興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

美酒と美堂:福島の旅2024後編

2024-11-01 | 散歩、時々旅

男性4人での福島・一泊車旅。今回はいわき市、小野町、平田村の辺りを旅した。

前編に続き、この後編では宿泊した小野町「小町温泉 太田屋旅館」からご紹介したい。

上の写真は到着日の太田屋旅館夕食。

料理のメインは、豚肉、野菜、豆腐などがたっぷり入ったチゲ鍋。

写真には写ってないが、手元の料理にプラスして、作り立てのカレイの煮つけとカボチャの煮物が、あとで運ばれてきた。温かいうちに食べてほしいという配慮なのであろう。

ケースに入ったビールの左にあるのは、女将からのプレゼントの酒。
昨年に続き、再び訪れてくれたお礼に、とのことだった。

 

 

 

     

それは福島県天栄村・松崎酒造の「純米吟醸 廣戸川 銀牡丹」。

酒に詳しい同行者によると、松崎酒造は美酒 “廣戸川(ひろとがわ)” で全国に名をはせた蔵だという。

呑兵衛で酒には詳しいと自負しているわたしではあるが、廣戸川は寡聞にして知らなかった。

その廣戸川のなかでもいちばん高価な「銀牡丹」を、女将はさりげなく準備してくれていたのだ。

飲んでみると、素直でやわらかく、クセのないたいへん美味しい酒であった。

 

 

 

   

翌日の朝食。

玉子と納豆に塩鮭、漬物。定番の朝ご飯である。

前夜飲み過ぎ、食べ過ぎたのに意外に空腹感があり、ご飯もおかわりして美味しくいただいた。




 

 

   
  

宿をゆっくり発ち、一泊旅の二日目、最初に行ったのは夏井川渓谷。

夏井川は福島県の南東部を流れる二級河川。
中流部に上の写真のような岩場の渓谷が長く続いている。紅葉時期など山と川の織りなす美しい景観を求めて、たくさんの人が訪れるという。

今回のわれわれの旅では、紅葉の盛りにはまだ少し早かった。

 

 

 

   

このあと訪れたのはいわき市小川町の、草野心平記念文学館と草野心平生家。
上の写真は草野心平生家。

文学館では、心平の詩の代表作いくつかをパネル展示するとともに、心平の作品世界と85年の生涯、文学者たちとの幅広い交遊関係などが表現されていた。

心平みずからが経営していた居酒屋の復元などもあり、興味深い展示内容であった。






 

 

   

昼食は同じく小川町の「蕎麦 たじま」。

手打ち・出来たての新そばは、コシがあって香りがあって、とても美味しかった。

そばは食べやすいようにという客への配慮からか、あらかじめ短めに切ってあった。
そばは長いのをズルズルズルと、音を立ててすするのが旨いのだ(旨えんだ)、と ‘江戸っ子’ には言われそうだが・・。




 

 

   

次に寄ったのはいわき市の「吉野谷(よしのや)鉱泉」。

古い大きな木造家屋の奥に湯船があって(上の写真)、湯は鉱泉を沸かしていた。
主人と思しき男性がいて、一人でやっているようだった

宿泊もできるということで(素泊まり)、リュウマチや神経痛などによく効くと、遠くから来る常連客もいるとのことだった。

普通の温泉宿とは一味も二味も違う、ユニークな湯場である。





 

 

   

最後に行ったのは、「願成寺(がんじょうじ) 国宝 白水阿弥陀堂(しらみずあみだどう)」。
平安時代後期の代表的な阿弥陀堂建築で、福島県唯一の国宝建造物である。

国宝という先入観があったからかもしれないが、何よりも建物全体のフォルムがシンプルで、非常に美しいと感じた。

屋根がゆるやかで優美な曲線を描いていること以外に、余計な飾りが一切ない。簡素な美そのものである。

   

ただ、この簡素な美、それ自体がこの白水阿弥陀堂の国宝指定の理由かどうかは、わたしには分からない。


今回も充実した福島旅であった。


写真協力:Y.T.氏

郷土への愛と誇り:福島の旅2024前編 - 興趣つきぬ日々


郷土への愛と誇り:福島の旅2024前編

2024-10-30 | 散歩、時々旅

先週末、福島県に一泊で行ってきた。

福島の湯と酒と人情を味わおうと、男性4人で毎年秋に行っている恒例の福島・車旅である。

コロナのため2022年だけ休んだが、この旅、今回でなんと13年も続いている。

今回行ったところは、常磐自動車道経由でいわき市と小野町、平田村など福島の浜通りと中通り周辺。

まずは「いわき湯本IC」で下りて、早速その近くの春木屋旅館に日帰り湯で立寄った。まだ朝の10時過ぎである。

広い湯船のとてもいい湯だった。(上の写真)

