直近の1年間を振り返ってみると、様々な分野で既存の知識だけでは説明がつかないケースがたくさんある事を知りました。今回は中小企業診断士としても役に立つ点を幾つか整理してみました(今回はOKR);
【業績評価モデル】
世間一般ではKPI・KGIといった指標をベースに会話するケースが多いですが、
シリコンバレーを中心に目標設定及び目標管理指標としてOKRをも導入している
企業が少なからず存在することを知りました。
Objectives and Key Results(目標と主要な結果)の略です。
主な特徴は、高い頻度で設定、追跡、再評価することができ、ゴールは全従業員
が同じ方向を向き、明確な優先順位を持ち、計画の進行の足並みをそろえられる
点です。
① Objectives(目標)
・定性的であること(定量的な指標(数字など)を入れない)
・組織・チームを鼓舞するチャレンジングな内容
・覚えやすい(Simple is best!!)
・短期間(1~3ヶ月)で達成できるもの
② Key Results(主な結果)
・定量的な指標で、数値で測れる
・数は3つ
・ストレッチ目標(ちょっと頑張れば達成できる少し背伸びした目標(難易度)であること)
・100点を目指さない(60~70%の達成度で成功とみなす)
分かりやすかった比喩は、OKRがカーナビ、KPIが計器類、と自動車に例えているケースです。それぞれをうまく組み合わせれば、より快適かつ効率的なドライブ(経営)が出来ますね。
OKRの特徴は全社レベルで設定したものに沿って職制毎に落とし込んでいく手法で、日本の企業経営にも非常に馴染みやすい点です(日本の多くの企業に欠けている経営者・組織長の説明責任(アカウンタビリティ)及び双方向の会話を補完する役割もあります)。
設定における大まかな流れは以下の通り;
① 企業(全社)OKRを設定
② 各チームからのフィードバックを元に企業(全社)OKRを調整
③ チーム(本部・部・課・ビジネスライン)毎のOKRの設定
④ チームOKRを各組織内で共有し合い、調整する
⑤ 個人OKRの設定
⑥ 個人OKRを組織内で共有し合い、調整する
⑦ 週に1度、各組織メンバーで進捗状況をレビューして進捗確認
⑧ 中間レビューを行う(1か月毎)、最終レビュー(3か月後)を行う
⑨ 次の四半期の企業OKRの設定に着手する(後は①~⑧を繰り返す)
業績評価を行う手法にMBO(Management By Objectives:目標管理制度)がありますが、日本でも年に1回(多くて半期毎の中間レビューを含めて年2回)という企業が多いのではないでしょうか?
OKRの場合は、目標設定がクリアかつ定量的にスコアリングを行うことが出来る為、個人的感情や人間関係に左右されず、簡単かつ正確な評価が実現できるメリットも期待できます。
① より具体的であること
② 測定可能であること
③ 達成可能であること
④ 経営目標に関連していること
⑤ 時間的制約(制限)があること
近い将来、中小企業診断士・情報処理技術者等の一次試験でも出てくるかもしれませんね。
以上