こんにちは。22期の浅野です。
今年1月に読んだ、クリエイティブ・ディレクターである水野 学の著書「センスは知識から始まる」の感想を書こうと思います。本を読むきっかけは、ある研究会で紹介された際、センスは持って生まれた才能という一般的な捉え方に挑戦するようなタイトルに興味をそそられたからです。
読み始めると、この本でいう「センス」は芸術的なセンスというより、ビジネス的に成功するセンスと言い換えられる事に気づきました。
例えば、“「売れる」企画と「尖った」企画はイコールではない”という一文があり、“センスの良さとは、数値化できない事象の良し悪しを判断し、最適化することであると定義する”とあります。つまり、ビジネスで成功につながる感性をどう磨くかがテーマです。
さらに、クリエイティブ・ディレクターである著者が、その役割はいわゆる広告代理店のクリエイティブ・ディレクターではなく、商品開発、名刺、社屋の内装、デスク、社長のネクタイなど徹頭徹尾考え、実践していくことであると言っています。また、資生堂やサントリーを例に挙げ、企業の美意識やセンスが企業価値になるので、日本の企業にはクリエイティブ・ディレクターが必要であると主張しています。
ここまで聞くと、ビジネスの成功に繋がる美的なセンスを取り上げているのがわかっていただけるのではないでしょうか。中小企業診断士も、このようなセンスを磨けばより価値の高いサービスが提供できると思いました。
そして、「センスは磨ける」と続きます。
“センスに自信のない人は、実はいかに情報を集めていないかを自覚しましょう。インテリアセンスの良い人は、100冊以上のインテリア雑誌に目を通しているだろう。10冊程度でセンスが磨けるわけではない。その人のセンスは感覚ではなく、膨大な知識の集積なのです。“ というあたりは、発想のためには豊富な知識が頭の中に入っている必要があることを示しています。
後半は、センスを磨く方法について書かれています。
気に入ったことばをいくつか紹介します。例えば、“企画書は消費者に知識、物語、価値を知らせる手紙”、“「好き」を深掘りしてセンスあるアウトプットをする”等です。また、“不勉強と思い込みはセンスアップの敵”などは、背筋が伸びる気がしました。
中小企業診断士にとってのセンスは、美的なセンスもさることながら本質を捉えるセンスや解決策を発想センスなどでしょう。
「センスのいい中小企業診断士」をめざすのも、悪くない気がしました。
ご興味を持たれた方は、一度目を通してみてはいかがでしょうか。
以上