上の写真、前列の二つは韓国の清涼飲料水です。
左はナツメ茶、右は‘お米のジュース’。
その後ろにあるのは、日本のビール。(見りゃ、分かるよ)
二つの缶入り清涼飲料水は、韓国に行って買ってきたのではありません。
先日、四谷の韓国文化院に行った折、そこの自販機で買いました。
ナツメ茶は韓国の伝統茶として有名ですね。甘くてやや酸味のある、美味しい飲み物です。
胃腸の働きを高めたり、コレステロールを下げる効果があるそうです。
しかし、米のジュースとは、なんとめずらしいことか。わたしはその存在を初めて知りました。
飲んでみると甘酒のような、マッコリのようなおコメ系の味で、結構甘みもあり、とても美味しいと感じました。
かすかに「おこげ」のような香ばしい香りもして、小さいころ郷里の新潟で食べた‘ドン焼き’(生の米を専用釜で焼いた駄菓子*)を思い出しました。
古い話ですが、わたしが小さいころには、ドン焼きのおじさんがドン焼き用の圧力釜をリヤカーに積んで、やってきたものです。
近所の原っぱ辺りにリヤカーを止め、家から米を持っていくと、その釜に入れて焼いてくれるのです。
ほかの子どもたちも集まってきていました。やはり米を持ってきたのです。
おじさんは子どもたちの米を集めて、まとめて一度に焼きます。
(米を客が持参するというところが、時代を感じさせますね)
その釜は密閉釜なので、蓋をして下から薪を焚いて熱すると、中の空気圧がどんどん上がっていきます。
しばらくして、焼き上がった頃合いを見計らったおじさんは、周りを取り囲んだ子どもたちに、
「もっと離れてろ」
と命じると、固く閉じた釜蓋のバルブをゆるめるため、ハンマーでガンガンとバルブの取っ手をたたき始めました。
すると、突然ドーンという大きな音がして蓋が開き、中の焼かれた米が、蓋の外に横長におかれていた大きな金網カゴの中に、ドッと飛び出してきたのです。
出てきたコメは、一粒一粒がもとの倍以上にふくらんでいて、焦げた香ばしい香りを放ちました。
蓋が開くと同時に空気圧が一気に下がり、蒸された米が一瞬のうちに膨張したのですね。
そのドーンという音からドン焼きといったのだと思うのですが、それは戦後の、これといった菓子のなかった時代、子どもたちにとっては最高のオヤツだったのです。
韓国の米ジュースのわずかに香ばしい焦げの香りは、わたしに遥か昔のドン焼きの香りを思い出させてくれました。
昔話はこれで終わりです。
ちなみに上の写真の、缶のハングル文字は、가을 대추が「秋のナツメ」とう意味で、아침 햇살は「朝の日差し」という意味です。
2014.4.27
*「ドン焼き」という名前だったか、違う名前だったか、大昔のことなので実はよく覚えておりません。ネットで調べると、「ポン菓子」「ドン菓子」というのがそれにあたりますが、当時のわたしの田舎(新潟)では、少なくともポン菓子、ドン菓子とは言っていなかったことだけはたしかです。