北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

遠州サイクルガイドツーリングへご招待

2011-02-09 23:42:48 | Weblog
 先月掛川市観光協会のスタッフが札幌を訪れて地域観光のプロモーションを行いました。

 静岡空港ができてからは静岡と北海道間の移動時間が非常に短縮されて、ある知人は「私は北海道が自分の庭になったような気がしました」と感動していました。

 観光協会ではそんな静岡にも訪れてほしいという観光情報をプロモーションにやってきたのです。

 面白いことに、プロモーションのために自転車関係団体や旅行業者さんなどを訪れて「掛川から来ました」と言うと、何人かから「おや、ではこままささんをご存知ですか」と言われて、急に話が弾んだそうです。

 北海道で掛川の名を広めるのに私もだいぶ貢献しているようです(笑)。

    ※     ※     ※     ※     ※

 さて、そんな掛川の観光プロモーションの一環で、掛川のみならず周辺の市町村も含めた二泊三日のガイドサイクリングツアーがあるという情報を日本旅行札幌支店のスタッフに伝えたところ、早速旅行商品として販売してくれた、という情報が飛び込んできました。

 そんなに簡単に商品化などされるのだろうかと驚くとともに、日本旅行さんの英断に心から敬意を表したいと思います。

 担当された日本旅行のスタッフで知人のNさんからも「掛川へのツアー企画ができそうですよ」というお話を伺ったので、早速札幌へ出張した際にお会いしてきましたが、掛川でのサイクリングに非常に興味を持っているようで嬉しい思いがしました。

 北海道からのツアーは、新千歳空港を3月11日の午前に出発して、12~13日とサイクリングを楽しんで、静岡空港からは13日の17:30発の飛行機で新千歳空港へ戻ってくるという行程です。

 実はこのツアー企画、募集と同時に応募が殺到してすでに募集を締め切っていたのですが、「北海道から来てくれるなら今後につながる話題性も十分」という判断のもとに、主催者側で北海道からの参加者を別枠で確保してくれることになったのだとか。お互いの志が一致して活動に広がりが出ることを強く期待したいところです。

    ※     ※     ※     ※     ※

 日本旅行のスタッフさんとお話をした中で私が伝えたかったのは、
①ロコサイクリストが他の地域のサイクリストを対象にガイドサイクリングを行うという活動は、これからのガイドツーリズムの先駆けとして掛川で数年にわたって地道な活動が続けられ、ロコサイクリストも育ち実績があること。

②ロコガイドが地域を案内するためには綿密で熱心な下調べを繰り返す必要があり、そのことでロコガイド自身が地域をよく知り誇りを持ってガイドをする生涯学習の典型的な形であること。

③徒歩とも車などの乗り物に乗るのでもない自転車によるツアーで、活動範囲が広がり、かつ一筆書きによる行程は地域を印象深く知ることができるなど、自転車というツールによるガイドツーリズムの可能性は極めて大きいこと。

④自転車によるガイドツーリズムは、私自身釧路でもこの春から取り入れたいと考えているが、ガイドサイクルツーリズムを検討する人ならば必ず一度は掛川での活動実績を体験するべきであること、などでした。


 こうした活動が広がる末には、掛川はその代表的先進事例という自覚のもとにその苦労の結果と工夫した成果を世に広く問うて欲しいものだと思います。

 
 また今日は、掛川市観光協会から連絡があり、「誰か北海道で実際にこのツアーを見学してくれて、地域に情報発信してくださる方がいるなら何人かご招待しますよ」というお申し出も受けました。

 3月11日~13日のツアーに参加できる、参加したいという方がいれば是非ご連絡をいただきたいと思います。


 サイクルガイドツーリズムの最先端は掛川にあります。



【ゆるゆる遠州ロングライド&ガイドライド】
http://yuru2-cycling.r-cms.biz/
      【このブログも超お勧め。スタッフ自らがコースの魅力を語ります】



                 
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自衛隊協力によるシカの捕獲作戦

2011-02-08 23:37:09 | Weblog
 自衛隊の協力を得て実施する、増えすぎたエゾシカの捕獲作戦を見てきました。

 道内における適正なエゾシカの頭数は10万頭と言われる中で現在推測される頭数は60万頭なんだとか。あまりにもシカが増えすぎたために、道路や鉄道での接触事故の多発、植林地での食害、農業生産物への被害などが甚大になりました。

