「マエストロ、時間です」～サントリーホールステージマネージャー物語～

宮崎隆男さんの『「マエストロ、時間です」～サントリーホールステージマネージャー物語～』を読みました。

オーケストラやコンサートホールのステージマネージャーの最も重要な仕事は、
音楽家がベストの状態で演奏できるような環境を整えること。

音楽のジャンルや演奏者の数に応じてステージをセットし、指揮者や演奏家を送り出す。
終われば迎え入れ、セットを戻して、楽器を運び出す。

一言で言えば、そのようなものだそうです。

日本初のホール専属ステージマネージャーとなった宮崎氏。
氏の引退の日の思い出から始まり、サントリーホールが出来上がるまでの試行錯誤の日々、
指揮者や演奏家がステージ前後に見せる素顔、宮崎氏がボーヤから始めたこの世界の仕事についてなど、
そしてサントリーホール三代のステージマネージャーの生き生きとした鼎談からこの本は成り立っています。

演奏家のエピソードはもちろん面白いのですが、楽器の貨車輸送の話が一番面白かったです。
力仕事であり、細かく神経を使う気配りの大切な仕事なんですね。

とても楽しい本です。