北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

言葉の切っ先の勝負

2010-07-15 23:44:58 | Weblog
 昨日と今日で札幌市内の関係機関への挨拶回りをしてきました。

 道庁さんを中心に、国の関係機関や北大、知人のいる団体などを巡って、二日間で配った名刺は200枚弱。名刺のなくなる勢いが半端ではありません。

 挨拶回りということで、事前に訪問することを伝えてアポを取っているところでは30分くらいじっくりと意見交換ができますが、それ以外の所は飛び込みでの営業みたいなもの。相手が不在なら仕方がありませんが、打ち合わせ中だろうが何だろうが部屋にいるのだったら少しでも顔を合わせて挨拶だけはしたいと粘ります。

 今の自治体の副市長ともなると、道庁を始め官庁を回っても一応丁寧に応対してなんとか会ってだけはくれるのでありがたいものです。まさに『鶏口となるも牛後となるなかれ』のとおり。

 そうして、これまで会ったことがない方に、飛び込みで訪問をしたときは会ってくださる方の対応は二通りに分かれます。

 一つ目は、型どおりに名刺を交換してお互いに「今後とも宜しくお願い致します」と挨拶してそれで終わるタイプ。そしてもう一つは、こちらの存在に一瞬でも興味を示してくれて「もしお時間があればどうぞ」と椅子に座るように進めてくれるタイプという二通りです。

 しかしその分かれ目は、もしかしたら一瞬のふるまいで「話を聞いてみたい」と思わせるだけの雰囲気を漂わせることができているかどうか、と言う自分自身の力量の問題なのかもしれません。

 営業でよく名刺を配って歩く人を見かけますが、訪ねた時に「まあお座りなさい」と言ってくれるような関係性を形成するのには相当苦労するものです。しかしそう言ってもらうためには(こいつにはなにかありそうだな)という雰囲気とその期待に応えて提供できる興味深いネタをもっていなくてはダメで、そういうことのない名刺配りでは何度足を運んでも単なる徒労に終わってしまうことでしょう。

 一方、座らせてもらったときでも「この人はできるな」と感じるかどうかはお互い、二言三言の会話でわかるもの。剣豪同士は刀の切っ先を一度二度合わせただけで相手の力量が判るといいますが、現代の我々は言葉の切っ先が勝負。そのためにも普段から会話のネタを鍛えておくことは肝心です。

 
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 ところが今回札幌周辺をめぐる限りは、どこへ行ってもなんとなく知人や友人がいて、とても初めてという感じがしませんでした。

 道庁にしてもこれまで行ったこともないような部や局を訪ねて挨拶に行ったのですが、挨拶してお互いに顔を見合わせて「あれ?どこかでお会いしたことがありますよね…」という会話を何度したことか。

 大抵は観光事業で集まった関係者連絡会議の参加者だったということが多かったのですが、それだけ札幌も狭いということなのか、はたまた自分が年を食ったということなのか…(笑)


 さらには、知り合い度がとても深まっている相手だったりすると応対してくれる秘書さんに「ただいま打ち合わせ中なのですが…」と言われて、「挨拶だけですから」と名刺を渡してもらうようお願いをすると、「ああ、いいよ、ちょうど終わったところだから」などと、打ち合わせが終了してしまうと言うことすらあったりして、そこまでしてくれるとやはり嬉しいものです。


 さてそんなわけで知らない人を訪ねるときは気持ちを張っている私ですが、逆に私を訪ねてきてくれる人には、できるだけ座ってもらって意見交換をしようと心がけています。

 そんなときには案外こちら側も値踏みをしているかもしれません。お越しになるときは何か興味深いネタのご用意を…(笑)

コメント
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