こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『名古屋駅西 喫茶ユトリロ 龍くんは食べながら謎を解く』太田忠司

2022-02-08 19:43:32 | 読書感想
 
南原雫と高山由紀という二十歳の大学生が、観光で名古屋にやって来た。

二人は名古屋の喫茶店のモーニングサービスを体験しようと喫茶ユトリロに来るが、あるアクシデントから思いがけない人助けをする事となる。

このシリーズの探偵役・鏡味龍は、事件のヒントを鋭い洞察力から得ていくのですが、逆にそれが自分自身に向かうと悩みの種になってしまうようです。

今回、似たような性格の雫に出逢ったり、様々な謎を解決していく上で出逢う人々からも多くの考え方を学び、同じ学部の同期や現役の医師からのアドヴァイスもあったりして、少しずつ前進しているように感じられました。

肝心の謎の真相も鮮やかに解かれていますので、ぜひ、お読みください。
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『中野のお父さんの快刀乱麻』北村薫

2022-02-07 19:37:04 | 読書感想
 
中堅編集者の田川美希の父親は、かなりの読書好きでビブリオマニアでもあるようで、彼女が疑問に思った事を持ちかけると自分の記憶と自宅の書籍の山から該当するものを選び出しては答を出してくれる。

今回も大岡昇平の『武蔵野夫人』のタイトルの由来や、ベルリンオリンピックの開会式で本当に飛行船が飛んだのかまで、多くの資料から答を探し出してきた。

この本で私が一番好きだと感じたのは「古今亭志ん朝の一期一会」です。
サラサーテのSP盤のCDも気になりますが、美希のいる編集部の編集長の義母が聴きたかったCDを、調べ当てたところが本当に嬉しく感じられて、安心もしました。
お義母さんは、志ん朝の噺だけが聴きたかったわけではないのです。
どういう事情か知りたいと思った方は、ぜひ、お読みください。

それにしても、これだけの本を保存しておける家というのも羨ましい限りです。
しかも、本だけではありませんからね。
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『すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険』山本健人

2022-02-03 20:15:14 | 読書感想
 
久々のノンフィクションです。

@外科医けいゆうさんのツイートを拝見して、早くから購入していたものの、今頃読了しました。
つい手元にあると思うと、安心してしまうところはあります。ごめんなさい。
でも、確保していて良かったです。

内容はと言うと、私のような素人の好奇心をもくすぐりつつ、医学の初歩から科学的考え方、少し踏み込んだ知識など、楽しく分かりやすく書いておられます。

第一章で、私が「ああ、普通は知らないよね?」と思ったのは、頭を打って打撲面にできた青あざが、しばらくすると下に移動して目の周りがパンダのようになる事。
高齢者施設だと、職員も5、6年働けば、一度は高齢者の方がパンダのようになられるのを拝見するものです。
他にも、そのような感じで人体についての知識を伝えていらっしゃいます。

第二章は、病気の原因について。
主に免疫について書かれていますでしょうか?他に、遺伝やがんについても。
なかなか興味深いです。

第三章は、医学史についてですが、これもかなり面白くて、こんなに古くからあるんだ!?というような医学知識から、意外と当時の常識に阻まれて、多くの専門家にも受け入れられなかった知識まで、とても楽しく読ませて頂きました。

第四章は、健康の常識について。
介護の仕事をしていると、意外と身近にエコノミークラス症候群があったなあ、と、今さらながら思い至ったりしました。
また意外だったのは、血液型の申告はしなくても輸血が必要な事態になったら、医療機関は自己申告があっても血液型を調べるので大丈夫という話でした。

第五章で、特に興味を惹かれたのは、へそ穴からの内視鏡手術。
「そうですよねえ。名残があっても不思議はないのですよねえ」と、今になって意識できるようになったりしました。

他にもたくさんの意外な知識があって、良かったです。
さらに、この本を読んで知識を深めたい人用に読書案内もあって、親切です。
そんなわけで、どれを読もうかな?とワクワクしています。

強くお薦めしたい本です。
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