興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

皇帝の名を冠した花

2024-11-25 | 季節の移ろい

本ブログで一年前に記事としてアップした皇帝ダリアを、今年も見に行ってきた。

今年も去年に劣らず見事に咲いていた。大きいものは、高さが5メートルは優にありそうである。







    

デジタル大辞泉によると、「皇帝」とは「天子または国王の尊称」とある。
また「『皇』は美しくて大であること、『帝』は徳が天に合する」という説明もあった。

「合する(がっする)」という言葉は初めて知ったが、徳が天に合するとは「天に恥じないすぐれた品性と風格を持つ」というくらいの意味であろう。

なるほどこの花にふさわしい名前である。

わたしなどさしずめ「後亭(こうてい)(尻に敷かれて目立たない亭主<わたしの造語>といったところであろうか。


デカ白菜がやってきた

2024-11-24 | 菜園の四季

菜園に5日ぶりに行くと、白菜がこんなに大きくなっていた。
まるまると太って、結構、結構。

重さはなんと5・7キロ。
重さを計るため、抱えて体重計に乗るのもたいへんだった。(あとでわたしだけの体重を引く)

写真の野菜は白菜から時計回りに、チンゲン菜、ホウレンソウ、キャベツ(虫食い部分をカットしています)、ブロッコリー、九条ネギ。

これから鍋と漬物が増えそうだ。


タケノコイモを収穫

2024-11-16 | 菜園の四季

わが家の菜園に、タケノコイモの収穫に行ってきた。

先日試しにひと株だけを掘ってみたら、親芋と子芋のいくつかが根腐れしていたので、気になりながら・・。

まず茎と葉を切り取り(上の写真)、根のわきの左右の土を深く掘っていく。
根がグラつくまで掘り進んだら、シャベルを根の下に突っ込み、テコの原理を使って、親芋、子芋ともども、根全体をグイと持ち上げる。

プチプチプチと、地中に残っていた細い根が切れる音がする。

こうして根こそぎ収穫。

 

 

 

   

収獲したタケノコイモ。
見ると、この日収穫したものには、ほぼ根腐れは無いようだった。よかった、よかった。

親芋の大きいのは長さが40センチほどもある。今年は去年より全体に大きく、たくさん育った。成功である。

親芋、子芋それぞれに、根と茎の一部をつけたまま収穫。

 

 

   

先日掘った穴に、根の付いたほうを上に、茎の付いたほうを下にして埋める。
生っていたときと上下逆にする。どうしてこうするのか分からないが・・。

このほうが収穫後の熟成が進むのかもしれない。

オレンジ色の袋に入っているのは、小さい子芋。来年用の種イモにする。


わが家の菜園、今年のタケノコイモは?

2024-11-10 | 菜園の四季

菜園のわきに穴を掘ってきた。

近ぢか収穫予定のタケノコイモ(里芋の一種)を、収穫後に埋めておくための穴だ。

去年も同じように穴を掘り、収穫したタケノコイモを三週間ほど埋(い)けておいた。
こうすることにより、タケノコイモを地中でさらに追熟させる意味もあり、保存の意味もある。(一度に食べられないので)

 

 

 

   

これが今年のタケノコイモ。

背丈も葉も大きくなり、去年より順調に育ってきた。

 

 

 

   

さぞ大きなイモができているだろうと、菜園管理者の家内は待ちきれず、一株掘ってみた。
すると、なんと、残念なことに親芋と子芋の一部が、根腐れしているではないか。

楽しみに育ててきたのに、がっかりである。

これから収穫するほかの株は、はたしてどうなのか。12月初めに収穫する予定だったが、来週にも残りを収穫してしまうようだ。

 

 

   

