「物事の一番の盛り。真っ最中」という意味である(広辞苑)。「春たけなわ」「宴たけなわ」というように使う。
漢字を当てると、「闌」または「酣」。闌には「手すり(欄)、みだりに」という意味もあるようだが、それと「一番の盛り」という意味とどういうつながりがあるのか、2、3の漢和辞典を引いてもよくわからない。
それに対して酣は、もともと「酒宴のまっさかり。酒を飲んで楽しむ」という意味があり(大修館現代漢和辞典)、わかりやすい。これが、酒を愛するわたしが「たけなわ」を“好きな言葉”にあげた理由である。
ところで、「盛り」があれば「衰え」があるのが世のならい。ピークがあれば、かならず下りがある。下りがあとに続くからピークという、といってもいい。
英語のことわざにも、「どんな良いことにも、かならず終わりがある」(All good things must come to an end.)というのがある。
ドイツには、「一番いい時に帰るべし(Wenn es am schoensten ist, soll man gehen!)」という言葉があるという。例えばパーティなど、長居しすぎないよう気をつけよということであろう。
ところがわたしなど、楽しく酒を飲んでしまうと、一体いつが「酒宴のまっさかり」なのか見分けがつかなくなる。結局最後までねばり、あとで後悔する。
広辞苑で「たけなわ」を引くと、もう一つの意味が載っている。それは「少し盛りを過ぎたさま」である。
ピークとピークを少し過ぎた頃合(たけなわ)を敏感に察知できてこそ、“人生の達人”になれるのかもしれない。
2007.6.20 (ドイツ語協力:北村孝一氏)
漢字を当てると、「闌」または「酣」。闌には「手すり(欄)、みだりに」という意味もあるようだが、それと「一番の盛り」という意味とどういうつながりがあるのか、2、3の漢和辞典を引いてもよくわからない。
それに対して酣は、もともと「酒宴のまっさかり。酒を飲んで楽しむ」という意味があり(大修館現代漢和辞典)、わかりやすい。これが、酒を愛するわたしが「たけなわ」を“好きな言葉”にあげた理由である。
ところで、「盛り」があれば「衰え」があるのが世のならい。ピークがあれば、かならず下りがある。下りがあとに続くからピークという、といってもいい。
英語のことわざにも、「どんな良いことにも、かならず終わりがある」(All good things must come to an end.)というのがある。
ドイツには、「一番いい時に帰るべし(Wenn es am schoensten ist, soll man gehen!)」という言葉があるという。例えばパーティなど、長居しすぎないよう気をつけよということであろう。
ところがわたしなど、楽しく酒を飲んでしまうと、一体いつが「酒宴のまっさかり」なのか見分けがつかなくなる。結局最後までねばり、あとで後悔する。
広辞苑で「たけなわ」を引くと、もう一つの意味が載っている。それは「少し盛りを過ぎたさま」である。
ピークとピークを少し過ぎた頃合(たけなわ)を敏感に察知できてこそ、“人生の達人”になれるのかもしれない。
2007.6.20 (ドイツ語協力:北村孝一氏)