ここ数年、年に一度この時期に、新潟産コシヒカリの新米を取り寄せている。
今年は全国区ブランドの「魚沼産のコシヒカリ」を取り寄せてみた。
今は全国各地に美味しいお米ができているので、とくに新潟産米にこだわることもないのであろうが、新潟出身のわたしとしては、ついこだわってしまう。
何年か前にこんなことがあった。取り寄せたコシヒカリをさっそく炊いて、一口、口にしたとき、
「あ、これ、小さいときに食べていたご飯の味だ」
と素直に思ったのだ。
ネットでちょっと調べてみると、わたしが小さいころ(昭和30年代)は、まだコシヒカリが銘柄米として確立・普及はしていなかった。
また、決して豊かではなかったわが家が、‘ふだん米’ として、普及前の特別米を買えるわけもない。
ということは、米どころ新潟では、庶民も昔から、美味しい米を日常的に食べてきたのではないかと思う。
「御託はそれくらいにして、今年の魚沼産コシヒカリはどうだったの?」
と言われそう。
それに答えるとすれば、正直なところ「美味しかった」としか言いようがない。
あえて付け加えれば、つぶ立ちがしっかりしていて、甘みあり、香りあり、もっちり感があり、さらに ‘しっとり感’ もあると言っておこう。
ところで、話題はガラリと変わるが、ここ数日間、腹が立ってしかたがない。
菅(すが)政権が、日本学術会議へ強権的な人事介入をした問題である。6人の学者を任命拒否した理由を、具体的に言わないことに対してである。
もし安保法制や ‘共謀罪法’ などに反対してきた学者だから、その口をふさぎたい、ということであれば、それは権力による言論弾圧以外の何ものでもない。
そうでないとすれば、きっちりと丁寧に、具体的に、分かるように説明してほしい。
国民のために正しいことをしているという自信があれば、また歴史に対しても恥ずべきところはないという信念があれば、政権はもっと率直で、オープンなはずである。