 白糠ではこうした農業被害が大きすぎるために離農を考える人も出始めていて、もう災害と言えるほどの社会問題となっています。

 災害であれば知事からの要請によって自衛隊が派遣されるところですが、現在の災害対策基本法には「動物による食害」は読めるようになっていません。

 そうした背景を踏まえて北海道では高橋知事から自衛隊への協力要請があり、これを受ける形で自衛隊がハンターによる捕獲の支援事業を行うこととしたものです。

 
    ※     ※     ※     ※     ※


                 【現場は山の奥】


 現場は白糠町から本別町へ向かう白糠町二股の山奥。釧路からは約60kmの距離のある場所。現地の集合場所には自衛隊、ハンター、道庁関係者、マスコミなどが大勢集まって物々しい雰囲気が漂っています。

 昔の小学校跡地のグランドには自衛隊のヘリコプターが二台止まっていて、すでに上空からシカの様子を観察してきたのだそう。






 今日の作戦は、自衛隊がヘリコプターでシカの群れを追い出して、それを待ち構えたハンターが打つというもの。打ったシカはこれも自衛隊が搬出を手伝い、捕獲された個体はペットフード業者に引き取ってもらうというところまで手筈を整えてあります。

 自衛隊の方からはマスコミ相手にそうした作戦の説明が行われ、作戦名は「白糠の夜明け作戦」と名付けられていました。自衛隊の作戦らしいですね。


                 【作戦名は「白糠の夜明け作戦」】


    ※     ※     ※     ※     ※

 マスコミと関係者は二台のバスに分乗して、15分ほど走って現場へ到着。ハンターの皆さんは一定間隔で配置され、銃を携えて待機しています。

 マスコミの皆さんは早速ビデオカメラを据え付けて作戦開始を待ち準備は万端です。

 やがてヘリコプターが現場上空へ到着。早速山影からシカを追い出すように飛び回ります。上空にローターの音が響いています。


                 【ローターの風はすごかった】

【シカはまだか】
 …ところがシカがなかなか目の前に現れてくれません。15分…、30分…、1時間経ってもシカがなかなか視野に入ってきません。

 どうやら今日はそれほど大きな群れがこのあたりにはいないようで、小さな群れを追い出しにかかっているのだとか。

 ヘリコプターのホバリングによる風と爆音によって山の中を逃げるシカの姿がちらっとは見えたものの、目の前の斜面を駆け下りてハンターの目の前に逃げてくるようなシカはとうとう現れませんでした。

 結局初日の捕獲頭数はゼロに終わり、二時間も寒い中で映像を待ち続けたマスコミの皆さんには肩透かしでしたが、やはり生き物相手の捕獲作戦は難しいという印象を強めることとなりました。


                 【二時間外で待ちました】


 自衛隊の作戦初日として多くのシカの捕獲の期待もありましたが、日中のシカをヘリだけで勢子として追い出すのは一筋縄ではいかないようです。

    ※     ※     ※     ※     ※
 
 作戦は明日と明後日も続けられることとなっています。

 初日の経験を糧にして、自衛隊の協力によってシカの捕獲が進み食害が減ることを祈らずにはいられません。
 
 シカの保護獣の側面と害獣としての側面を多くの道民に実感してほしいものです。

 「白糠の夜明け」は「北海道の生態環境の夜明け」に通じています。




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湯沢の教育をスパイせよ

2011-02-07 23:50:10 | Weblog
 秋田県の湯沢市は釧路市の姉妹都市ならぬ友好都市のひとつです。

 湯沢市との友好都市関係の締結は昭和38年のことで、市内に湯沢市からの入植者が多かったことから結ばれた縁だったとのこと。

 こうした友好都市関係を活かすために両市では職員を派遣しあっています。釧路の職員が湯沢市の教育委員会へ、そして湯沢市の職員が釧路市の観光振興室へという人事交流が行われているのです。

 湯沢市の教育委員会へ派遣した重要な目的の一つが、「全国学力・学習状況調査」で全国一を誇る秋田県の教育の実情をその目で見てその本質に迫ること。

 釧路の子供たちの学力はお世辞にも高いとは言えず、大きな行政課題の一つであり、どういう対処をするかが問題なのです。

    ※     ※     ※     ※     ※

 そんなわけで、これらのミッションを背負って昨年4月から湯沢市に派遣されているA君が一時帰省して、市役所に現地の教育状況について報告をしてくれました。

 A君が感じた、湯沢市における学力・点数向上の背景にあるものとしては①「早寝」「早起き」「朝ごはん」が身についていること、②家族と一緒に食事をとり、温かい家庭で安心した生活ができていること、を上げました。

