こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『活版印刷三日月堂 庭のアルバム』ほしおさなえ

2018-03-20 19:36:22 | 読書感想
川越の小さな情報誌の出版社で「月刊めぐりん」という旅行雑誌の仕事に面白さとやりがいを感じつつも、大手企業に勤める友人たちに劣等感を抱いてしまう竹野。

一方、三日月堂の店主・月野弓子の母カナコの大学時代の友人の一人・大島聡子は、カナコのお見舞いがきっかけで、やはり友人の裕美と疎遠になっている。

また、カナコの二十七回忌の集まりに参加したある友人の娘・楓は、高校に居場所を見つけられず悩んでいた。

そして彼らは、三日月堂に関わる事で良い方向に変化し、弓子自身も、新たな転機を迎えようとしている。

私としては「カナコの歌」が、一番身近に感じられました。
ただ、この本を主に買う世代は、表題作が一番心に響くのかもしれません。
最後に「川の合流する場所」まで読んでみて、これまでの閉塞感が打ち破られるような希望の光が感じられました。
三日月堂が、かつてのようにはならなくても、数人の職人さんが集まる印刷所にはなれると嬉しいですね。
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