興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

半兵衛より清兵衛

2010-04-30 | 余白の創作ことわざ

*写真はソウル清渓川わきの歩道にある方角案内板。本記事とは関係ありません。

「余白の創作ことわざ」の第5回です。

半兵衛より清兵衛  はんべえよりせいべえ

<意味>
自分のまちがいや失敗は、 「知らぬ顔の半兵衛」 を決めこまず、 「正直清兵衛」 となって、素直に認めたほうがよい。
正直清兵衛とは、落語 「井戸の茶碗」 に登場する正直者の清兵衛のこと。 名前をちょっと拝借しました。

<さらに一言>
ふた月ほど前に訪れたある居酒屋でのことです。
その店はそのときが二回目。 馴染みの店ではありませんでした。

お店のおねえさんに頼んだ二本目の燗酒が、なかなか手元に来ません。
おねえさんは先ほど、カウンター内にあるお湯の燗つけ器に徳利を入れ、そのまま忘れてしまったようです。
わたしは、ちょっと気位の高そうなそのおねえさんにあえて催促せず、ジッと待っていました。

しばらくして、ようやく持ってきた徳利をわたしの手元に置くと、おねえさんはすました顔でこう言いました。
「熱いの、嫌いかな?」
「・・・?」

徳利を持ってみると、やはり超飛び切りの熱燗です。 マア、飲んで飲めないこともありませんが・・・。
おねえさん、自分が燗(つ)け忘れていたことを言わず、知らぬ顔の半兵衛を決めこんだようです。

「酒、熱過ぎるよ!」
と、わたしがそこで文句を言ったと思いますか? 言わなかったと思いますか?
ハイ、言わなかったのです。

(肴もいいし、酒もわざわざお湯で燗つけてくれる店なのにナア)
と思いながら、気弱なわたしはその店に今度また行こうという気持ちが、今すっかり萎えてしまっています。
お湯で燗をすると酒がさめにくく、しかも美味しい

<もう一言>
「コメンナサイ、ちょっと燗け過ぎたみたい」 とでも、ひと言いってくれれば良かったのにねえ・・・。
「商いは正直が第一」 と昔からいうじゃないですか。

*「余白の創作ことわざ」は毎月月初めに掲載します


誰にも気付かれず

2010-04-29 | 季節の移ろい

庭にスズランの花が咲きました。

すみにあるユーカリの木の陰で、ひっそりと・・・。

 咲け、誰も気付いていないかのように

アルフレッド・D・ローザという人の詩を、思い出しました。 これはその詩の一節をもじったものです。
                           (「愛せ、一度も傷つけられていないかのように」)


唐突ながら、「咲け、誰も気付いていないかのように」 を、韓国語に訳すと、

 피으라, 아무도 눈치 채지 않은 것처럼

ということになるでしょうか。

http://blog.goo.ne.jp/kyusan2/e/556ede789faa3ae3718786a09536f808


芽吹きの並木道

2010-04-23 | 季節の移ろい

千駄ヶ谷駅前のイチョウ並木です。

葉が萌え出してきています。





幅が1~2センチの葉も、しっかりイチョウの葉の形をしていました。






こちらは阿佐ヶ谷駅前。 ケヤキの並木です。

やはり葉がつき始めてきたところ。 季節の移ろいは都会にいても感じられますね。


千駄ヶ谷と阿佐ヶ谷、この日は 「谷」 を渡り歩いてきました。





こちらは阿佐ヶ谷の 「いちょう小路」 です。

イチョウの木ではなく、赤提灯が並んでいました。


若葉のころ

2010-04-17 | 季節の移ろい

深夜の雪から替わった雨がようやく上がり、午後から日がさしてきました。

木々の芽吹きがひときわ美しく感じられます。






桜も8割方散りました。

 芽吹きを見 桜しずかに 八分散り   (余白)


桜も、実は自分の葉が萌え出てきているのですけどね。


雪が降りました

2010-04-17 | 季節の移ろい

朝起きてみたら、雪が積もっていました。

ここは関東南部。 もう四月中旬なのに、びっくり・・・。


せっかく咲いたチューリップも花びらを閉じ、うなだれてしまっています。

  立ちあがれ チューリップ!