菜園から収穫してきたキャベツ、チンゲン菜、水菜。

こちらはきれいに育っている。


美酒と美堂:福島の旅2024後編

2024-11-01 | 散歩、時々旅

男性4人での福島・一泊車旅。今回はいわき市、小野町、平田村の辺りを旅した。

前編に続き、この後編では宿泊した小野町「小町温泉 太田屋旅館」からご紹介したい。

上の写真は到着日の太田屋旅館夕食。

料理のメインは、豚肉、野菜、豆腐などがたっぷり入ったチゲ鍋。

写真には写ってないが、手元の料理にプラスして、作り立てのカレイの煮つけとカボチャの煮物が、あとで運ばれてきた。温かいうちに食べてほしいという配慮なのであろう。

ケースに入ったビールの左にあるのは、女将からのプレゼントの酒。
昨年に続き、再び訪れてくれたお礼に、とのことだった。

 

 

 

     

それは福島県天栄村・松崎酒造の「純米吟醸 廣戸川 銀牡丹」。

酒に詳しい同行者によると、松崎酒造は美酒 “廣戸川(ひろとがわ)” で全国に名をはせた蔵だという。

呑兵衛で酒には詳しいと自負しているわたしではあるが、廣戸川は寡聞にして知らなかった。

その廣戸川のなかでもいちばん高価な「銀牡丹」を、女将はさりげなく準備してくれていたのだ。

飲んでみると、素直でやわらかく、クセのないたいへん美味しい酒であった。

 

 

 

   

翌日の朝食。

玉子と納豆に塩鮭、漬物。定番の朝ご飯である。

前夜飲み過ぎ、食べ過ぎたのに意外に空腹感があり、ご飯もおかわりして美味しくいただいた。




 

 

   
  

宿をゆっくり発ち、一泊旅の二日目、最初に行ったのは夏井川渓谷。

夏井川は福島県の南東部を流れる二級河川。
中流部に上の写真のような岩場の渓谷が長く続いている。紅葉時期など山と川の織りなす美しい景観を求めて、たくさんの人が訪れるという。

今回のわれわれの旅では、紅葉の盛りにはまだ少し早かった。

 

 

 

   

このあと訪れたのはいわき市小川町の、草野心平記念文学館と草野心平生家。
上の写真は草野心平生家。

文学館では、心平の詩の代表作いくつかをパネル展示するとともに、心平の作品世界と85年の生涯、文学者たちとの幅広い交遊関係などが表現されていた。

心平みずからが経営していた居酒屋の復元などもあり、興味深い展示内容であった。






 

 

   

昼食は同じく小川町の「蕎麦 たじま」。

手打ち・出来たての新そばは、コシがあって香りがあって、とても美味しかった。

そばは食べやすいようにという客への配慮からか、あらかじめ短めに切ってあった。
そばは長いのをズルズルズルと、音を立ててすするのが旨いのだ(旨えんだ)、と ‘江戸っ子’ には言われそうだが・・。




 

 

   

次に寄ったのはいわき市の「吉野谷(よしのや)鉱泉」。

古い大きな木造家屋の奥に湯船があって(上の写真)、湯は鉱泉を沸かしていた。
主人と思しき男性がいて、一人でやっているようだった

宿泊もできるということで(素泊まり)、リュウマチや神経痛などによく効くと、遠くから来る常連客もいるとのことだった。

普通の温泉宿とは一味も二味も違う、ユニークな湯場である。





 

 

   

最後に行ったのは、「願成寺(がんじょうじ) 国宝 白水阿弥陀堂(しらみずあみだどう)」。
平安時代後期の代表的な阿弥陀堂建築で、福島県唯一の国宝建造物である。

国宝という先入観があったからかもしれないが、何よりも建物全体のフォルムがシンプルで、非常に美しいと感じた。

屋根がゆるやかで優美な曲線を描いていること以外に、余計な飾りが一切ない。簡素な美そのものである。

   

ただ、この簡素な美、それ自体がこの白水阿弥陀堂の国宝指定の理由かどうかは、わたしには分からない。


今回も充実した福島旅であった。


写真協力:Y.T.氏

郷土への愛と誇り:福島の旅2024前編 - 興趣つきぬ日々