「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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中央区議会って何?中央区立T小学校4年生との対話。小児科医として子どもアドボカシーの視点から。明日8/20(火)、中央区議会見学会実施!

2024-08-19 09:35:07 | シチズンシップ教育

中央区立T小学校4年生A君:中央区議会って、なに?

小坂:中央区民から選挙で選ばれた30人の中央区議会議員によって構成されています。その任期は4年間です。
 中央区の大事な、決定事項を会議で決めます。
 たとえば、最も大事なことのひとつとして、集めた税金を、どのように配分するか(予算)を決めたり、決めたとおりに効果的・効率的に税金が使われたかをたしかめたり(決算)します。「条例」という中央区のルールも決めます。

 決める場合には、十分な話し合いののちに、最終的には「多数決」で決めます。
 多数決の際に、少数意見はじめ多様な意見を尊重するために、それら意見を反映させながら都や国に届ける「意見書」を作成させたりします。

 重要な仕事を担う会議体での区長の人選(教育委員、監査委員)がそれでよいかの同意を与えたりもします。
 
 子ども達に近いところでは、
 子ども達への一人一台タブレット配布、学校をどのように修繕するか、給食を無料にすることなど決められました。
 放課後の居場所として、学童・プレディの整備についても、決められました。

中央区立T小学校4年生A君:会議は、いつ、どのように開催されますか?

小坂:年4回の「定例会」と、最低一度の「臨時会」が「本会議」としてあります。
 4つの「常任委員会」(企画総務・区民文教・福祉保健・環境建設)と議会運営のありかたを議論すること(「議会運営委員会」)及び個別の案件を議論するために「特別委員会」(築地等都市基盤対策・地域活性化対策・子ども子育て高齢者対策・防災等安全対策)が設置され、月に一回程度開かれます。春に来年度の「予算特別委員会」、秋に前年度の「決算特別委員会」を開催します。
 通常の委員会は、7-8人の中央区議会議員で構成されています。予算と決算の特別委員会は、審議する範囲も広いため、約半数の15人程度の委員で構成されています。


中央区立T小学校4年生A君:中央区長と中央区議会議員の違いは、何ですか?

小坂:どちらも18歳以上の中央区民が選挙で選びます。

 両者、中央区の政治を行うとても大事な役割を担います。

 中央区長は、中央区を代表し、中央区の方向性を、予算や条例提案の形で示します。
 特に大事なこととして、予算の提案権を有しているのは区長だけです。中央区議会自身が条例提案することも可能ですが、予算は修正することはできても提案することはできません。

 中央区議会は、議決機関であり、中央区長が示した方向性をそれでよいかを決定します。

 中央区長と中央区議会は、車の両輪のようにして、区政を前に進めて行く役割を担っています。
 
中央区立T小学校4年生A君:どのように、僕たち私たちの声を、中央区政へ反映するとよいですか。

小坂:政治の主役は、まさにそこに住む子ども含めた住民です。
 
 中央区も中央区議会も、住民の皆様の声を受けながら、政策を作って行く必要があります。
 ぜひ、様々な形で、意見を届けて下さい。

 ①選挙、②請願・陳情や③条例提案で区議会に届けること、④区長への手紙・⑤計画策定時のパブリックコメント・⑥提案制度で区長へ届けること、⑦まちづくり協議会・防災拠点運営委員会・区政懇談会・こども議会などの各種会議での意見・提案などいろいろな機会があります。

 
 まずは、なんといっても、①選挙。
 自分の考え方を区政に反映くれる人を、中央区長と中央区議会議員を選挙で選ぶことが大切です。
 選んで終わりというのではなく、選んだあとも、その選ばれた区議会議員に、区政を一緒に作ることをしていきましょう。
 私も、極力、毎朝に道に立って、子ども達の登校の見守りと挨拶をしています。
 その時に、ご意見をじかに届けて下さるとありがたいです。
 もちろん、メールやfax、お手紙、お電話でも構いません。

 区民が、②請願・陳情という形で、区の仕事でやってほしいことを文書で書いて提出することができます。それは、委員会で審議され、最終的に本会議で採択することの可否が判断されます。

 ③区民の一定数の署名(選挙人の50分の1以上、直近2024.6.19付選挙人144,201人の50分の1で2,885人https://www.city.chuo.lg.jp/a0053/kusei/senkyo/seido/meibotourokuzinin.html)が集まれば、区長に条例制定を求めること等も可能です(条例制定の直接請求制度)。

 ④「区長への手紙」https://www.city.chuo.lg.jp/kusei/mayor/kuchouhenotegami/index.htmlや、⑤計画策定時に手続きとして実施される「パブリックコメント」https://www.city.chuo.lg.jp/kusei/kouhoukouchou/kouchou/publiccomment/index.html、⑥「区政への提案」https://www.city.chuo.lg.jp/a0003/kusei/mayor/kuseiteian/kusei_teian.htmlも準備されています。

 ⑦区や区議会が主催する会議で、その構成委員となって意見・提案をすることもできます。
 子どもが構成員となる会議はまだまだ少ないですが、学校での児童会・生徒会、学校保健委員会や、環境施策の提案を実施する「チームカーボンゼロ」などがあります。


中央区立T小学校4年生A君:子どもの声って、本当に反映されるものですか。

小坂:少なくとも子どもに関わる政策を決める場合、例えば、現在策定作業中の『子ども・子育て支援事業計画』や『教育振興基本計画』、公園整備、学校整備などでは、当事者である子どもの声を反映させねばならないと、法律など(こども基本法第11条、子どもの権利条約第12条)で定められています。
 アンケートやパブリックコメントを実施して、子どもの声を反映させようと中央区も努力していますが、どうか、積極的に子ども達のほうからも、中央区へご提案をお願いします。

中央区立T小学校4年生A君:提案するには、今、区政で何が起きているかを知らなければなりません。どうやったら、区政を知ることができますか?

