興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

わたしの ‘玉手箱’

2016-12-29 | 随感・偶感・歳時感

セルロイド製の裁縫箱です。

ある方のブログを見ているとこれに似たものが載っていて、わたしも同じようなものを持っているのを思い出し、引き出しの奥から取り出してきました。(写真)

自分の記憶が間違ってなければ、たしか小学校四年生のときに買ってもらったものです。
(「家庭科」の授業で雑巾を縫った)

ということは、その時からもう数十年<適当にご想像ください>経ったということになります。
(白っぽい半透明の部分が黄ばんでしまっている)

針山に縫い針、糸、糸切りバサミ、指ぬきを入れていたのでしょう。

「指ぬき」っておもしろい名前だなあ、とそのとき思ったのを今も覚えています。
‘指を抜く’ と思ったからです。今辞書を引くと「指貫」という漢字があてられていて、これなら、まあ、分かります。

この指ぬきを中指の第二関節にはめて針の頭を押さえ、人差し指と親指で針を持ち、縫っていきます。

縫い始めの糸の端には結び目を作り、糸が布から抜けてこないようにし、縫い終わりは針に糸を二度ほどからませて、そのまま針を引抜くと糸が結ばれた形になります。そして、糸切りバサミで糸を切って終わりです。

わたしは小さいころから、よく針仕事をしていた母を傍で見ていたせいか、この辺のことがすぐにできましたが、なかなかできない子もいたようです。

「となりにすわっていたミキオくんが、運針ができなくて、シクシク泣き出したの」
と、わたしと同世代の家内が、わたしがこの裁縫箱の話をすると家庭科の時間を思い出して、話してくれました。
「まごまごしているので、となりから何度も教えてあげたのに・・・」

その当時はすでに、「裁縫は女がするもの」という考え方ではなく、男子も女子と同じように「家庭科」を習い、裁縫の授業を受けていたのですね。

ただ、わたしの場合、その後の長い人生で2~3回針と糸を使ったことがあるものの、雑巾を縫ったこともなければ、ボタンを付けたこともありません。(自慢にならないって)

 

 

   

この裁縫箱を開けてみると、入っていたのはバッジ類でした。

小学校、中学校、高校の校章に書道でもらったバッジ、「おもしろブック」「THE ENGLISH WORLD」バッジ(雑誌の景品か)、わたしの卒業校でないバッジ(姉のものか)、赤十字奉仕團、衛生管理委員のバッジ(父か母のものでしょう)まであります。

浦島太郎は、龍宮城からもらってきた玉手箱を開けると、若者から一気におじいさんになってしまいましたが、わたしはこの ‘玉手箱’ を開けると、一気におじいさん(とは言いたくないが)から少年にもどってしまったのでした。

http://blog.goo.ne.jp/hiranoumi/e/6bbc912aee4d36a72b9b06c7b242666b


一日遅れのクリスマスケーキ

2016-12-25 | 季節の移ろい

家内が今日(25日)作ったクリスマスケーキです。

ほんとうはクリスマスイブ(きのう)に作るのが普通なのでしょうが、明日の来客を見越して今日になった次第です。

子供たちが小さくて家にいるころは、イブにはかならずケーキがありました。
キリスト教信者でもなく、神様に敬虔な祈りを捧げるわけでもないのに、クリスマスイブというものがやってきて、その日はケーキがありました。

ケーキは、家族団欒の一つの象徴だったのですね。

サンタクロースのプレゼントを期待して、靴下を枕元に置いて寝る・・・それができること、これも幸せの一つの形でしょう。


実は大昔、わたしが小さかったころ、イブが明けた朝、お菓子が一つ枕元に置いてあったことを今でも覚えています。

普段の駄菓子とは違う、乳白色の衣をまとった少し凝ったお菓子でした。味もそれまで食べたこともないものでした。

きっと、両親が奮発してくれたのでしょう。

サンタクロースの存在を信じる ‘夢見るころ’ が過ぎても、温かい思い出は、生きているかぎり、なくなることはないのですね。


大根の収穫

2016-12-24 | 美酒・美味探訪

菜園から大根を収穫してきました。

 

 

 

   

三浦大根です。

 

 

 

   

三浦大根は、首は細くても胴体が太いのが特徴。

だれかの体形に似ているなあ。(まず自分の腹を鏡で見たほうがいいでしょう)

それはともかく、わが家の菜園の三浦大根は、大根葉がとても大きい。
この大根葉が美味しいのです。

 

 

     

細かくきざんで、薄塩で炒めるだけで、美味しいおかず・つまみの一品になります。

ビタミンが豊富。繊維もたっぷりです。


神田駅前夕景

2016-12-17 | 散歩、時々旅

忘年会で、神田まで行ってきました。

写真は都営バスのバス停、「神田駅前」です。時間は夕方5時過ぎ。

 

 

 

   

上の電車は中央線。御茶ノ水方面行き(だと思います)

この辺は昔からあまり来ないので、よく分かりません。

写真を撮っていると、
「京浜東北線に乗りたいんだけど、どこに行ったら・・・?」
と、年配のおばさんに聞かれました。

「あそこの明るいところが神田駅北口だから、そこでいいと思いますよ」
と、上の写真の右側の明るいところを指さして、教えてあげました。

なぜなら、わたしが神田駅をそこで降りて、ここまで来たからです。

 

 

 

     

上の高架が東北・上越新幹線です。

上野から東京への延伸が1991年とのことですから、それからもう四半世紀経つわけですね。

さすが都心区間は、壁面が上に高く伸びていて、防音構造がしっかりしているようです。

 

