2015年公開(日本公開は2017年)の英国映画です。
英国で婦人参政権(制限付き)が認められたのが2018年ですからちょうど1世紀前ということになります。
婦人参政権獲得を目的とする団体は複数あるのですが、この映画では「女性社会政治連合(以下WSPU)」の活動を描いています。
女性参政権獲得のための運動は19世紀の後半から行われていますが、成果につながっていません。
実は、当時英国の植民地であったニュージーランドは19世紀末に宗主国である英国より先に女性に参政権が与えられています。
なんとなくわかります。
古い歴史があり王室もある英国は女性を低くみる傾向が強かったのでしょう。
同じような傾向がある日本は戦後まで女性に参政権を認めていません。
さて、WSPUの活動ですが、それまでの他の団体の運動と異なり、実力行使を厭いません。
ガラスを割ったりするだけでなく放火までやっています。
当然、政府や警察から弾圧されます。
投獄されるのは当たり前、ハンガーストライキで抵抗します。
警察は強制的に食べさせる手段に出ます。
これは拷問です。
女性活動家の行動は、メディアを通じて国民の関心事になります。同情的です。組織は拡大していきます。
この映画は、一人の活動家が国王が観覧する競馬場で命を懸けてスローガンを掲示する行動を起こし、その結果、馬にあたり死亡するという事件の葬儀のシーンで終わります。
カラーの画面が、モノクロの実写となります。
WSPUの活動は第一次世界大戦の勃発とともに実質的に停止になります。
ドイツに負ければ参政権どころの話ではないというわけです。
そして、戦後すぐに女性に参政権が認められます。
WSPUの活動の成果でしょうか。
第1次世界大戦では、男性が戦場に出ていき、国では能力的に劣っているとされた女性が目覚ましく活躍し、女性の評価が高まったとされたためという意見もあります。
その後、世界で女性の参政権が認められていきます。
やはり英国の影響が強かったといえるでしょう。
第2次世界大戦でも女性の社会進出がめざまかったですね。米英中心ですが。
日本ではどうでしょうか。
女性のみならず、ほとんどの国民が従属させられたままでしたね。
その後進性は今も続いていると言わざるをえません。
WSPUの活動を見るにつけ、シーシェパードの活動も英国系の伝統的な抗議活動ではないかと思ってしまいます。
支持基盤があるのです。
日本政府はIWC脱退を決めましたが、後悔することになると思います。
お読みいただき有難うございました。