今日も、日中は、まずまずの天気。
夜から、崩れるようだが。
本書は、先日の庵野さんの展覧会でゲット。
恥ずかしながら、その存在を知らなかった。
元々は、1995年に出た本だが、絶版になっていて、2021年、改訂され再発売されたそうだ。
すばらしい本だった。
成田さんの名は、円谷さんや、金城さんに比べ、あまり知られてなく、私も、たぶん20年前に知ったぐらい。
ところが、本書を読むと、近時のウルトラブームは、成田さんの貢献が一番大きかったのではないかと感じられる。
もちろん、円谷さんの特撮技術や、金城さんの魅力あふれる脚本も大きいのだが、あのウルトラマンや怪獣たちの造形がなかったら、これだけ長く愛され続けることはなかったのではないか。
成田さんへのインタビューをまとめた形になっているが、生い立ちから、美術(特に、彫刻)を目指し、特撮にシフトし、でも最後彫刻家としての活動も評価された。
この彫刻家としての素質、経験がなければ、このウルトラマン、怪獣群の造形は、生み出されなかったのではないかと思われる。
本書によれば、最初の傑作は、ガラモン。
カネゴンも別のジャンルになるかもしれないが、傑作。
ケムール人の顔は、シンクロナイゼーションの技法を活用している。
ピカソからは逆遠近法を学んだという。
ウルトラマンの造形も、ほとんど無から、50年以上愛される造形を作り出したことが語られる。
カラータイマーに反対した話、ウルトラセブン役の顔が大きかったため、7等身にできなかった話、バルタンは、あまり好きでなかった話など、貴重な話が満載だ。
ウルトラマンや、ウルトラセブンの眼の穴の経緯も語られる。
その他、普通の映画でも、背景の絵や、街のミニチュア模型や、傑作を作られており、もう一度見てみたいと思う。
成田さんが文句を言っているのは、これだけの仕事をしたのに、ほとんど著作権的な収入が得られなかった点。
青色ダイオードの件を思い出す。
裁判を起こせば、もう少しお金を得られたかもしれないが、円谷プロは、芸術家肌の集団で、企業経営的には、厳しい状況が続いており、成田さんもそこまでする気はなかったようだ。
著作権という概念がまだ低かった時代だった。
石森章太郎は、最初から得られた収益の30%という契約をしたため、正当な収益を得られたという。
何気なく見ていた映画の名前も多く出ているので、DVDを見直してみたい。
成田さんの名のクレジットさえ無い作品も多いという。
後に、成田さんの成果を自分の成果のように話す業界人が多いのにも辟易されている。
ウルトラマンの造形は、成田さんがほとんど一人で編み出したもの。
その他の怪獣も、ほとんど造形についての指示はなく、怪獣の性格や、元の怪獣の着ぐるみを指定され改造するよう言われただけだったという。
なるべくシンプルな姿を目指したので、その後、ゴテゴテした怪獣についての評価は低い。
妖怪と怪獣の違いも大事にしており、怖いもの、グロテスクなものにならないように常に注意したというが、これは、円谷さんの考え方によるところも多いかもしれない。
成田さんのような芸術家出身の職人がいたから、50年以上愛されるキャラになり、シン・ウルトラマンが生み出されたことを思い知らされた。
特撮ファンは、必読の1冊だと思う。
夜から、崩れるようだが。
本書は、先日の庵野さんの展覧会でゲット。
恥ずかしながら、その存在を知らなかった。
元々は、1995年に出た本だが、絶版になっていて、2021年、改訂され再発売されたそうだ。
すばらしい本だった。
成田さんの名は、円谷さんや、金城さんに比べ、あまり知られてなく、私も、たぶん20年前に知ったぐらい。
ところが、本書を読むと、近時のウルトラブームは、成田さんの貢献が一番大きかったのではないかと感じられる。
もちろん、円谷さんの特撮技術や、金城さんの魅力あふれる脚本も大きいのだが、あのウルトラマンや怪獣たちの造形がなかったら、これだけ長く愛され続けることはなかったのではないか。
成田さんへのインタビューをまとめた形になっているが、生い立ちから、美術(特に、彫刻)を目指し、特撮にシフトし、でも最後彫刻家としての活動も評価された。
この彫刻家としての素質、経験がなければ、このウルトラマン、怪獣群の造形は、生み出されなかったのではないかと思われる。
本書によれば、最初の傑作は、ガラモン。
カネゴンも別のジャンルになるかもしれないが、傑作。
ケムール人の顔は、シンクロナイゼーションの技法を活用している。
ピカソからは逆遠近法を学んだという。
ウルトラマンの造形も、ほとんど無から、50年以上愛される造形を作り出したことが語られる。
カラータイマーに反対した話、ウルトラセブン役の顔が大きかったため、7等身にできなかった話、バルタンは、あまり好きでなかった話など、貴重な話が満載だ。
ウルトラマンや、ウルトラセブンの眼の穴の経緯も語られる。
その他、普通の映画でも、背景の絵や、街のミニチュア模型や、傑作を作られており、もう一度見てみたいと思う。
成田さんが文句を言っているのは、これだけの仕事をしたのに、ほとんど著作権的な収入が得られなかった点。
青色ダイオードの件を思い出す。
裁判を起こせば、もう少しお金を得られたかもしれないが、円谷プロは、芸術家肌の集団で、企業経営的には、厳しい状況が続いており、成田さんもそこまでする気はなかったようだ。
著作権という概念がまだ低かった時代だった。
石森章太郎は、最初から得られた収益の30%という契約をしたため、正当な収益を得られたという。
何気なく見ていた映画の名前も多く出ているので、DVDを見直してみたい。
成田さんの名のクレジットさえ無い作品も多いという。
後に、成田さんの成果を自分の成果のように話す業界人が多いのにも辟易されている。
ウルトラマンの造形は、成田さんがほとんど一人で編み出したもの。
その他の怪獣も、ほとんど造形についての指示はなく、怪獣の性格や、元の怪獣の着ぐるみを指定され改造するよう言われただけだったという。
なるべくシンプルな姿を目指したので、その後、ゴテゴテした怪獣についての評価は低い。
妖怪と怪獣の違いも大事にしており、怖いもの、グロテスクなものにならないように常に注意したというが、これは、円谷さんの考え方によるところも多いかもしれない。
成田さんのような芸術家出身の職人がいたから、50年以上愛されるキャラになり、シン・ウルトラマンが生み出されたことを思い知らされた。
特撮ファンは、必読の1冊だと思う。