体を芯から温めると、血流が良くなり疲れが癒されるだけでなく、免疫力が高まり健康にも良いとされる。

家で朝湯はなかなかできないが、われわれの気の張らない自由旅では朝温泉は可能。これは得難い贅沢である。

 

 

 

   

そのあとすぐ近くにある「JRA(日本中央競馬会)競走馬リハビリテーションセンター」へ。
ここには「馬の温泉」がある。

ケガをした競走馬たちがレースに復帰するために、リハビリに励んでいるところだ。
受付わきの表示を見ると、「療養馬」が関西からも数頭来ているようだった。

案内パンフレットを見ると、馬用の温泉やプールのほか、水中のベルトコンベア上を歩く歩行訓練設備もある。
馬のケガは足に多いため、浮力により足先への負担を軽くする水中訓練が有効なようだ。

同時に温泉浴により、馬も調教や競走のストレスから解放されるので、治療効果が上がるとパンフには書いてあった。

われわれがここに着いたのはお昼前だったが、残念ながら馬たちの午前のリハビリタイムは終わっていた。

 

 

 

   

昼食に行く途中、原っぱでキツネを見つけた。この辺りは自然がまだまだ残っている。

 

 

 

   
   

昼食は三宝亭いわき湯本店。お昼をだいぶ過ぎたのに、順番待ちの客が多い繁盛店であった。

五目うま煮めんに餃子。(餃子は4人で分けあった)
ボリュームもあり、たいへん美味しかった。お店がはやるのも納得である。

 

 

 

   

ここは「いわき市石炭・化石館『ほるる』」。

市内で発掘された恐竜等の化石と、常磐炭田の生活の再現という二つの展示テーマを持った博物館である。
スペースも広く、展示内容も豊富であった。

化石に直に触れてみるコーナーや、炭鉱内の様子を立体模型で表したジオラマなど、実感をもって見てもらえるための工夫を随所にこらした博物館である。

市民の郷土への愛と誇り、市の歴史教育への積極的な取り組みが感じられた。

 

 


   
   

このあと、いわき市の太平桜酒造(上)と平田村の若清水酒造(下)に寄り、土産用の酒を購入。
一年のうちでいちばん忙しい「仕込みの時期」でもあり、工場見学や試飲は遠慮した。

 

 

 

   

宿泊は小野町の「小町温泉 太田屋旅館」。

ここは昨年も泊まったところ。
昨年は12月の初めの寒い時期に来たのだが、ストーブに加え、湯たんぽも入れてくれるなど、細かい配慮の行きとどいた宿であった。

車で到着したときには、わたしはまるで家に帰ったようなホッとした気分につつまれた。

長くなるので、太田屋旅館と福島旅二日目の様子は後編として次回記事に。

写真協力:Y.T.氏


楽し嬉し懐かしの新潟旅

2024-06-05 | 散歩、時々旅

新潟に一泊で行ってきた。同窓会出席のためである。

上の写真は新潟市のシンボル、萬代橋(ばんだいばし)
ここ新潟市は、幼少期と若い頃に過ごした、わたしにとっては、特別な町、愛着のこもった町だ。

つぎの予定まで時間があったので、ひさしぶりに萬代橋を見ておこうと、新潟駅から歩いてやってきた。

石造りの風格のある橋である。






  

ゆるやかなアーチ型橋脚がつらなっていて、デザインとしても美しい。

萬代橋は、昔はもっぱら「万代橋」と書かれていたように記憶しているが、今は橋近くの案内板を見ても、すっかり「萬代橋」表記に変わってしまったようだ。
(町名や近くの施設は「万代」のまま)

新潟市としては橋の風格を旧字体に込めたい、という意図もあったのであろうか。しかしわたしの個人的な感覚としては、万代橋のほうが好きだ。

万代橋という文字の字面(じづら)自体に、わたしのさまざまな思い出も愛着もこもっているからだ。

 

 

 

   