 温かい家庭を象徴するものとしては、祖父母と同居している家庭が多いことがあげられます。人口で比較すると釧路は湯沢の3.5倍ながら、世帯数は5.1倍と言うことで、五割増しの世帯数の多さが目立ちます。

 そういう家庭は両親が共働きでも安全な環境であり、また田植え・収穫などの農作業の度に家族のコミュニケーションが図られるという地域事情もあるとのこと。

 地域イベントへの住民の協力体制や豪雪に耐える忍耐力などの感想を聞いて感じるのは、古くからの地方都市にいまだに強く残る農村コミュニティの連帯の強さです。

 しかし地域性だけであれば、日本にはまだそうした農村コミュニティが数多くあり、秋田だけの特徴とは言えません。学力向上の秘訣は何か?

    ※     ※     ※     ※     ※

 A君が学校を視察して感心したのは、学校に「ランチルーム」があり、すべての学年の子らが同じ部屋で昼食を取っていたこと。これにより上級生と下級生の縦のつながりが強まり、中学校へ進学しても知っているお兄さんお姉さんがいるという学習環境が作られているのだそう。

 同じ年回りの横の関係だけではなく、昼食事を利用して縦の関係にも心を配るというのは面白い取り組みです。

 小学校低学年では、先生の指示に対する反応が早く、子供たちの意識を高められていて、先生のクラスコントロールもうまくいっているよう。

 図書室も部屋ではなく、玄関横のメディアスペースとして開放的に設置されていて登下校時に立ち寄りやすいところにあると言った校舎の工夫も印象的だったのだそうです。
 
    ※     ※     ※     ※     ※

 また中学校の視察では、生徒の習熟度・理解度を確認するために「一問テスト」という取り組みがされていて、工夫を感じたとのこと。

 さらに、各授業において「今日のめあて」「本日のgoal」などと言う形で、授業が何を理解し、どういう理由で行われているかがあらかじめ生徒に示されていて、生徒自らが達成の度合いを確かめることができるような授業展開になっていることに感心。

 生徒たちも目標がはっきりすることで達成感を感じることができ、自己肯定感の育成にもつながっているという印象を強く受けたそうです。

  湯沢の教育行政の良いところをどれだけ取り入れて学力向上に繋げられるでしょうか。単騎で乗り込んだ異国の地ですが、与えられているミッションはスパイにも似て重要です。

 健康に気を付けてミッション遂行を期待しています。
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受けてきました「くしろ検定」

2011-02-06 21:52:01 | Weblog
 受けてきました、ご当地検定の釧路版「くしろ検定」! 試験を受けるなんて一体何年ぶりのことでしょう。それなりにドキドキしました。

 試験は朝10時半からで、会場は商工会議所ビルの5階の150人くらい入る会議室。ビルには三々五々受験者が集まってきます。


                 【幣舞橋のたもとにある道東経済センタービル】



 試験会場の会議室では、地元の市立北陽高校の生徒さんたちがたくさん受験していてにぎやかです。さて試験はどうなりますやら…。



                 【試験前のちょっとだけ緊張した雰囲気。知人もいて恥ずかしー】


    ※     ※     ※     ※     ※

 試験問題は50問で合格点は70点以上とのこと。問題用紙と解答用紙が配られて試験は10時35分から一時間です。

 第一問は「春採湖の北岸から南に向かって半島状に突き出した台地の頂部に築造されたチャシの名称はどれか、次から選び、その記号を記入しなさい」か…。答えの選択肢は
 (ア)ウライケ・チャシコツ (イ)カツラコイ・チャシコツ
 (ウ)モシリヤ・チャシコツ (エ)チャランケ・チャシコツ

 の4つ。ほほう、これはいただきですな。答えは(エ)のチャランケ・チャシコツ、一度見学したこともあるもんね。やはり教科書だけではなく実際に行ったことがあると記憶に残っています。


 …とまあこんな感じで教科書に沿った内容で、歴史、自然、産業・経済、生活・文化・スポーツ、体験・観光などのジャンルから四択問題が続きます。

 簡単にわかる問題もあるけれど、答えに詰まる問題もしばしばあって、教科書の流し読みでは頭に入っていないことを痛感しました。ひー…。

    ※     ※     ※     ※     ※

 問題用紙はもらえたのですが、会場で自信のある答えは50問中34問。うう、あと一問で合格なのに自信のない解答の山。おー、どうなる!?


