コミックス『うたかたダイアログ』稲井カオル

ドラッグストアでアルバイトをしている宇多川と片野。
片野は、宇多川の些細な発言に妄想したりしていますが、宇多川は悪態のつきまくりで、ほとんどそんな気配も見せません。

一度、妙な夢を見たくらいですね。

少女漫画としては、花が跳ぶこともなく地味（？）なのかもしれませんが、二人の掛け合いがとても面白く読めます。

表紙や惹句からも、遠藤淑子さんに近い匂いを感じたのですが、どうでしょうか？

『重力アルケミック』柞刈湯葉

重力を司る‘‘重素’’によって航空機が空を飛ぶ世界。
そこでは、過剰に‘‘重素’’を採掘したせいで、地球が膨張し続けていた。

そんな中、会津若松に住む湯川航は「遠くへ行きたい」という気持ちを叶えるために、重素工学科に行きたいという理由をでっち上げ、東京の大塚大学理工学部に進学した。

ただ、重素工学科自体は、先細りの学問でもあった。
ある日、バイト先の古本屋で重素を用いない航空機の理論書を見つけ、彼の人生は生き生きとしたものになってきた。
しかし・・・。

空飛ぶ円盤の方が実現した世界では、このような不都合が発生するのですね。
柞刈さんの発想も面白いのですが、この世界でも常識にとらわれない青年がいて、バカやりつつも自分自身でも思いがけない新たな行動をしているところに夢を感じました。

面白かったです。

コミックス『なごみクラブ（８）』遠藤淑子

公園前の歩道側の木に、カラスが巣を作り人を襲うようになった。
弱そうな人を襲うはずなのだが、小学生の由加ちゃんは襲われないのに、トオルくんやマネージャーが襲われる事にマネージャーは納得いかない。

ホストクラブですがホストの皆さんは地道に暮らし、変人（？）ですが意外と常識人です。

中学生と真剣に卓球勝負をするところは、大人げないのですが可愛いですし、宝くじ屋のおばあちゃんとの交流も、商店街のホームページのためとはいえほのぼのします。

一番長閑に思えたのは、ラストの「なごみクラブの一日」でした。
武田さん、いつもお疲れ様です(^^;)

コミックス『なるほど！カンタン！理系ごはん』高世えり子

「理系クン」シリーズの高世さんの簡単料理コミックスです。

ポテトサラダから始まっているのですが、高世さん家は亡きおじい様の好みで、コンビーフ入りだそうです。ちょっと珍しいですよね。

あと、ロコモコ、麻婆豆腐、チーズフォンデュ、栗きんとん、ちらし寿司、チーズクッキー、冷やし茶碗蒸し、ピンクの焼きそば、バナナプリンなどなど、思ったより簡単そうでありながら、美味しそうでもありました。

‘‘理系’’については、多少、ウンチクがあるくらいでしょうか？

私としては、チーズフォンデュをやりたいのですが、やはりホーロー鍋か陶製の鍋を買わないといけないのかなあ？と迷っています。

家族も、コレステロールを気にして、あまりカロリーの高そうなものは食べませんしねえ(^^;)

『超・殺人事件 推理作家の苦悩』東野圭吾

知人に薦められて読んだら、ミステリの短編集と思いきや、サブタイトル通りミステリ作家を描いたものでした。

税金対策のために内容を水増ししたり、作家も読者も高齢化が進み若者が本を読まなかったり、かと思えば対照的に分厚い本ばかりがもてはやされたりと、なかなか面白い本になっています。

一時期、異常に分厚い本がもてはやされた頃もありましたが、最近また、ショートショートが見直されている感じがします。
今度は、そればかりになるのでしょうか？基本的に、ショートショートが好きではありますが、あまり偏るのも考えものだと考えつつ読み終えました。