今日は、ゴルフ。
気温が上がったが、湿度はまだ低く快適なゴルフだった。
スコアもまずまず。
アプローチが良かった。
本書は、書評が出ていたので、ゲット。
卑弥呼絡みの本は、それこそ無数に出ているので、付き合っていたらきりがないのだが、結構刺激的な書評だったので。
分厚い選書。
著者の寺沢さんのライフワークの集大成みたいな気合の入った一書だった。
寺沢さんは、考古学者だが、特に、纏向の発掘に主体的に取り組んで来て、ここが卑弥呼のいた都に違いないとの確信を得た。
しかしそれは、邪馬台国の卑弥呼ではなく、ヤマト王権の初代大王の卑弥呼の都だった。
なかなか大胆な説だが、そこにたどり着くまでの膨大な発掘の足跡、データの分析を見せられると、圧倒されるし、もちろん100%説明できる説などないのだが、かなりの部分を埋めてたどりついた説だということがわかる。
九州説に対する最大のポイントは、卑弥呼のいた都の候補地が見つかっていないという点。
確かに。
一方、纏向は、その規模、古墳の年代分析等から、ぴったりと見る。
箸墓古墳を中心とした古いタイプの前方後円墳は、大和朝廷が出来上がる前の、卑弥呼のヤマト王権のもので、区別して見るべきで、邪馬台国と卑弥呼を紐付けて考えてきたことによる混乱が、議論を無限ループに陥れていると考える。
各論でも面白い話満載で、中国鏡の発掘データの分析から得られる時代毎の変遷や、楯築古墳のヤマト王権に直結する重要性、1977年に発掘された曹氏の本拠地から見つかった倭の文字を含む文字の話などなど。
対立する説に対しても、一つ一つ反論している。
強く反論できるケースと、できないケースがあるが、スルーしないで、議論を続けることが大切と説く。
冒頭に、纏向の地図が載っていた。
以前、車で行った時には、場所が特定できずに、断念したが、駅から歩ける範囲に様々な痕跡が残されていることがわかったので、次回奈良を訪れる時は、纏向散策のスケジュールを入れて、卑弥呼の匂いが感じられか、実査したい?
卑弥呼に興味のある方にお勧めしたいが、かなり専門的にはなる。