今回もまた、不当な解散権が行使され、衆院選選挙費用として無駄な税金と労力が使われることとなります。
しかし、現行憲法において、このような理由なき解散を防ぐ手立てがありません。
解散権に対する規定が、現行憲法では、不備である以上は、国民ができることは、不当な解散権を行使した与党を選ばないこと。
憲法の不備を正すには時間を要するため記事にある憲法学者木村草太氏の提案が、現実的かもしれません。
記事抜粋;木村さんは、解散をする場合には内閣が衆院で解散の理由を説明し、それについての国会審議を行う、と法律で定める方法を提唱する。「不当な解散でないかどうかを議員が吟味でき、その議論が有権者の判断材料にもなる。内閣が持つ権限とは、公共の利益を実現するために主権者から負託されたものであり、与党のために使っていいものではない。解散権もその一つだ」
********朝日新聞**************
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13153006.html
(2017衆院選 再考・解散権:下)解散権どう制限、議論じわり
2017年9月27日05時00分
■政治改革モデルの英、事実上封印
「首相の解散権」=キーワード=の問題を考えるとき、近年しばしば参照されるのが英国だ。以前は首相に解散権があったが、2011年に成立した法律で、その権限を事実上封印したからだ。
英国政治に詳しい近藤康史・筑波大学教授(政治学)は、「首相1人の判断で自由に議会を解散させる日本は特殊な国になりつつある」と警鐘を鳴らす。
近藤さんによれば、英国には元々、首相が解散権を行使することへの批判的な世論の素地があった。
「与党が自身に有利な条件で解散を行うことは良くないという考えと、任期をフルに生かして政策実現を目指すべきだという考えの双方が強くあった」
小選挙区制のもとで2大政党が争いあう政治へ――。1990年代に進められた日本の政治改革は英国を主なモデルにしていた、とも指摘する。
だが、90年代は英国モデルの「分解」が始まった時代でもあった。「二大政党制が揺らいで多党制に向けた変質が進み、政権交代も80年代以降には2回しか起きていない。日本の政治改革は、消滅しつつあるモデルを追い求めていた」
こうすれば劇的に良くなるという一大改革を目指す発想には注意する方がいい、と近藤さんは言う。
「英国が解散権を封印したのは、多党化が進んで連立政権の時代に変わったことへの対処だった。浮上した課題に応じて細かな修正プログラムを一つ一つ当て続けていくような改革こそ求められているのでは」
■「国会で理由説明・審議」提案も
憲法学界では近年、内閣の解散権をめぐる議論が再び活性化し、解散権行使に制限をかけるべきだとの議論も増えてきている――。
今年3月に開かれた衆院憲法審査会。参考人として出席した憲法学者の木村草太・首都大学東京教授は意見陳述でそう述べた。
憲法制定当初には、解散権はどのような条件で行使されうるかという根本的な問いを巡って激論が交わされていた。そんな歴史を紹介しつつ木村さんは、「党利党略での解散」を抑制する工夫が必要だと説いた。
憲法上、内閣が解散権を行使できるケースとは何か。憲法学者の永山茂樹・東海大学教授は今月、ネットのインタビュー(BuzzFeed NEWS、21日)で次の2例を挙げた。
(1)内閣が提案した重要法案を衆院が否決した場合と、(2)前の選挙では問われていなかった重要問題が浮上した場合である。他方、多数派を維持するために解散をするという判断は認められていない、とした。
内閣の解散権行使にどう制限をかけるか。具体的な提案も現れ始めている。
最大野党の民進党は、憲法改正を通じて解散権に制約をかける方針を打ち出した。責任ある政党の間で任期満了まで解散しないことに合意すればいい、と示唆したのは政治学者の野中尚人・学習院大学教授だった(本紙昨年5月13日)。
主権者である国民の「代表」と規定される国会議員と内閣との関係に着目したのは木村さんだ。内閣が国会で解散理由をきちんと説明する手続きがなかったことが、解散権を制限する慣行が形成されてこなかった一因だと指摘する。
実際、安倍晋三首相は25日、解散理由を記者会見で説明した。他方、国会では「冒頭」で解散を行い、議員たちに説明したり国会での審議に臨んだりする手続きはしない考えだ。
木村さんは、解散をする場合には内閣が衆院で解散の理由を説明し、それについての国会審議を行う、と法律で定める方法を提唱する。
「不当な解散でないかどうかを議員が吟味でき、その議論が有権者の判断材料にもなる。内閣が持つ権限とは、公共の利益を実現するために主権者から負託されたものであり、与党のために使っていいものではない。解散権もその一つだ」
(編集委員・塩倉裕)
◆キーワード
<「内閣(首相)の解散権」と憲法> 憲法7条は天皇の国事行為を定めており、それには「衆議院を解散すること」が含まれている。同条には「天皇は、内閣の助言と承認により」国事行為を行うとの記述もあり、これを根拠に内閣(ひいては首相1人)には解散権がある、とする解釈が実務的に定着してきた。このほか憲法69条は、衆議院で内閣不信任決議案が可決されたときなどの選択肢として、衆院の解散を記している。
*********憲法*******
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。
第六十九条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
