皆さん、こんばんは。4月5日(木)担当の17期生山田隆司です。
本日もお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
4月に入り、春の暖かい陽射しのなか、汗ばむぐらいの陽気になってきました。
4月といえば入学シーズンですね。真新しい制服姿とその親御さんを見て
ほほえましく思います。
私も3年前の2015年に大学院に入学しまして、2年間学生生活を送りました。
学生と言っても社会人大学院ですので、週末土日が講義のスタイルになります。
経営学の修士課程では、国際標準のカリキュラムのもと進められており、
ベースにはケースメソッドを用いた「アクティブラーニング」があります。
出所 名古屋商科大学ビジネススクール、URL:http://mba.nucba.ac.jp/
ということで今回のテーマは、「アクティブラーニング」について、
考えてみたいと思います。
1.アクティブラーニング(Active Learning)とは?
まず、アクティブラーニングとは、いったいどのようなものでしょうか?
アクティブラーニング(Active Learning)とは、参加者を中心とした学修を指し、
ケースメソッドはその代表的な手法として知られています。欧米ではアクション
ラーニング、もしくは参加者中心型学修(Participant Centered Learning)などと
呼ばれ、高校生、大学生、社会人、企業幹部など幅広い層を対象とした教育手法として
確立されています。
また、ケースメソッドとは、企業の概要や自社を取り巻く環境、直面している課題などを、
約20ページぐらいに収めた小冊子となるケースを題材に、ケースに登場する課題に
直面する主人公になりきり、自分の意見を整理した上で、講義の中で参加者と
議論を交わし、理解を深める教育手法になります。
アクティブラーニングの最大の特徴は「正解がない」議論を教師がハンドリングしな
ければならない点です。正解・解答がある課題を教えることはそれほど難しいことでは
ありません。しかしながらアクティブラーニングが目指すのは、正しい「知識」の修得
ではなく、参加者個人としての「一般化」を実現することであり、こうした個人として
の結論を議論の中から引き出す・導く能力が教員には求められます。
2.アクティブラーニングが必要な理由
アクティブラーニングの必要性を主張する根拠としては「学修定着率」の図が
よく用いられます。この図はエドガー・デール(オハイオ州立大学教育学教授)が、
その著書である「Audio-Visual method in teaching【学習指導における聴視覚的方法】
(1946)」で提唱した学習経験の分類図でして「経験の円錐:Dale's Cone of Experience」
と呼ばれています。この分類図によると、講義形式で受動的にだだ聞くだけの
学修定着率は、たったの5%という、悲しい現実を理解する必要があります。
この現状を打破するために、参加者がより能動的に参加できる①グループ討論、
②フィールドワーク、③プレゼンテーションといったより学修定着率をを上げる
「アクティブラーニング」が注目されています。
3.アクティブラーニング実施方法のポイント
アクティブラーニングとは「参加者中心型の学修」を意味しています。
アクティブラーニングでは、先生の役割は講師(レクチャー)ではなく進行
(ファシリテート)となります。したがって極論を言うと、ファシリテーターは
あくまで中立的な立場から議論の進行をサポートを行うことになりますので、
講義中に先生が自分自身の意見を主張したりすることはありません。
実施するにあたり重視する点として、以下の3つのポイントが挙げられます。
①復習より予習を重視する
②正解探しを行わない
③記憶量ではなく講義への貢献度を重視する
出所 名古屋商科大学HP、URL:http://www.nucba.ac.jp/active-learning/
4.アクティブラーニングが教育に与えるインパクト
社会の変化が加速度を増し、予測困難な時代になる中で、これから学んでいく
子供たちが大人になる2030年頃の社会の在り方を見据えながら、どのように
知・徳・体にわたる「生きる力」を育むのかが今後の教育で重要視されていきます。
一方的に知識を得るだけでなく、「主体的・対話的で深い学び」いわゆる
アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善をさらに充実させ、子供たちが
これからの時代に求められる資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的に
学び続けることを目指していきます。
討論など課題に対して意見を出し合い、解決方法を探る授業をはじめ、
国語では授業で学んだ語彙を表現に生かしたり、数学で学んだ数式や社会で
学んだ情報を、問題を解く為だけでなく、身近な場面に結び付けたりと、
授業で学んだことをいかに実生活に結び付け、活かしていける力を養うかが
今後の課題となっていきます。
このように、主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点からの
学習プロセスの改善することで、一人一人が未来の創り手となることにあります。
文部科学省では、高等教育では平成29年度に学習指導要領が改訂され、
移行期間を経て平成34年度より本格導入されることが決まっています。
また、幼稚園・小学校・中学校ともに随時全面実施されているとのことです。
出所 文部科学省HP「次期学習指導要領等の改訂案」
URL:http://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2017/20170214.htm
5.実際にアクティブラーニングを受講して感じたこと
はじめはとても戸惑いました。もともと内向的な性格なので、
積極的に話して議論をすること自体、とても抵抗感がありました。
講義では事前予習はもちろんのこと、自分の考えを事前に確立することが必要で、
ある程度の量をこなさないと、質のよい思考には到達しません。
大学院でもあるので、とてもハードな日々でしたが、
半年も過ぎると慣れてきて、初対面でもすぐ議論がすすめられるようになりました。
議論を進める中で、新しい発想や違った考え方を理解することで、
より自分の考え方を理解することができました。
自身の変化を実感できる貴重な経験でした。
今、大学院でやっていることが、今後は小学校でも取り入れられると思うと、
ワクワクしてきます。きっと実りのある対話が楽しめると確信します。
「すべての創造は対話からしか生まれません。」
次の世代では、主体的に学ぶことで自らの可能性を広げ、明るい未来を、
自分たちの手で創り出していくのではないでしょうか。
本日もお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
4月に入り、春の暖かい陽射しのなか、汗ばむぐらいの陽気になってきました。
4月といえば入学シーズンですね。真新しい制服姿とその親御さんを見て
ほほえましく思います。
私も3年前の2015年に大学院に入学しまして、2年間学生生活を送りました。
学生と言っても社会人大学院ですので、週末土日が講義のスタイルになります。
経営学の修士課程では、国際標準のカリキュラムのもと進められており、
ベースにはケースメソッドを用いた「アクティブラーニング」があります。
出所 名古屋商科大学ビジネススクール、URL:http://mba.nucba.ac.jp/
ということで今回のテーマは、「アクティブラーニング」について、
考えてみたいと思います。
1.アクティブラーニング(Active Learning)とは?
まず、アクティブラーニングとは、いったいどのようなものでしょうか?
アクティブラーニング(Active Learning)とは、参加者を中心とした学修を指し、
ケースメソッドはその代表的な手法として知られています。欧米ではアクション
ラーニング、もしくは参加者中心型学修(Participant Centered Learning)などと
呼ばれ、高校生、大学生、社会人、企業幹部など幅広い層を対象とした教育手法として
確立されています。
また、ケースメソッドとは、企業の概要や自社を取り巻く環境、直面している課題などを、
約20ページぐらいに収めた小冊子となるケースを題材に、ケースに登場する課題に
直面する主人公になりきり、自分の意見を整理した上で、講義の中で参加者と
議論を交わし、理解を深める教育手法になります。
アクティブラーニングの最大の特徴は「正解がない」議論を教師がハンドリングしな
ければならない点です。正解・解答がある課題を教えることはそれほど難しいことでは
ありません。しかしながらアクティブラーニングが目指すのは、正しい「知識」の修得
ではなく、参加者個人としての「一般化」を実現することであり、こうした個人として
の結論を議論の中から引き出す・導く能力が教員には求められます。
2.アクティブラーニングが必要な理由
アクティブラーニングの必要性を主張する根拠としては「学修定着率」の図が
よく用いられます。この図はエドガー・デール(オハイオ州立大学教育学教授)が、
その著書である「Audio-Visual method in teaching【学習指導における聴視覚的方法】
(1946)」で提唱した学習経験の分類図でして「経験の円錐:Dale's Cone of Experience」
と呼ばれています。この分類図によると、講義形式で受動的にだだ聞くだけの
学修定着率は、たったの5%という、悲しい現実を理解する必要があります。
この現状を打破するために、参加者がより能動的に参加できる①グループ討論、
②フィールドワーク、③プレゼンテーションといったより学修定着率をを上げる
「アクティブラーニング」が注目されています。
3.アクティブラーニング実施方法のポイント
アクティブラーニングとは「参加者中心型の学修」を意味しています。
アクティブラーニングでは、先生の役割は講師(レクチャー)ではなく進行
(ファシリテート)となります。したがって極論を言うと、ファシリテーターは
あくまで中立的な立場から議論の進行をサポートを行うことになりますので、
講義中に先生が自分自身の意見を主張したりすることはありません。
実施するにあたり重視する点として、以下の3つのポイントが挙げられます。
①復習より予習を重視する
②正解探しを行わない
③記憶量ではなく講義への貢献度を重視する
出所 名古屋商科大学HP、URL:http://www.nucba.ac.jp/active-learning/
4.アクティブラーニングが教育に与えるインパクト
社会の変化が加速度を増し、予測困難な時代になる中で、これから学んでいく
子供たちが大人になる2030年頃の社会の在り方を見据えながら、どのように
知・徳・体にわたる「生きる力」を育むのかが今後の教育で重要視されていきます。
一方的に知識を得るだけでなく、「主体的・対話的で深い学び」いわゆる
アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善をさらに充実させ、子供たちが
これからの時代に求められる資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的に
学び続けることを目指していきます。
討論など課題に対して意見を出し合い、解決方法を探る授業をはじめ、
国語では授業で学んだ語彙を表現に生かしたり、数学で学んだ数式や社会で
学んだ情報を、問題を解く為だけでなく、身近な場面に結び付けたりと、
授業で学んだことをいかに実生活に結び付け、活かしていける力を養うかが
今後の課題となっていきます。
このように、主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点からの
学習プロセスの改善することで、一人一人が未来の創り手となることにあります。
文部科学省では、高等教育では平成29年度に学習指導要領が改訂され、
移行期間を経て平成34年度より本格導入されることが決まっています。
また、幼稚園・小学校・中学校ともに随時全面実施されているとのことです。
出所 文部科学省HP「次期学習指導要領等の改訂案」
URL:http://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2017/20170214.htm
5.実際にアクティブラーニングを受講して感じたこと
はじめはとても戸惑いました。もともと内向的な性格なので、
積極的に話して議論をすること自体、とても抵抗感がありました。
講義では事前予習はもちろんのこと、自分の考えを事前に確立することが必要で、
ある程度の量をこなさないと、質のよい思考には到達しません。
大学院でもあるので、とてもハードな日々でしたが、
半年も過ぎると慣れてきて、初対面でもすぐ議論がすすめられるようになりました。
議論を進める中で、新しい発想や違った考え方を理解することで、
より自分の考え方を理解することができました。
自身の変化を実感できる貴重な経験でした。
今、大学院でやっていることが、今後は小学校でも取り入れられると思うと、
ワクワクしてきます。きっと実りのある対話が楽しめると確信します。
「すべての創造は対話からしか生まれません。」
次の世代では、主体的に学ぶことで自らの可能性を広げ、明るい未来を、
自分たちの手で創り出していくのではないでしょうか。