リスクマネジメントでは、最悪の結果がおきないように、セーフティーネットを何重にもかけるのが基本。
1最悪の自体の想定、できる限りの想定
2それに対しての準備
3最悪の自体が起きた場合の対応
伊豆大島大島町の場合は、
〇職員の待機
〇職員が帰宅しても、警備員が対応すること
〇情報が届いていない場合の、情報発信者側からのさらなる対応
〇都のルートがだめでも、他のルートからの情報の伝達と共有
それらが、いっさいなく、「不手際の連鎖の結果、住民への避難勧告を出すタイミングが失われた」。
どれかが、機能すれば、防げたはず。
残念ながら、福島第一原発事故も、何重ものセーフティーネットが機能すれば、防げたはずです。
だからこそ、人災です。
*********東京新聞*************************
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013102202000142.html
警戒情報 空白の6時間 町・都・国に不手際
2013年10月22日 朝刊
行政は住民の安全を守るのが最大の使命だ。伊豆大島(東京都大島町)の土石流災害は、島民の命綱となる災害情報の取り扱いや判断をめぐる町、都、国の不手際が、被害を食い止める機会を奪った。災害大国の日本で「警鐘」を鳴らすはずの行政は責務を自覚しているのか。 (伊豆大島災害取材班)
「一斉通報を受信しました。内容を確認の上、受信確認ボタンを押してください」
台風が接近していた十五日午後六時五分。大島町役場二階の総務課に、土砂災害警戒情報の発令を知らせる機械音声が鳴り響いた。しかし、音声の指示通り、防災専用ファクスの受信確認ボタンを押した職員はいなかった。既に帰宅の途についていたからだ。
機械音声は受信確認ボタンを押さないと止まらない仕組み。静かな庁内で五分間、繰り返し鳴り続けた。
当時、町役場にはシルバー人材センターから派遣された男性警備員が一人残っていた。だが、待機していたのは地下一階の宿直室。音声やファクスに気付くはずもない。
町が警戒情報を知ったのは、雨のピークに備え、幹部らが町役場に参集した十六日午前零時以降。しかし、既に雨は強まり、午前二時を過ぎるとがけ崩れなどの情報が次々に入電し始めた。
都幹部は「誰もいなかったなんて考えられない」と絶句した。
■
ところが、その都にも不作為があった。町が受信確認ボタンを押していないことを、総合防災部はシステム上でつかんでいた。にもかかわらず、町が警戒情報を認識したかどうか、電話などで確かめなかった。同部は「受信確認ボタンが押されないケースは、普段からよくある」と明かした。
発令一時間後の午後七時ごろ、都は警戒にあたる職員態勢などを問い合わせるため、町に電話している。誰も出なかったため、都の出先機関である大島支庁に尋ねると、十六日午前一時半に職員が役場に集まると判明した。そこにも落とし穴があった。「警戒態勢を取ると聞き、町がファクスを見たと思い込んだ」(同部)
都の防災計画では、警戒情報が発令されたら、ファクスを送るよう定められているだけ。電話確認はマニュアルになかった。
■
警戒情報のもう一方の発令者である気象庁でも、問題が明らかになった。現地に常駐している伊豆大島火山防災連絡事務所の職員に伝わっていなかったのだ。警戒情報が出る約三十分前に帰宅していた所長は「本庁から発令情報が伝わるシステムになっていなかった」と打ち明ける。
気象庁は二十一日になって「土砂災害警戒情報や特別警報などについては、携帯電話やメールなど何らかの形で現地職員に連絡し、情報が確実に市町村へ伝わったかどうか確認したい」と、運用を改める方針を示した。
町の甘い態勢と、都や気象庁のしゃくし定規の対応。不手際の連鎖の結果、住民への避難勧告を出すタイミングが失われた。
「危機管理の基本がなっていない」と批判するのは佐々淳行・初代内閣安全保障室長。「中身の正確さを期す上ではファクスが便利だが、確実に届かなければ意味がない情報は電話を使う。送ったことで良しとする『発信主義』ではなく、『到達主義』に基づくべきだ」と話している。