 ではここで、私が確実に間違ってしまった問題をいくつか並べてみましょう。

 問a「石川啄木は、釧路新聞社の記者として釧路に76日間滞在したが、彼を招いた人物はだれか。次から選び、その記号を記入しなさい」
 (ア)白石義郎 (イ)金田一京助 (ウ)二木千年 (エ)林田則友


 問b「釧路鮪流網組合を設立し、のちの鮪景気を牽引した人物はだれか」
 (ア)金井関次郎 (イ)嵯峨久 (ウ)本間秀作 (エ)中村小三治


 問c「塘路湖に隣接して小さい湖沼が点在していますが、その湖沼の名にあてはまらないものはどれか」
 (ア)ポン沼 (イ)サルトー (ウ)エオルト沼 (エ)マクントー


 問d「湿原の『エゾカオジロトンボ』の記念物指定についての説明で、正しい項目はどれか」
 (ア)北海道指定の天然記念物 (イ)標茶町指定の天然記念物
 (ウ)国指定の天然記念物   (エ)釧路管内自治体指定の天然記念物


 どうです?結構難しいでしょ?どの問題もテキストにはしっかりと記述があるのに、いざ問われると間違いが分からないものです。うーむ…。

 地元出身ではないために、やはり地理感覚を問われる問題に弱いことが分かりました。なかでも神社と町名の組み合わせ問題を間違えたのはショック。市内の町名がどのあたりなのかがまだ頭に入りきっていなかったのです。

 暖かくなったら自転車を持参して改めて市内を巡ることにします。



「くしろ検定を受けるんだ」と夜の飲み会で言うと、「いいなあ、よそ者だから。俺なんて受けて落ちたら目も当てられないよ(笑)」という地元の人がいて、やはりジモティにはプレッシャーもあるようです。とにかくまちを楽しめばいいのにね。

 さて、結果はどうでしょう? 合格発表は2月21日だそうです。
 

                 【試験問題なんて、見るたびにドキドキしますね】
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週末はイベント花盛り~釧路氷祭り

2011-02-05 23:53:32 | Weblog
 冬晴れの釧路。気温もプラスになった二月最初の週末はイベント週末です。

 まずは釧路地場工業展示会(通称メイド・イン・くしろ)から。こちらは国際交流センターのホールで今日と明日開催されるもので、地元釧路の製造業の見本市です。


                 【一応開会式はテープカットで】


 地元の有力な企業・団体さんたちが自分たちの製品や技術を市民に広く見せてくれるというもので、今回が第九回目。

 白い恋人の石屋製菓さんにも納めたという、(株)ニッコーさんのピッキングロボットは、製品をエアで吸い上げて、これを三つの軸で動くアームで正確にパレットに移すというもの。

 色や形の峻別も行って、基準外のものはハネるというすご技の持ち主です。

 なにやら虫のような動きで不気味なところもあるのですが、人間よりもはるかに効率的かつ正確に作動するのは釧路の技術の真骨頂です。


                 【この動きは動画で見せたいくらいです】


 またNHK主催のロボコンの予選にも出場したという地元釧路高専の電気技術の学生さんたちも出品していて、技術で飯を食うという気概が伝わってきました。頑張れ高専生!

 
 またコーナーの一角では、地産地消くしろネットワークさんによる、タラのすり身を混ぜ込んだホットケーキの試食会も登場。

 タラをすり身にするだけではない新たな付加価値づくりへの挑戦です。こちらは工業技術センターから借りてきた焼印機械も登場していて、オリジナルキャラクターの焼印が押されました。

 こんなことでもちょっとした技術なのですね。キャラのすけ父さんの歯が『くしろ』になってます(笑)


                 【タラのすり身入りホットケーキで、新しい食文化が誕生するかな】


 
 ちなみに、この会場のお隣では消費者まつりも開催されていてにぎやかさに輪をかけていました。


    ※     ※     ※     ※     ※


 さて、ひとたび外へ出るとこちらでは第47回釧路氷まつりが開催されています。寒い冬に負けないように、雪像と氷像で子供たちが遊べるような滑り台が何台も設置されていました。

