「妖怪道中膝栗毛シリーズ・全7巻」(あかね書房)が昨年大好評のうちに終わり、ファンの熱い要望に応えて、新しく「妖怪道中三国志シリーズ」が創刊されました。
新シリーズの第一巻は、
『妖怪道中三国志・1 奪われた予言書』です。
舞台は前シリーズの江戸時代から、なんと西暦三世紀の中国、三国時代に一気に飛びます。
登場するのは同じく、蒼一、夏実、信夫の三人。
今回三人は、信夫の祖父で歴史学者の佐山博士が、‘予言書’といわれる幻の歴史書、『幻書三国志』の原本を発見したことをきっかけに、三国時代に行くことになります。
『幻書三国志』中の「赤壁の戦い」の巻が、三国時代から来た妖怪と思われる男に盗まれ、歴史が塗り変えられてしまう恐れがあったからです。
秘密の使命を帯びた蒼一たちは三国志の世界に入り、天才的な軍師、諸葛亮孔明や天下無敵の豪傑、張飛などに出会います。そして、とんでもない事件に巻き込まれていきます。
作者、三田村信行氏の筆はますます快調。画家の十々夜(ととや)氏の臨場感あふれる絵とともに、読者を物語の世界にぐいぐい引き込んでいきます。
「三国志」の時代背景や登場人物、歴史的に有名な出来事も、ストーリー展開の中で分かりやすく説明が加えられています。
おもしろく読んで歴史通になれる一冊です。
定価(本体1,200円+税) あかね書房
http://www.akaneshobo.co.jp/search/info.php?isbn=9784251045218