハンコックのモダンジャズで、60'sを代表する音。
ストーリーは、あってないようで、夢と現実がわからなくなる。
とにかく、結論を出さないまま画面が変わり、物語?が進み。

町の雰囲気、人の雰囲気も、スウィンギング60'sをうまく切り取った感じで、研究家の方も、それぞれのシーンで、アントニオーニが何を言いたかったのか、議論が続いているそうだ。
ただ、監督自身もわかっていないかもしれないという。
突っ込みどころ満載で、それをよしとしている。

カメラアングルも独特で、主人公の目線で追っていると思ったら、撮影者目線だったり。
この辺は、ピカソ的なのかもしれない。

ドラッグ、セックス、LGBTも随所に出てくるが、今だったら、アウトの部分と、当時アウトだったが、今だったら、OKのシーンが入り混じる。

ヤードバーズを見る観客は、人形のように動かない。
これも、監督の意図したスウィンギング60'sを象徴するシーンという。
監督は、元は、ドキュメンタリーフィルムを作っていたそうだ。
ジミーは、淡々と弾き続けるが、ジェフベックのギターは、アンプによくつながらず、わざとか、怒ってか、ギターを破壊し、ネックを客席に投げつける。
それを主人公が奪取して、会場の外に逃げ出すのだが、外に出たとたん、ネックは、ただのごみになり、道に捨てられる。

とにかく、一見無意味なシーンが重なり、独特のムードを盛り上げるが、緩急がついていて、見る者を飽きさせない。

1966年の映画ということで、ビートルズもドラッグにはまっていた頃。
映画の世界の、サージェントを目指していた監督だったのかもしれない。
60'sに興味のある方は、必見。

コメント
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