 こちらは釧路駐屯地に駐屯する自衛隊第27普通科連隊さんによる雪上訓練としての雪像で、開会式で無事大会実行委員長の蝦名市長に引き渡しが行われました。

 会場にはキャラクターショーや氷の滑り台を楽しみにする多くの子供たちが来場して歓声の嵐。天気が良くて本当に良かった。

 会場のそこかしこには市の職員が安全対策やイベントのお手伝いで見え隠れしていますが、寒い中ご苦労様なことです。

 さて、会場には氷の迷路や寒風炉端も登場しています。寒さを忘れるひとときで少しだけ財布の紐を緩めてみましょうか。

 氷まつりも明日までです。


                 【快晴に雪像が映えますねえ】


【釧路氷まつり情報】
 http://bit.ly/dXO1Sg
 
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炭鉱(ヤマ)の火を消すな・アゲイン

2011-02-04 23:45:30 | Weblog
 「石炭産業と釧路地域の振興に関する懇談会」が市内で開催されました。

 現在国内で唯一稼働している坑内掘りの炭鉱である釧路コールマイン(通称KCM)は、商業採炭事業と海外研修の受託、環境リサイクル事業などを柱にして地域で約400人の雇用をしている会社です。

 明治時代に国内で獲得できる最良のエネルギー源として国を支えた石炭ですが、石油時代の到来とともに内外価格差から国内採炭を止めるという石炭政策の変更により、国内の炭鉱は昭和の終わりころに続々と閉山してゆきました。

 しかしここ太平洋炭鉱では、炭層の傾斜が緩やかで機械化をすることができたことから安全で安価な石炭が算出でき「太平洋の海底炭」として平成に入ってもまだ稼働を続けてきました。

 しかしながら平成十年代に入ってさすがに商業採炭を続けることができなくなり平成14年に閉山。しかし地元から「炭鉱(ヤマ)の火を消すな」という声があがり、地元出資による株式会社釧路コールマインが誕生し、太平洋炭鉱から採炭事業を引き継いで現在に至っています。

 往時は年間200万トンを産出し約5千人の雇用を生み出していた太平洋炭鉱ですが、KCMに引き継がれた今は年間産出量約50万トンに減少しましたが、低公害炭として道内の火力発電などに使われています。

    ※     ※     ※     ※     ※

 KCMの主力事業の一つが「産炭国石炭産業高度化事業」海外研修の受託。

 これはとしてアジア・太平洋地域における産炭国の炭鉱技術者へ、我が国の炭鉱現場等を効果的に活用して、我が国の炭鉱が永年にわたり蓄積してきた技術・ノウハウを人から人へ伝えることで、世界的に優れた日本の坑内掘技術を海外産炭国に移転することを目的とした研修事業であり、地方自治体等の支援と地域住民の協力により実施しています。

 アジアの坑内掘りでは技術面では機械を買えば良いのですが、安全思想などの面がまだ不足していて、年間に数千人単位で人的災害が発生しています。

 中国とベトナムが求めているのもそうした安全思想も含めた炭鉱技術と言うわけです。

 これを経済産業省資源エネルギー庁の事業として進めてきたものの、いつまで国がそれをやり続けるのかということがいつも財務省との間で問題になっています。

 地元としてはずっと継続してほしいという願いはあるものの、財務省は常に「国費を下げるような方策を考えるように」という意思が強いもの。経産省には「地元も少しは負担できないのか」ということも強く言われているそうです。

 今回はそうしたことも念頭に置きつつ、KCMという資産を活用して石炭産業と地域振興をどのように果たしてゆくかということに関する懇談会を道庁さんとともに開催したもの。

 新しいビジネスの可能性、そして地域としても国内最後の炭鉱(ヤマ)の火を絶やさないための工夫が求められています。

 答えのない明日に向かって知恵を出さなくてはいけません。

 市民の関心ももっと寄せてもらわなくてはなりませんね。
 
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二宮尊徳を思い出す

2011-02-03 23:50:25 | Weblog
 風邪が治りかけの時の薬って副作用の方が大きいみたい。今日の午後は風ではなくて薬のせいでふらふらしていました。

