ガソリン税の暫定税率(1㍑あたり25.1円)復活の税制改正関連法を4月30日の衆院本会議で、3分の2以上の賛成多数で再可決され、成立した。
星浩氏のコラムが的を得ていると感じたため、全文転載したい。
コラムにあるように、民意を映した政治を期待したい。
****転載****
朝日新聞08/05/01 編集委員 星浩氏のコラム
ガソリンが値上げとなる法律を再可決した自民、公明両党の議員たちの表情は、いま一つさえなかった。
政府・与党の言い分は山ほどある。再可決は憲法が認めている。暫定税率が復活しないと地方自治体が困る。民主党は参院では審議を引き延ばした・・・・。それでも議場の3分の2以上を占める与党議員に勢いがないのは、なぜか。
政治に大切な「正統性」が政府・与党に欠けているからである。正統性は英語の「レジティマシー」の訳だが、日本語の「筋道の通ったこと」「まっとうなこと」といった意味も含まれるのだろう。
考えてみよう。いまの衆院議員は、05年9月の郵政総選挙で選ばれた。当時の小泉首相が「郵政民営化の是非が争点」と叫んで仕掛けた選挙だ。年金も道路財源も、もちろん後期高齢者医療制度も与党はまともに提起せずに争い、大勝利を飾った。
有権者は小泉自民党を勝たせたはずなのに総裁・首相は安倍氏、福田氏と代った。この間首相を選ぶ衆院は時の民意を反映していない。
昨夏の参院選で圧勝した民主党の「直近の民意は我にあり」という論理を自民党が切り返せないのは、そんな事情があるからだ。
まっとうな政治を取り戻す時だ。できるだけ早く衆院を解散し、民意を反映した議会に作り直す必要がある。いますぐに解散に踏み切れないなら、自民党はせめて総選挙向けのマニフェスト(政権公約)づくりに着手すべきだ。そこで道路特定財源の一般財源化や後期高齢者医療制度の見直しなど具体的な政策を打ち出せばよい。福田首相の決断でできることだ。
解散やマニフェスト作成を先送りすれば、国民と政権との距離は広がるばかりだ。正統性を欠く政治は脆い。
民主党にとってもひとごとではない。「ガソリン値下げ隊」に拍手が続かなかったのは、値下げ後の暮らしの将来像が見えなかったためだ。財源を含め政策の全体図を描ききれるかどうか。「ガソリン再可決」を単なる騒動で終らせず、政権工房の貴重なステップとしなければならない。
****以上、転載終わり****
星浩氏のコラムが的を得ていると感じたため、全文転載したい。
コラムにあるように、民意を映した政治を期待したい。
****転載****
朝日新聞08/05/01 編集委員 星浩氏のコラム
ガソリンが値上げとなる法律を再可決した自民、公明両党の議員たちの表情は、いま一つさえなかった。
政府・与党の言い分は山ほどある。再可決は憲法が認めている。暫定税率が復活しないと地方自治体が困る。民主党は参院では審議を引き延ばした・・・・。それでも議場の3分の2以上を占める与党議員に勢いがないのは、なぜか。
政治に大切な「正統性」が政府・与党に欠けているからである。正統性は英語の「レジティマシー」の訳だが、日本語の「筋道の通ったこと」「まっとうなこと」といった意味も含まれるのだろう。
考えてみよう。いまの衆院議員は、05年9月の郵政総選挙で選ばれた。当時の小泉首相が「郵政民営化の是非が争点」と叫んで仕掛けた選挙だ。年金も道路財源も、もちろん後期高齢者医療制度も与党はまともに提起せずに争い、大勝利を飾った。
有権者は小泉自民党を勝たせたはずなのに総裁・首相は安倍氏、福田氏と代った。この間首相を選ぶ衆院は時の民意を反映していない。
昨夏の参院選で圧勝した民主党の「直近の民意は我にあり」という論理を自民党が切り返せないのは、そんな事情があるからだ。
まっとうな政治を取り戻す時だ。できるだけ早く衆院を解散し、民意を反映した議会に作り直す必要がある。いますぐに解散に踏み切れないなら、自民党はせめて総選挙向けのマニフェスト(政権公約)づくりに着手すべきだ。そこで道路特定財源の一般財源化や後期高齢者医療制度の見直しなど具体的な政策を打ち出せばよい。福田首相の決断でできることだ。
解散やマニフェスト作成を先送りすれば、国民と政権との距離は広がるばかりだ。正統性を欠く政治は脆い。
民主党にとってもひとごとではない。「ガソリン値下げ隊」に拍手が続かなかったのは、値下げ後の暮らしの将来像が見えなかったためだ。財源を含め政策の全体図を描ききれるかどうか。「ガソリン再可決」を単なる騒動で終らせず、政権工房の貴重なステップとしなければならない。
****以上、転載終わり****
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