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民間対個人の紛争解決において、国を規律する憲法をルールとして直接に適用できるのか。

2014-09-19 23:00:00 | 憲法学
 民間対個人の紛争解決において、国を規律する憲法をルールとして直接に適用(直接適用説)できるのか。

 
 例)

 直接適用:民間団体がなした個人の差別的対応は、憲法14条に反し違憲違法である。

 間接適用:民間団体がなした個人の差別的対応は、憲法14条に反し公序良俗に反するから、違法である(民法90条)。



 最高裁が判事するところは、学説上の直接適用説と間接適用説のいずれに属するか。

 学生時代の運動歴を理由に新入社員の本採用を拒否したことが、憲法19条、14条に反するとして争われた三菱樹脂事件(最高裁大法廷昭和48年12月12日)において、最高裁のとる立場(間接適用説)が述べられています。


回答:

  「憲法の各規定は・・もっぱら国または公共団体と個人との関係を規律するものであり、私人相互の関係を直接規律することを予定するものではない。このことは、基本的人権なる観念の成立および発展の歴史的沿革に徴し、かつ、憲法における基本権規定の形式、内容にかんがみても明らかである。」

  「私的支配関係においては・・・立法措置によってその是正を図ることが可能であるし、また、場合によっては、私的自治に対する一般的制限規定である民法1条、90条や不法行為に関する諸規定等の適切な適用によって・・・適切な調整を図る方途も存するのである。」


〇憲法の人権規定の私人間効力に関する諸学説

(1)不適用説
   憲法の人権保障は、私人間の問題とはおよそ無関係

(2)間接適用説(通説・三菱樹脂事件判例)
   民法の公序良俗規定(90条)を通じて間接的に適用

(3)直接適用説
  甲説:自然法上の原理を含む人権+自由民主主義的民主政治の要件と認められる人権
  乙説:制度的保障+原則的規範
  丙説:基本権の革新的領域+侵害者が社会的権力の場合の類推適用
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