 さて、いよいよ新年度から始まる財政健全化プランの市民説明会が2月1日から始まりました。

 旧釧路市では三か所、それに合併した阿寒地区と音別地区の全部で五カ所で開催予定の今日は三日目。音別地区での説明会です。


                 【もっとたくさん来てほしかったです】



 土地開発公社と振興公社という、市が保証する二つの第三セクターはこれまで先行取得した土地などの資産価値が下落したことによって借り入れた負債が減らずこのままでは返済できないという状態に陥りました。

 これを「三セク債」という起債制度を使って処理しようというのですが、それを認めてもらえる前提は、自治体経営が赤字体質ではないことが要求されていて、起債を起こすためになお一層年間の財政を絞り込まなくてはならないという状態になっているのです。

 そのため、①毎年の事務事業の見直しや、②利用料金の改定、③公共施設も統廃合などの見直しが必要、④借り入れる公債を機械的に抑制するといった方策で財政のスリム化を進めます。

 これに加えて市議会でも改革を行い健全化にご協力をいただいていますが、その結果は定数の削減や議長専用公用車の廃止などを提案していただいています。

 しかしそれでもなお不足が見込まれるため、職員数の削減や特別職をはじめとする職員の給与削減も行われます。

 こうした取り組みを進めることで、今から16年にわたる壮大な財政健全化を行おうというのです。かなり大胆な取り組み計画ですが、市民への負担も増えることから、その内容について地区での説明会を行っているのです。

     ※     ※     ※     ※     ※

 今日の音別地区では、約30人ほどの市民の皆さんが集まってくださって熱心に市長の説明に耳を傾けてくださいました。

 なかには「仕方がないけれど、一生懸命やってほしい」というありがたい意見も。総じて穏やかな形で説明会を終えることができました。

 一見先人たちが作った借金を子孫が返すことへのやるせなさや不条理を感じる方もいるかもしれませんが、逆に言えば今ある繁栄も先人たちの労苦のおかげと言えるでしょう。

 私はすぐに報徳訓を思い出しました。 

 報徳訓とは二宮尊徳が自身の哲学を108文字の漢文調で表したものですが、これが実に深いのです。


     報徳訓(原文は漢文調)

   父母の根元は天地の令命にあり
   身体の根元は父母の生育にあり
   子孫の相続は夫婦の丹精にあり

   父母の富貴は祖先の勤功にあり
   吾身の富貴は父母の積善にあり
   子孫の富貴は自己の勤労にあり

   身命の長養は衣食住の三つにあり
   衣食住の三つは田畑山林にあり
   田畑山林は人民の勤耕にあり

   今年の衣食は昨年の産業にあり
   来年の衣食は今年の艱難にあり
   年年歳歳報徳を忘るべからず


 2段目に「父母の風紀は祖先の勤功にあり」とありますが、まさにこれこそ時代を超えて連綿と続く社会を言い表したものにほかなりません。

 私たちが今得ている富貴は祖先のおかげであり、私たちは子孫に富貴を遺す祖先であらねばならないのです。子孫である我々がいつしか艱難辛苦を乗り越えながら祖先になってゆく。この真実から目を背けることはできません。
 
 祖先が推譲(ゆずって)してくれたものを、我々は子孫に推譲してゆくそんな人生を全うしたいものです。

 さて、気持ちをしっかりと持って明日へと進みましょう。
 
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風と土

2011-02-02 23:49:01 | Weblog
 夜飲んで帰る途中で掛川の知人から酔っぱらった勢いの電話が入りました。

「いや、今こままささんの話題になってね。『どうして掛川に残ってもらえなかったものかねえ』なんて話になって懐かしくなったものですから」とのこと。

「はは、所詮は任期付きですからね。風の又三郎みたいなもので、どこか新鮮で新しい気風をもたらすことはできても、それを根付かせて地道に自分たちのものにするのは地元の人たちでしかないんですよ」
「はあ、そんなものですかねえ」

 こんなやりとりのなかで、掛川の三年間を懐かしく思い出しました。

 掛川で助役をやりながら当時の市長さんの姿を見ていてすごいと思ったのは、人に関する情報が徹底的に頭に入っていること。

 なにか市内での話題があると、「そうそう、彼のおやじさんは○○で働いていて、△△さんの部下だった時があってそのときにこんなことがあったよ…」というような情報が次から次に出てきます。

