国の港湾政策の担当者が訪ねてきてくれて、現在国が行おうとしている『国際バルク戦略港湾構想』について説明をしてくれました。
現在釧路ではこの構想に則って、国際バルク戦略港湾としての指定を受けるべく準備をしているところで、釧路港が将来に向かって重要な港湾としての可能性を高めることができるかどうかという大切な時期を迎えているのです。
そもそも「バルク」とは、コンテナで輸送される海上荷物に対して、「コンテナでは運べない粉状や液状の輸送荷物」という意味で使われている言葉です。
現在世界中で動いている海上荷物は年間で約82億トンですが、コンテナは約13億トンで16%、ドライバルクと呼ばれる粉状の荷物は38.6億トンで約47%、リキッドバルクと呼ばれる液体状の荷物は30.5億トンで約37%という比率になっています。コンテナで運ばれる荷物って案外比率が低いのです。
ドライバルクと呼ばれる粉状の荷物の中でも「三大バルク」と呼ばれるのが穀物の3.8億トン(全体の5%)、鉄鉱石の8.5億トン(同10%)、石炭の7.8億トン(同10%)というわけです。ちなみにリキッドバルクとして運ばれる最も多い荷物は原油の20億トン(同24%)というわけ。
荷物の動く全体量を見てみるだけで世界経済の動きがなんとなく分かります。
※ ※ ※ ※
我が国に限ってみてみると、【総貿易額】は約160兆円という規模で、海上コンテナによる貿易額とバルク荷物の貿易額と航空による貿易額はおおまかにいって大体1/3程度の比率と言えます。
しかし【総貿易量(重さ)】で見てみると、なんと日本の貿易量の99.7%は海上輸送によるもの。飛行機は軽くて高い品物は運びますが、安くて嵩がはるものはみんな船で運ぶしかないのです。
で、ここからが肝腎。
日本が輸入する穀物の多くはアメリカ大陸の中央部で作られていて、これらはメキシコ湾から船に積まれてパナマ運河をえっちらおっちらと超えて太平洋に出て、そこから一路日本を目指します。
このパナマ運河を渡れる最も大きな船のことを「パナマ+マックス」で「パナマックスサイズ」の船といってこれは積載重量が6~7万トンで岸壁水深が14m必要。
しかし現在釧路に入れるのはこれよりも一段落小さくて岸壁水深12mの「ハンディマックス」級の船(積載重量4~5万トン)でしかありません。
しかも、現在パナマ運河は拡張計画を進めていて、2014年目途に拡張がなされれば「ポストパナマックス」級の水深17m、積載重量10万トンもの船が新パナマ運河を通行出来るようになるのです。
こうした海上輸送の効率化に向けた港の整備を戦略的に果たせれば、道東地区への穀物飼料は輸送量の割合が少なくなり、より安価に入手出来るようになるでしょう。
しかしそうしたことに対応ができなければ、パナマックス級の船も将来的なポストパナマックス級の船も他の港を目指して行くことになります。
つまり道東に安い飼料をいれて酪農経営の効率化を進めるためには港湾インフラに対する投資が必要になるというわけです。しかしもちろん国内の他の港だって、戦略港湾の指定を受けて後背地貿易の効率化を計るべく頑張ってくることでしょう。
道東の振興のためにも釧路港が果たす役割はますます期待が高まっているのです。
物流という事が分かって来ると、経済のことが少し分かってきます。
【国土交通省資料~資源、エネルギー、食料輸入を取り巻く状況】
http://www.mlit.go.jp/common/000115554.pdf
現在釧路ではこの構想に則って、国際バルク戦略港湾としての指定を受けるべく準備をしているところで、釧路港が将来に向かって重要な港湾としての可能性を高めることができるかどうかという大切な時期を迎えているのです。
そもそも「バルク」とは、コンテナで輸送される海上荷物に対して、「コンテナでは運べない粉状や液状の輸送荷物」という意味で使われている言葉です。
現在世界中で動いている海上荷物は年間で約82億トンですが、コンテナは約13億トンで16%、ドライバルクと呼ばれる粉状の荷物は38.6億トンで約47%、リキッドバルクと呼ばれる液体状の荷物は30.5億トンで約37%という比率になっています。コンテナで運ばれる荷物って案外比率が低いのです。
ドライバルクと呼ばれる粉状の荷物の中でも「三大バルク」と呼ばれるのが穀物の3.8億トン(全体の5%)、鉄鉱石の8.5億トン(同10%)、石炭の7.8億トン(同10%)というわけです。ちなみにリキッドバルクとして運ばれる最も多い荷物は原油の20億トン(同24%)というわけ。
荷物の動く全体量を見てみるだけで世界経済の動きがなんとなく分かります。
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我が国に限ってみてみると、【総貿易額】は約160兆円という規模で、海上コンテナによる貿易額とバルク荷物の貿易額と航空による貿易額はおおまかにいって大体1/3程度の比率と言えます。
しかし【総貿易量(重さ)】で見てみると、なんと日本の貿易量の99.7%は海上輸送によるもの。飛行機は軽くて高い品物は運びますが、安くて嵩がはるものはみんな船で運ぶしかないのです。
で、ここからが肝腎。
日本が輸入する穀物の多くはアメリカ大陸の中央部で作られていて、これらはメキシコ湾から船に積まれてパナマ運河をえっちらおっちらと超えて太平洋に出て、そこから一路日本を目指します。
このパナマ運河を渡れる最も大きな船のことを「パナマ+マックス」で「パナマックスサイズ」の船といってこれは積載重量が6~7万トンで岸壁水深が14m必要。
しかし現在釧路に入れるのはこれよりも一段落小さくて岸壁水深12mの「ハンディマックス」級の船(積載重量4~5万トン)でしかありません。
しかも、現在パナマ運河は拡張計画を進めていて、2014年目途に拡張がなされれば「ポストパナマックス」級の水深17m、積載重量10万トンもの船が新パナマ運河を通行出来るようになるのです。
こうした海上輸送の効率化に向けた港の整備を戦略的に果たせれば、道東地区への穀物飼料は輸送量の割合が少なくなり、より安価に入手出来るようになるでしょう。
しかしそうしたことに対応ができなければ、パナマックス級の船も将来的なポストパナマックス級の船も他の港を目指して行くことになります。
つまり道東に安い飼料をいれて酪農経営の効率化を進めるためには港湾インフラに対する投資が必要になるというわけです。しかしもちろん国内の他の港だって、戦略港湾の指定を受けて後背地貿易の効率化を計るべく頑張ってくることでしょう。
道東の振興のためにも釧路港が果たす役割はますます期待が高まっているのです。
物流という事が分かって来ると、経済のことが少し分かってきます。
【国土交通省資料~資源、エネルギー、食料輸入を取り巻く状況】
http://www.mlit.go.jp/common/000115554.pdf