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高校野球界の新しい指導者

2023-09-13 12:00:00 | 23期生のブログリレー

こんにちは、稼プロ!23期生の曽我剛です。9月も半ばになり、早く暑い夏が終わってほしいと思う日々ですが、今回は夏の風物詩の高校野球について書きます。

私はスポーツ観戦が大好きで、特に好きなのはサッカーと野球です。野球は阪神ファンですが、子供のころから高校野球も好きでよく見ていました。高校生のひたむきな姿、あきらめずに頑張る姿に惹かれ、後半の逆転劇などドラマチックな展開の多さも魅力的です。特に私が子供の頃は、早稲田実業の荒木大輔の大ちゃんフィーバー、やまびこ打線の池田高校の夏春連覇、池田高校の3季連続優勝の夢を打ち砕いたPL学園 桑田・清原(KK)コンビの活躍、とスター選手や話題性に事欠かず、夢中で見ていました。

今年の夏の甲子園は、慶應高校と仙台育英高校が決勝を戦い、慶應高校が優勝しました。神奈川在住の私は、毎年神奈川代表を応援していますが、今年の慶應高校の活躍に興奮して試合を見ていました。慶應高校は森林監督、仙台育英高校は須江監督という、共に従来の高校野球の監督のイメージとは異なる指導者がチームを率いていました。両監督とも野球選手としての目立った実績はあまりなく、早くからコーチを経験し、指導者を目指していたそうです。森林監督は、慶應高校で野球部でしたが、慶應大学進学後は野球部に入らずに慶應高校の学生コーチを4年間しています。須江監督は仙台育英高校入学後、選手としてはあまり活躍できず、2年秋には学生コーチになり、選手生活を終えています。八戸大学進学後も野球部で選手でなく、マネージャーと学生コーチを務めています。両監督のそういう経験が選手の気持ちを理解でき、選手に寄り添う現在の指導の原点になっています。

両監督の指導法として、以下の点に特徴があると感じました。

1.脱勝利至上主義で個人の成長に目を向けている
高校野球は基本的に負けたら終わりの一発勝負で、どうしても勝敗という結果に目が行きがちになります。ところが両監督は教育者として、勝利よりも選手個人の成長を重視している点が素晴らしいです。森林監督は、高校生は「この試合に勝てれば、あとはどうなってもいい」と思いがちなのを大人が止めて、高校卒業後の人生に目を向けさせて、成長を促す指導をしています。須江監督も勝利至上でなく選手の成長を重視し、情報が溢れる現代において、思考の整理をしてあげるのが監督の大切な仕事だと言って、選手全員と1対1の面談をしているとのことです。

2.練習は合理的で自主性を重んじる
両校ともに従来の高校野球の厳しさが前面に出る練習のイメージとは一線を画しています。森林監督は筑波大大学院でコーチ論を学び、その時に高校野球の非常識な部分を思い知り、今は合理的な練習を目指しています。全体練習に長く時間をかけずに、自主練をメインにしています。監督やコーチが教えすぎないようにして、自主性を重んじ、自分で考えるように指導しています。須江監督はデータを重視し、走る・投げる・打つなどの基本スキルのデータを定期的に測定し、また試合のデータも詳細に蓄積し、レギュラー決めの評価基準にしています。選手にもそれらのデータが開示されているため、各選手がどこを改善すればよいか、明確な指針になります。

高校野球の指導法は、ビジネスにおける部下の指導法やリーダーシップ、マネジメントなどのスキルにも相通ずる部分があり、参考にできると感じました。また時代と共に選手の特性も変わっていくので、指導法を進化させていく必要があるところは共感できます。森林監督、須江監督の今後の活躍に期待すると同時に、また新たな考え方の素晴らしい監督が出てくることに期待したいと思います。

 

コメント (8)
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