 

   

お花屋さん。

店先にポインセチアが出されているのは、クリスマスが近いからでしょう。

 

 

 

     

忘年会はここ「吉乃川酒蔵」でありました。

古くからの友人たち6人が集まりました。


わが家の手作りハム

2016-12-14 | 美酒・美味探訪

空気の冷たい季節を迎え、わが家では今年もハムを作りました。

豚ロース生肉に、塩、砂糖と各種ハーブ類、たっぷりの胡椒を揉み込み、密封したビニール袋に入れ、冷蔵庫で一週間寝かせる(水分がにじみ出てきて、味が浸透する。毎朝晩天地変え)




   

そのあと流水で3時間塩抜きをし、乾燥させてからようやく燻煙。(3時間)

(塩・胡椒などの揉み込み作業と、塩抜きしてから晒に包み、タコ糸でキリリと巻き締める作業<つまり力仕事>がわたしの担当)

燻煙のあと、摂氏70度のお湯で1時間半、沸騰させないように慎重にボイルする。
さらに乾燥を兼ねて、一晩寒風(外気)にさらします。

ハム作りは結構手間と時間ががかかるのです。

 


 

   

出来たてを、さっそく燗酒のつまみに・・・。
形はともあれ旨味が濃く、燻蒸香は市販のどんなハムより高い。(手前味噌)

酒は、燗が旨い麒麟山純米酒。

http://blog.goo.ne.jp/kyusan2/e/8b14db8a3f7bae7bd0c49265d8bd2f55


谷中、上野経由、浅草居酒屋巡り

2016-12-09 | チラッと世相観察

上野の東京都美術館で、「ゴッホとゴーギャン展」を観てきました。

この日は、美術通、下町通、居酒屋通の古くからの友人と日暮里駅で待ち合わせをし、谷中から上野、そして浅草を巡ったのです。

 

 


   

足は、この台東区循環バス「めぐりん」。

台東区内の鉄道駅や公共施設、観光名所をきめ細かく巡るバスで、これを覚えると下町、とくに上野、浅草界隈を回るのがとても楽になります。
同行の友人の案内で、初めて乗りました。

もともとはこのバス、病院や役所に行く地元の人たちの利便のために導入されたのではないでしょうか。
路線もたくさんあり、それぞれ本数も豊富で(15分に1本くらい)料金も安く(一回100円)、さすがに人口の多い東京は違うな、と思わせられます。

目指す商店街にも容易に行くことができるでしょうから、地方で抱える「買物難民」の問題も、ひょっとしてここでは無縁かもしれません。

台東区民でなくても乗れるので、この地区の名所巡りにも便利です。

以前、台東区竜泉の「一葉記念館」に行って、土地勘がないので、行き帰りにずいぶん時間がかかったことがありました。この「めぐりん」で行けば、比較的容易に行けそうです。

 

 

 

  

浅草の浅草寺。

「ハナ、トゥル、セッ」
と写真を撮っているカップルがいました。韓国から来た観光客のようです(いち、にぃ、さんの意)

韓国だけでなく、さまざまな国から来た外国人観光客もたくさん見かけました。もちろん国内からの観光客もいることでしょう。

ついでながら、今審議中の ‘カジノ法案’ は、観光立国を目指す日本にはカジノの解禁が必要だとして進められているわけですが、日本にはすでにこんなにたくさん、観光客が来ているではありませんか。

カジノそれ自体はゼロサムゲーム、つまり得をした人の分は損をした人の分がそこに移転しただけで、なんら新しい価値を生み出していない(損と得を足すとゼロになる)
むしろ治安の悪化やギャンブル依存症の人の増加を招きかねないなど、副作用のほうが大きいとわたしは思います。

ホテルやサービス産業を含む ‘統合型リゾート’ としての価値が生まれるともいいます。
しかし世の中のことは概して、「儲かればいい」「金(カネ)になればいい」というものではありません。
金さえ入れば、例えば、武器を売ってもいい、原発を動かしてもいい、刑法で禁じている賭博を解禁してもいいという意見には、わたしは与しません。

ちょっと脱線しました。
でも、日本への外国からの観光客を増やすためには、日本の美しい自然や日本ならではの文化、国民性という日本が本来持っている魅力的な価値を、広く世界に知らしめていくことのほうが本道であろうと考えます。

 

 


   

さて、同行の友人の本来の目的は「ゴッホとゴーギャン展」でした。一方、わたしのメインの目的はこちら、浅草の居酒屋巡り。

上は「さくま」。

 

 

   

次に行ったのが「ぬる燗」。

 

 

   

そして「志婦や」。

「三軒も行ったのかい」といわれそうですね。
ハイ、われながらあきれています。

でも、浅草の居酒屋は水準が高いですね。どこもたいへん満足することができました。

今日から、飲み過ぎに気をつけます。


下る電車

2016-12-05 | 散歩、時々旅

JR池袋駅の埼京線ホームから見た、山手線外回り電車です。

大塚方面に向かう電車が、どんどん下に下がっていきます。

といって、このまま地下にもぐるわけではありません。
このあとゆっくり右にカーブを切りながら、埼京線の下をくぐるのです。

これは、‘下り電車’ ならぬ ‘下る電車’。

 

 

 

    

池袋駅西口(東武百貨店側)に降りて、近くまで行ってみました。

ちょうど、大塚方面からの内回り電車がやってきました。
これは ‘上る電車’ です。