絶対に成し遂げないこと。
グー、チョキ、パーを、同時に勝たせること。
教育の議論の難しさを、佐久間亜紀氏は、その著書『教員不足』で「おわりに」において、グー、チョキ、パーとまでは言わないけど似たようなことを述べられている。
教育だけでなく、あらゆる分野での真理なんだろうと同感です。(日常の議会の議論でも実感しています。)
本書では、教育の場合、理論的には、デイビッド・ラバリー(David Labaree)スタンフォード大学名誉教授が歴史研究を通じて分析されたということ。
グー(社会的価値;民主的平等)
チョキ(経済的価値;経済的効率性)
パー(個人的価値;階層移動・個々人の立身出世のため)
米国で、教育改革が失敗してきたのは、三つの目標の組み合わせて行われてきたが、この三つの関係は複雑で、三つ同時には達成されない目標であることに起因するとのことである。
日本においても、経済優先において、佐久間氏は、公立学校はみんなのものであり、民主主義社会を築くための公共財であるという考えに立ち、公立学校の教員不足の問題を考える社会的価値を重視するスタンスで論じられている。
「議論や改革の前提そのものが異なるという共通理解を生まれるのなら、それが多少なりとも本書のなし得る貢献なのかも知れないとも思う。」と本書の役割をとても控えめに記載されている。
中央区の教育の充実。
本書の分析をなんとか役立てて、3つが立てるように、少なくとも、社会的価値が軽視されないように、子どもの目線から、施策を打っていきたい。
****『教員不足ー誰が子どもを支えるのか』佐久間亜紀 著*****
「おわりに」より抜粋