「そうか、じゃあ△△さんにちょっとお願いをしてみようかなあ」と言う風に、人間関係だけではなくそこでの貸し借りや上下関係、信頼があるかないかまでを瞬時に頭に浮かべることができるのです。

 政治は役所と議会で物事が決まる、などという単純な風にはできていなくて、陰で信頼関係を築いておいてそこでお願いをしたり「あなたに言われたら仕方がないなあ」というような力学でちょっとずつ前に進んでいるのだ、ということがよくわかったのです。

 しかしまたそうした関係性が却ってしがらみとなって身動きが取れなくなったりすることもあって、世の中と言うのは実に面白いものです。


 そういう意味では突然赴任してきて日が浅いような者には、大昔の出来事など知らないという無茶や無鉄砲さがあると同時に、前例にとらわれない新しい気風をもたらす作用があるとも言えそうで、この両面をどう生かすかが鍵。

 日本の政党政治を見ていると、人気がありそうな人をぽっと推薦して票を獲得しようとする「風の選挙」をするところと、地道に地域の役をやり一歩一歩地歩を固めながら出世して得票をしようとする「地の選挙」をするところがあります。

 そのどちらにも良し悪しはあるけれど、人々の期待を得るには、追い風を吹かせられるのか、はたまたそれは向かい風になるのか。

 安定した土を求めるのか、それとも変わらないことを不満に思うのか、様々に移ろいやすい時々の民意を的確に反映することが求められます

 風が吹いて世間を揺り動かし、土がそれを地域に根付かせてゆく。こうした風と土の作用で地域の「風土」は形成されてゆくのでしょう。昔の人はうまく言ったものです。



 アフリカのエジプトで政権が揺らいでいます。民衆の中に吹き荒れる刷新を求める風と安定を求める土の綱引きが続いているようです。


    ※     ※     ※     ※     ※


 風は良いけれど、風邪はいけません。

 薬で小康状態を保っていますが早く体力を回復しなくては。
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お茶の周辺教養を増やしたい

2011-02-02 08:00:35 | Weblog
 掛川のサトーさんから掛川茶に対する思いのこもったブログ記事を紹介されましたが、私もお茶に関する記事を書いていたのを思い出しました。

≪茶産地の個性化≫ by 掛川のサトーさん
 http://bit.ly/ewbpYC



 茶産地の手揉み茶って甘くて本当に美味しいんだけど、飲んだことのある人はそう多くはいないでしょうね。
 手揉み茶を飲むと、「お茶って何?」と考えさせられます。


【千葉市と市川市の防災公園を訪ねる】2007-5-18

 数年前に千葉の防災公園を見学した帰りに、掛川の東山製茶の皆さんが有楽町駅で掛川茶の宣伝をしているのを見たときの記事があるのを思い出しました。

 イケメンの手揉み茶を味わってとても感動したのですが、あの手揉み茶は簡単には味わえませんね。あれもウリになるんですけどねえ。

 http://bit.ly/dXvWyt


【お茶プレッソってなに?】2009-12-17
 築地でお茶プレッソなる飲み物が出たという記事がありました。そういえばその後どうなっているんでしょうねえ
 
 http://bit.ly/gOlgfh

 お茶を巡る周辺教養を少しずつ増やしてやると、お茶についてもっと関心がわくのだと思います。

 そういう意味で榛村前市長が取り組んできた生涯学習はすばらしい運動だったのだな、と改めて感じ入ります。
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風邪にはこれが一番

2011-02-01 20:44:30 | Weblog
 朝から背中がゾクゾクして、悪寒と倦怠感と熱っぽさが同時に。

 (こりゃ風邪だな)と思って市販の解熱剤を飲んで過ごしましたがどうも良くなりません。

 夕方は打ち合わせを一つキャンセルして病院へ行って薬をもらってきました。ひー

    ※     ※     ※     ※     ※

 こんな日は暖かい食べ物をがっと食べて寝るのが一番。

 そんなわけで晩御飯は辛~いカレー南蛮蕎麦です。鶏肉とねぎのぶつ切りで栄養もばっちり。

 蕎麦は乾麺、つゆは汁の素で結構。カレー粉と小麦粉とカタクリ粉の割合さえ間違わなければ美味しく出来上がります。

 これで温まって早く直さなくては。おやすみなさい。


                 【体を温めなくちゃ】



                 【カレー粉はS&Bの赤い缶のやつに限る】 
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