管内の町村を巡っての挨拶回りで、今日は枝幸町へ向かいました。
稚内から枝幸へ向かう途中にある漁村猿払村では家並みが新しく立派な家が続きます。
「ホタテや海産物で活気が出ていますね」
オホーツク海側の港は海産物の調子が良いようです。
◆
枝幸町でも事情は同じようで、町長さんにお会いすると、「町内で加工できる施設を作ったところ、ホタテだけではなくナマコやタコなどの価値も上昇して水揚げも増えて来て調子が上向いています」
「それは喜ばしいですね」
「ただ問題もあります。働き手が高齢化して少なくなっていて、手が回らないんです。そこで中国からの研修生を受け入れていますし、最近はベトナムからも受け入れを増やしています。働き手が少なくなっているのは残念です」
地域経済が上向きでもなかなか若い働き手がそれを目当てにやってくるということはないようです。やはり田舎と言うことが敬遠されているのでしょうか。
そういえば、今朝の地元新聞に枝幸町のよさこいソーランチームが連覇を目指して熱心に練習しているという記事がありました。
「私は全然知らなかったのですが、枝幸の『夢想漣えさし(ゆめそうらんえさし)』さんたちはよさこいで素晴らしい成績を収めているんですね。それに旭川や札幌にも支部があるのだとか」
「ええ、旭川も札幌も、枝幸を出た子供たちが中心になって練習をしていますし、頑張っているうちに、このチームに入りたいという人も増えているみたいです。それに、同じチームで踊っているうちに仲が良くなって結婚したという若者もけっこういて、そういう子らが地元に帰って来たりしています」
「なるほど」
「それに町の職員が慣れないカメラを持って、練習の様子をずっと撮影しているんですが、最後に優勝するまでの記録を編集すると感動的なドキュメンタリーが出来上がりました。これを町内のケーブルテレビで何度も放映すると、お年寄りなどもかじりついてそれを観て感動していますよ(笑)」
経済の調子も良くて、おまけに若い人たちが元気を出して結果を出すということが活気を呼んでいます。しかしそれでもなかなか人口が増えるということにもなりにくい。
しかし逆に考えると、人口は増えなくても元気と活気はある…。
地方経営の難しさがこういうところに垣間見えます。