東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース「稼げる!プロコン育成塾」のブログ。経営・ビジネスに役立つ情報を発信

原発を考える。

2015-04-13 06:44:37 | 14期生のブログリレー

皆様こんにちは、14期生の中川です。 

今回は、前回(「格差を考える」)に続き、固いテーマですが、原発について取り上げたいと思います。

2011年3月東日本大震災後、原発の是非をめぐる論争は至る所、至る機会、で取り上げられ、日本の将来を決める上での最重要課題の一つとなっております。

原発推進派の論拠は、①島国で天然エネルギーに乏しい日本では、原発に代わり得るエネルギーは乏しいこと。②費用面:原発は石油、石炭等の燃料に比べ安いこと。特に製造業にとって、今以上の電力費の上昇はコスト面で国際的な競争力を失いかねないこと。③環境面:化石燃料に比べ二酸化酸素排出量を抑えられること。④雇用面:原発があることで地場の関連企業を含め、雇用面での貢献が大きいこと。等が主な論点です。

一方原発廃止派の論点は、①東日本大震災の教訓を活かすこと。②時間軸:福島原発の廃炉処理の見通しさえ立たない中で、更に原発を稼働させることの是非。③費用面:廃炉の費用まで考えれば、結局原発は高くつく。④何より、有事の際に制御が不可能となる危険性。等が主な論点です。

どちらの主張も一理あり、原発廃止は理想ではあるけれど、今すぐ原発廃止することによるマイナス面が大きいのも否めないところであり、一筋縄ではいかないテーマです。

一方節電です。大震災後の2011年夏は電力不足が一大テーマで、特に夏場は国を挙げて節電に取組みました。当時は原発が止まることでの電力不足が問題であり、毎日電力キャパ比電力消費量や、停電のリスクが報じられ、生活レベルまで節電が徹底されました。ところが2012年以降、なぜか政府やメディアでの節電の呼びかけは減り、国民レベルでの節電意識も弱まり、昨年は節電についての呼びかけは殆どありませんでした。

ここで感じるのは、日本全体では、一体どれだけの電力が必要なのか、実は国民レベルでは知らされていないのではないのか、という疑問です。2011年はあれだけ毎日節電を呼びかけていながら、翌年以降は殆ど報道されなくなったこと自体、非常に不思議です。

化石燃料だけでは、日本の電力は賄えない、といっておきながら、原発稼働がゼロでも、現実に日本の経済活動や日本人の生活は回っています。

原発の是非を論じる前に、電力に対する正しい知識や、広範且つ透明な情報を政府やメディアはもっと提供するべきと考えます。

即ち、①化石燃料や自然エネルギー発電だけでも節電を行うことで必要なエネルギーは今後も賄えるのか、②そもそも国民レベルではどの程度の節電が必要なのか、③費用は原発対比でどの程度上昇するのか、そのインパクトは日本経済にどの程度の影響を与えるのか。④化石燃料から排出されるCO2は最新の技術でどの程度抑えられるのか、⑤原発廃止の場合の雇用への影響はどの程度なのか、といった主要な論点に対し、知らされていないこと、不明なことが多いために、原発に関する議論は深まっていかないのだと思います。

主要なテーマを包括的に捉えたうえで、原発稼働の是非について考えるべきだと思います。メディアにはそうした意識を持ってより広範で透明な情報公開を求めたいと考えます。

お付き合いいただき、有難うございました。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする