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タイ洞窟の少年救出劇に貢献した中小企業

2018-08-23 12:00:00 | 18期生のブログリレー
こんにちは。第18期生の小野澤です。タイの洞窟に閉じ込められた12人の少年達と教師の救出劇を世界が固唾を飲んで見守ったのは記憶に新しいところです。救出には世界中のダイバーが協力し、様々な救出方法が内外で検討され、提案されました。大きな話題になったのは米国EVメーカー、テスラのCEO イーロン マスク氏が提案した小型潜水艇を使用して子供らを救出するアイデアでした。実際に潜水艇を洞窟に持ち込んで使用テストまでしたらしいですが、洞窟の狭く、複雑に曲がりくねった状況では旨く機能せず、英国人ダイバーから『こんなもの使い物にならないから、お前の〇〇にでもぶち込んどけ』と酷い言い方で罵倒され、怒ったイーロン マスク氏がツイッター上でダイバーに暴言をはき、一時は訴訟沙汰になるかと言った騒ぎになりました。そんな場外乱闘騒ぎの中、一部報道機関が報じたのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、その喧噪の陰で実は密かに日本の大阪の中小企業がこの救出劇に貢献していたそうです。この会社コドモエナジーと言う小さな会社で、蓄光建材と言う蛍光機能を持つ建材のメーカーです。この会社のルナウェアと呼ばれる蛍光建材は、有田焼の釉薬の技術を応用した製品で、太陽光や蛍光灯の光を吸収して、最高12時間程度まで発光を持続できると言う大変蓄光効率の高い製品で、日本ものづくり大賞を受賞したこともある優れものです。これがどのように救出劇に役立ったかと言うと濁った洞窟の水中でダイバー達がこれを身に着けることで、お互いの距離を認識したり、水中で洞窟内の構造を把握するために、距離を測ったりするのに大変役立ったそうです。あまりニュースにはなりませんでしたが、近ごろ日本の製品の存在感が世界の中で薄れる中、日本発の中小企業の製品がこのような形で貢献するのを見るのは日本人として大変喜ばしいことです。
この会社では、このルナウェアと言う製品が電気やバッテリー不要で長時間発光するその特徴から特に電力事情が悪い東南アジア地域で様々な需要があるのではないかと海外進出にも意欲を燃やしているそうです。
是非このような会社には成功してもらいたいと思いますが、診断士の目線でこの会社の今後の戦略を考えてみるといくつかの可能性が考えられます。例えば有名なマイケル ポーターさんの3つの基本戦略、すなわちコストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略に当てはめてみると、製品の差別化を追求し、高価格でも製品を受け入れてもらえる条件を整えることで利益を確保する差別化戦略か特定セグメントでのみ戦う(敢えて戦わない)ことで利益を確保する集中戦略のいずれかなのかなと思います。今後様々な分野にこの製品を普及させようと考えた場合、東南アジア市場で高価格でどれだけ受容されるか不透明ですが、製品の性能を磨いて差別化戦略で内外の市場を開拓して行くことは、この会社にあったアプローチかも知れません。私も中小企業診断士として将来このような独自技術をもった元気な中小企業の海外展開の支援ができたら良いなと思う今日この頃です。
コメント (3)
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