1最悪の自体の想定、できる限りの想定
2それに対しての準備
3最悪の自体が起きた場合の対応
伊豆大島大島町の場合は、
〇職員の待機
〇職員が帰宅しても、警備員が対応すること
〇情報が届いていない場合の、情報発信者側からのさらなる対応
〇都のルートがだめでも、他のルートからの情報の伝達と共有
それらが、いっさいなく、「不手際の連鎖の結果、住民への避難勧告を出すタイミングが失われた」。
どれかが、機能すれば、防げたはず。
残念ながら、福島第一原発事故も、何重ものセーフティーネットが機能すれば、防げたはずです。
だからこそ、人災です。
*********東京新聞*************************
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013102202000142.html
警戒情報 空白の6時間 町・都・国に不手際
2013年10月22日 朝刊
行政は住民の安全を守るのが最大の使命だ。伊豆大島(東京都大島町)の土石流災害は、島民の命綱となる災害情報の取り扱いや判断をめぐる町、都、国の不手際が、被害を食い止める機会を奪った。災害大国の日本で「警鐘」を鳴らすはずの行政は責務を自覚しているのか。 (伊豆大島災害取材班)
「一斉通報を受信しました。内容を確認の上、受信確認ボタンを押してください」
台風が接近していた十五日午後六時五分。大島町役場二階の総務課に、土砂災害警戒情報の発令を知らせる機械音声が鳴り響いた。しかし、音声の指示通り、防災専用ファクスの受信確認ボタンを押した職員はいなかった。既に帰宅の途についていたからだ。
機械音声は受信確認ボタンを押さないと止まらない仕組み。静かな庁内で五分間、繰り返し鳴り続けた。
当時、町役場にはシルバー人材センターから派遣された男性警備員が一人残っていた。だが、待機していたのは地下一階の宿直室。音声やファクスに気付くはずもない。
町が警戒情報を知ったのは、雨のピークに備え、幹部らが町役場に参集した十六日午前零時以降。しかし、既に雨は強まり、午前二時を過ぎるとがけ崩れなどの情報が次々に入電し始めた。
都幹部は「誰もいなかったなんて考えられない」と絶句した。
■
ところが、その都にも不作為があった。町が受信確認ボタンを押していないことを、総合防災部はシステム上でつかんでいた。にもかかわらず、町が警戒情報を認識したかどうか、電話などで確かめなかった。同部は「受信確認ボタンが押されないケースは、普段からよくある」と明かした。
発令一時間後の午後七時ごろ、都は警戒にあたる職員態勢などを問い合わせるため、町に電話している。誰も出なかったため、都の出先機関である大島支庁に尋ねると、十六日午前一時半に職員が役場に集まると判明した。そこにも落とし穴があった。「警戒態勢を取ると聞き、町がファクスを見たと思い込んだ」(同部)
都の防災計画では、警戒情報が発令されたら、ファクスを送るよう定められているだけ。電話確認はマニュアルになかった。
■
警戒情報のもう一方の発令者である気象庁でも、問題が明らかになった。現地に常駐している伊豆大島火山防災連絡事務所の職員に伝わっていなかったのだ。警戒情報が出る約三十分前に帰宅していた所長は「本庁から発令情報が伝わるシステムになっていなかった」と打ち明ける。
気象庁は二十一日になって「土砂災害警戒情報や特別警報などについては、携帯電話やメールなど何らかの形で現地職員に連絡し、情報が確実に市町村へ伝わったかどうか確認したい」と、運用を改める方針を示した。
町の甘い態勢と、都や気象庁のしゃくし定規の対応。不手際の連鎖の結果、住民への避難勧告を出すタイミングが失われた。
「危機管理の基本がなっていない」と批判するのは佐々淳行・初代内閣安全保障室長。「中身の正確さを期す上ではファクスが便利だが、確実に届かなければ意味がない情報は電話を使う。送ったことで良しとする『発信主義』ではなく、『到達主義』に基づくべきだ」と話している。
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