しかし、現行憲法において、このような理由なき解散を防ぐ手立てがありません。
解散権に対する規定が、現行憲法では、不備である以上は、国民ができることは、不当な解散権を行使した与党を選ばないこと。
憲法の不備を正すには時間を要するため記事にある憲法学者木村草太氏の提案が、現実的かもしれません。
記事抜粋;木村さんは、解散をする場合には内閣が衆院で解散の理由を説明し、それについての国会審議を行う、と法律で定める方法を提唱する。「不当な解散でないかどうかを議員が吟味でき、その議論が有権者の判断材料にもなる。内閣が持つ権限とは、公共の利益を実現するために主権者から負託されたものであり、与党のために使っていいものではない。解散権もその一つだ」
********朝日新聞**************
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13153006.html
(2017衆院選 再考・解散権:下)解散権どう制限、議論じわり
2017年9月27日05時00分
■政治改革モデルの英、事実上封印
「首相の解散権」=キーワード=の問題を考えるとき、近年しばしば参照されるのが英国だ。以前は首相に解散権があったが、2011年に成立した法律で、その権限を事実上封印したからだ。
英国政治に詳しい近藤康史・筑波大学教授(政治学)は、「首相1人の判断で自由に議会を解散させる日本は特殊な国になりつつある」と警鐘を鳴らす。
近藤さんによれば、英国には元々、首相が解散権を行使することへの批判的な世論の素地があった。
「与党が自身に有利な条件で解散を行うことは良くないという考えと、任期をフルに生かして政策実現を目指すべきだという考えの双方が強くあった」
小選挙区制のもとで2大政党が争いあう政治へ――。1990年代に進められた日本の政治改革は英国を主なモデルにしていた、とも指摘する。
だが、90年代は英国モデルの「分解」が始まった時代でもあった。「二大政党制が揺らいで多党制に向けた変質が進み、政権交代も80年代以降には2回しか起きていない。日本の政治改革は、消滅しつつあるモデルを追い求めていた」
こうすれば劇的に良くなるという一大改革を目指す発想には注意する方がいい、と近藤さんは言う。
「英国が解散権を封印したのは、多党化が進んで連立政権の時代に変わったことへの対処だった。浮上した課題に応じて細かな修正プログラムを一つ一つ当て続けていくような改革こそ求められているのでは」
■「国会で理由説明・審議」提案も
憲法学界では近年、内閣の解散権をめぐる議論が再び活性化し、解散権行使に制限をかけるべきだとの議論も増えてきている――。
今年3月に開かれた衆院憲法審査会。参考人として出席した憲法学者の木村草太・首都大学東京教授は意見陳述でそう述べた。
憲法制定当初には、解散権はどのような条件で行使されうるかという根本的な問いを巡って激論が交わされていた。そんな歴史を紹介しつつ木村さんは、「党利党略での解散」を抑制する工夫が必要だと説いた。
憲法上、内閣が解散権を行使できるケースとは何か。憲法学者の永山茂樹・東海大学教授は今月、ネットのインタビュー(BuzzFeed NEWS、21日)で次の2例を挙げた。
(1)内閣が提案した重要法案を衆院が否決した場合と、(2)前の選挙では問われていなかった重要問題が浮上した場合である。他方、多数派を維持するために解散をするという判断は認められていない、とした。
内閣の解散権行使にどう制限をかけるか。具体的な提案も現れ始めている。
最大野党の民進党は、憲法改正を通じて解散権に制約をかける方針を打ち出した。責任ある政党の間で任期満了まで解散しないことに合意すればいい、と示唆したのは政治学者の野中尚人・学習院大学教授だった(本紙昨年5月13日)。
主権者である国民の「代表」と規定される国会議員と内閣との関係に着目したのは木村さんだ。内閣が国会で解散理由をきちんと説明する手続きがなかったことが、解散権を制限する慣行が形成されてこなかった一因だと指摘する。
実際、安倍晋三首相は25日、解散理由を記者会見で説明した。他方、国会では「冒頭」で解散を行い、議員たちに説明したり国会での審議に臨んだりする手続きはしない考えだ。
木村さんは、解散をする場合には内閣が衆院で解散の理由を説明し、それについての国会審議を行う、と法律で定める方法を提唱する。
「不当な解散でないかどうかを議員が吟味でき、その議論が有権者の判断材料にもなる。内閣が持つ権限とは、公共の利益を実現するために主権者から負託されたものであり、与党のために使っていいものではない。解散権もその一つだ」
(編集委員・塩倉裕)
◆キーワード
<「内閣(首相)の解散権」と憲法> 憲法7条は天皇の国事行為を定めており、それには「衆議院を解散すること」が含まれている。同条には「天皇は、内閣の助言と承認により」国事行為を行うとの記述もあり、これを根拠に内閣(ひいては首相1人)には解散権がある、とする解釈が実務的に定着してきた。このほか憲法69条は、衆議院で内閣不信任決議案が可決されたときなどの選択肢として、衆院の解散を記している。
*********憲法*******
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。
第六十九条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。