『タクジョ！』小野寺史宜

タクジョ！ (実業之日本社文庫) 小野寺 史宜 実業之日本社

 

先日、続編から読んでしまった本書。

今回、前日譚を読む事になったわけですが、新鮮味こそないものの夏子が過去の出来事として話していた出来事の詳細が分かって面白かったです。

女性が安心してタクシーに乗れるようにという事もあって就職し、始めたタクシー運転手という仕事。
危ない目に遭い、後ほど付き合い始めた交際相手にも心配されます。

そんな中、夏子がどのように考えどのような選択をしていくのか、なかなか興味深く読めました。

『ホワイトルーキーズ3』佐竹アキノリ

ホワイトルーキーズ 3 佐竹アキノリ 主婦の友社

 

4人の研修医が『空知総合病院』に赴任して早半年。

物語は当直中の朝倉雄介から始まる。
のんびりと「平和だな」と思っていたら近くで交通事故らしい音が響き、早速搬送されてくる。

続いて風見司は、放射線科で指導医の座間に同科を強く勧められ、清水涼子は、内科で糖尿病内科医の中村に学び、沢井詩織は緩和ケア科で栗本の指導を受けている。
初っ端の朝倉は、外科で斉藤の下で働いている。

4人とも様々なタイプの患者に出会い、病人としての彼らだけでなくその人生についても考えるようになってきます。
トラブルが多いようですが中には素晴らしい出会いもあって、例えば清水が関わった鞄職人の辰巳との関係が素敵だと感じました。
もちろん、すべての患者に深く関われるわけではありませんが、時にはこういう出来事も必要なのかもしれません。

病院内の事ばかりでなく、時折、4人のプライベートの交流と変化も織り込まれています。
この感じだと、まだ物語は続きそうです。

『食いしんぼう魔女の優しい時間』三萩せんや

食いしんぼう魔女の優しい時間 (光文社キャラクター文庫) 三萩せんや 光文社

 

黒木理沙は外見が二十代後半なのに、実は三百歳を超える魔女。
黒猫ノアルと一緒に暮らしている。

理沙が食いしんぼうなせいもあるのか、調理している様子を読むとよく味が想像出来てお腹が空いてしまいます。
近所のスーパーでビーツが売っているのなら、一度はボルシチを作ってみたいですし、鹿肉も興味深い食材ですよねえ？

・・・物語の感想というよりも、物語に出てくる食べ物の話になるところで、私も大概食いしんぼうだと思いました。
もちろん、そればかりではなく人の優しさ、温かさを描く、穏やかで素敵な物語でもあります。

食いしんぼうさんに特におすすめ♪