小坂:まずは、見ること。本会議や委員会の開催日に、中央区議会に足を運んで、直に審議されている内容を「傍聴」することが可能です。

 それぞれの議員が各自の方法で、区政の現状を発信しています。
 私も、紙媒体の区政報告を発行したり、ブログとX(旧ツイッター)そしてfacebookを使っています。

 中央区は、月に二回(1日・15日)広報紙『区のお知らせ ちゅうおう』を発行しています(。

 中央区議会のほうでは、本会議の中央FMでの同時中継や後日のインターネット録画配信、本会議や各委員会の議事録がホームページ上で後日公開されています。
 主な審議の内容は、『ちゅうおう区議会だより』(年5回)で広報されます。
 ネットを通じた本会議や各委員会の同時中継や、AIを用いた速記録公開の迅速化など課題であり、実施に向けた検討が進められています。

中央区立T小学校4年生A君:そもそも、「権利」って、なにですか?

小坂:それは、一言でいえば“力”です。誰もが、平等に、“力”をもっています。その力を存分に使っていきましょう。

 「義務と権利はセットである。権利を主張するなら、義務を果たせ。」という言い方をするかたがおられますが、それは、時と場合によるのであって、すべてには、あてはまりません。
 義務は義務であり、権利は権利で、本来別々のものです。
 原則、他人の人権を侵害しないようにするならば、どんな権利も、義務なしで行使できます。自分が権利を持つように、他人も大切な権利を持っていることは、想像できるはずです。

中央区立T小学校4年生A君:「人権」って、なにですか?

小坂:あなたがあなたらしくいるために、守られなければならない大切な権利です。

 日本の最高法規である『日本国憲法』が、国が、子どもはじめすべての国民のどういった内容の人権を守られなければならないかを定めています。
 さらに、子どもが、どんな「人権」をもっているかということは、『子どもの権利条約(別紙参照https://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/b8cfa406d687f5ef2f9be07a1f31f72c)』が細かく定めてくれています。
 大別して、4つの権利が、子ども達に守られなければなりません。
 
 ①生きる権利

 ②育つ権利

 ③参加する権利

 ④守る権利

 特に、参加する権利(条約第12条)や休み・遊ぶ権利(条約第31条)などが手厚く守られなければならないと、小児科医として思っています。

中央区立T小学校4年生A君:私は、参加する権利をもっと使いたいです。

小坂:まずは、身の回りの至るところに、たくさん課題はあります。

 学校のルールもそのひとつ。
 みんなで話し合って、よりよいルールづくりをしていってください。
 「先生が言ったから」で、思考停止にならないでください。
 「前例がないから」で、あきらめないでください。前例がなくても、よく読むと「国や地方自治体は、そうしなさい、そう努力しなさい」とすでに法律には書いてあることが多々あります。

 ぜひぜひ、25歳を超えたら、中央区長や、中央区議会議員など自治体の長や都道府県・市区町村議会議員・衆議院議員(代議士)にもなって下さい。(参議院議員、都道府県知事は30歳以上)

 先日の都知事選挙では、残念ながら、自身の裸を選挙ポスターに使う候補が出るなど、一線を越えた選挙戦となりました。
 想定外のことで、私も動揺しましたが、だからと言って、こんな恥ずかしい大人の姿を子ども達に見せるわけにはいきません。明らかな『東京都迷惑防止条例』違反であり、私も、区内で貼られないように全掲示板を告示日当日にチェックに走りました。幸い、中央区内では貼られていませんでした。
 今後、「表現の自由」(日本国憲法第21条第1項)が、この事件を逆手にとって、規制が強化されないことを願うばかりです。
 こんなのが政治のように、子ども達にはうつってしまっていないでしょうか。

 ただ、だからといって、このまま政治をあきらめてしまうと、待っているのは、民主主義の崩壊です。

 私も、政治をあきためたくないと思うものの一人です。
 一現役の小児科医として診察室の中でいただく子ども達や親御さんの声を責任をもって議会に届けるべく(子どもアドボカシー)、区議会議員(政党には無所属、4期目)に臨んでいます。

 ぜひ、中央区政を一緒に考えていきましょう。
 いろいろ、お気軽にご相談下さい。

小児科医/中央区議会議員

小坂和輝 
メール:kosakakazuki@gmail.com
電話:03-5547-1191
fax:03-5547-1166
住所:中央区佃1-9-3こども元気ビル1F






 
 

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