車にもこの通り。

6時過ぎ、雪は雨に変わっています。 今日一日、冷たい雨が降り続くのでしょうか。


ブラックデー

2010-04-14 | 韓国文化垣間見

짜장면  チャジャンミョン

韓国風ジャージャー麺です。

4月14日は、韓国ではブラックデーといってバレンタインデーとホワイトデーに縁のなかった人が、この真っ黒なジャージャー面を食べる日なのだそうです。

縁のなかったわたしは、新大久保のコリアタウンに行って、実際に食べてきました。
JR新大久保駅から、大久保通りを東へ歩いて3分のデバク飯店です。



実は、昨年8月にこの店に来て、このジャージャー麺を食べたのですが、初めての韓国ジャージャー麺体験で興奮し、写真撮るのを忘れてしまったのです。

今日は、そのリベンジ撮影を兼ねていました。

ゆでた麺の上に黒い餡(あん) がかかった韓国風ジャージャー麺。
餡は黒味噌をベースに細かくきざんだタマネギ、キャベツなどの野菜と、やはり細かくきざんだ豚肉少々を炒めたもののようです。

とても甘い味が出ているのは、タマネギの甘みだと思われました。

店員さんに聞いてみると、ここではブラックデーだからといって、例年特に若い客が増えることはないそうです。
日本では定着していない習慣なのですね。

わたしは来年もまた来ることでしょう。

http://blog.goo.ne.jp/kyusan2/e/ef68bdafdc2101c1bf86908dc3172750


花吹雪

2010-04-10 | 季節の移ろい

風が吹くと、花びらが舞い散ります。

美しい盛りに散る、その潔さも桜の魅力ですね。




 




花筏 (はないかだ)

花びらはどこまで流れていくのでしょうか。




 




 ♪ 咲いた 咲いたぁ

わが家のチューリップも咲きました。


渋谷スペイン坂

2010-04-07 | チラッと世相観察

渋谷のスペイン坂です。
若者(わかもの) と、外国人観光客の街でした。

若者の、派手なファッションの似合う街でもあります。
若いというより童顔の人たちもたくさん見かけます。 中学生、高校生も、着替えてここに来ているのにちがいありません。

新宿、池袋ともかなり違う。 地味なジャケット姿のおじさん(わたし) には、やや居心地のよくない街でした。


街角に、「この付近にはたまらないように」 という看板を見つけました。
夜など、この辺に若者たちがたむろするのでしょう。

「たまる」 という言葉は物に使うものと、これまでわたしは思っていました。
「カネがたまる」 とか、「仕事がたまる」 とか、「耳垢がたまる」 とか・・・。

人も 「たまる」 のですねえ。


「やさしい嘘と贈り物」

2010-04-03 | 時には芸術気分

映画 「やさしい嘘と贈り物」 を観てきました。 (シネスイッチ銀座)

一人暮らしの老紳士ロバートは、向かいに越してきたチャーミングな老婦人メアリーに食事に誘われます。

デートを重ねるうち、ロバートにとってメアリーは、かけがえのない存在になってきます。
やがて・・・。

熟年カップルの純愛物語であり、家族愛の物語でもあります。 ラストには涙が止まりませんでした。

ネタばれになるので、観にいかれる方は何の先入情報もなく行かれるとよいでしょう。映画評はもちろん、できればポスターのキャッチコピーさえも読まずに・・・。





 

街角で、道の向こう側をのぞき見している少年を見つけました。
裸で、手に弓矢を持っています。

 



近づくと、少年はわたしにこう言って口をとがらせました。

「ぼく、小便小僧じゃないんだからね」
「・・・・・」

愛のキューピッドは、人の心も読むようです。 (銀座四丁目「天賞堂」角にて)