こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

ラギッド・ガール

2007-02-24 00:00:00 | 未分類
飛浩隆さん『ラギッド・ガール 廃園の天使II』を読みました。

Iで語られた<夏の区界>の平穏だった時代の物語から、<数値海岸>の製作者側の話、
別の区界や、<夏の区界>を根こそぎ破壊したランゴーニの過去の物語が描かれています。

区界の大途絶の原因が分かりますが、AIの人権と存在意義の両立の難しさを感じます。
<数値海岸>については、どの区界も魅力的で、どの住人も生き生きと存在しています。
だからこそ、このような結果は悲しいですね。
同時に、現実の人間たちの葛藤や歪みも描かれていて、AIよりも人間の方が複雑だと感じました。

私が一番好きなのは『魔術師』
空飛ぶ鯨に艤装をほどこし保守点検しリフォームすることで、空飛ぶ船にするところが
面白いです。大原まり子さんの『銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ』を思い出しました。
銀クジは、艤装しませんけどね。

シリーズ化しそうなので、今後どのような世界が展開されるのか、楽しみです。

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