近くの新潟日報本社ビル(メディアシップ)20階の展望台から見た萬代橋。
日本一の長江、信濃川の最下流は、たっぷりの水をたたえ、ゆったりと流れていた。

橋のむこう側の繁華街をこえた先には、日本海が見える。

雲がなければ佐渡が見えるのだが、この日は残念ながら佐渡方向の雲がとれなかった。

 

 

 

   

こちらは展望台から北側を見た景観。信濃川の河口が望める。

手前の橋は20年ほど前にできた新しい橋、柳都大橋(りゅうとおおはし)
この橋も、わたしの若い頃にはなかった。

その先、右側に立つ高層ビルは、朱鷺メッセ(見本市や会議を行うコンベンションセンター。ホテルなども入った複合施設)

 

 

 

   

ここは万代シテイバスセンター内にある立ち食いそば、うどんの店。

ここのカレーライスが美味しいことは、市外から来る観光客にも、つとに知られたところ。
わたしも食してみんとて、実は昼時をねらってやってきたのだ。

 

 

 

       

写真はミニカレー430円。

ミニカレーのほかに、中550円、大670円もあったが、食べ過ぎて夜の同期会の宴会に障ってもいけないので、ミニカレーにした。

写真のカレーのわきの黒いものは、わたしの定期券入れ。これで大きさが分かってもらえるだろうか。これでも十分食べ応えがあった。

味はかなり辛(から)いというのが第一印象。タマネギがスライスしたり刻んだりしないままたくさん入っていて、三枚肉も入っていて、甘みと旨みも広がってきた。

評判通りの美味しいカレーであった。・・満足。


同期会は新潟市から車で30分ほどの、月岡温泉のホテルで行われた。
15人ほど集まった会であったが、学生時代には話したことのなかった人とも今回ゆっくり話すことができ、楽しい、うれしい会となった。

 

 


    

翌日帰り際に、新潟駅南口の酒店、ぽんしゅ館で買った鶴の友の4合瓶。
鶴の友は昔飲んで、美味しかったという記憶がある。関東圏では手に入らない。

新潟旅の思い出を反芻しながら、味わって飲もう。


ふらり街中カジュアル散歩

2024-03-21 | 散歩、時々旅

新しいウオーキングシューズを買った。

白い帯を靴の下部にぐるりとめぐらせ、白い靴ひもを使ったシンプルなデザイン。

これは「幸せへのまわり道」というアメリカ映画のなかで、主人公を演じたトム・ハンクスがはいていた靴と同じデザインだ。

「あの靴いいなぁ」
と思い、似たものを探して、この三か月ほど、外出のついでに靴チェーン店やデパートなどをあちこち見てまわった。

しかし、思い通りのものを、なかなか見つけることができなかった。

ところが先日、期待せず入ったスーパー兼ホームセンターで、たまたま見つけたのが上の靴である。

ただトム・ハンクスの靴が、たしか濃紺だったのに対し、これはグリーンで期待通りのものではない。
でも、これはこれでいい色だし、まあいいかと思いなおした。

 

 

 

   

これは長くて細いわたしの足。(写っている範囲がせまくて、長いか細いか分からん)

 

 

 

   

着脱時、靴ひもを解いたり結んだりするのが煩わしいので、靴ひもの上部を緩めに結び、小さい靴ベラをポシェットに入れて持ち歩くことにした。

この靴は運動靴風ではなく、カジュアルでありながらすっきりとしたデザインなので、都心部でも歩けそうである。

東京下町散歩、都内路線バスの旅、博物館・美術館巡りに寺社巡り・・街中(まちなか)にはいろいろ楽しいところがありそうだ。

“酒場放浪” なんてのもいいなぁ。(カネのかからんところを頼んます)


*映画「幸せへのまわり道」
  幸せへのまわり道 : フォトギャラリー 画像 - 映画.com (eiga.com)


鍾乳洞初体験:福島の旅2023後編

2023-12-07 | 散歩、時々旅

友人たちとの福島一泊旅。二日目は小野町からとなりの田村市に入り、「あぶくま洞」に寄った。

あぶくま洞とは、1969年(昭和44年)9月に田村市滝根町の石灰岩採掘現場で、採掘中に偶然発見されたという鍾乳洞。

ここでは、現在確認されている3000メートル以上の長さの鍾乳洞の一部、700メートルほどを、洞内観察の有料公開コースにしている。歩いて約1時間ほどの、見学兼観光コースだ。

上の写真はあぶくま洞入口付近の山の景観。

山腹全体に、削られたような白い岩石が山肌の表面に無数に飛び出ている。この辺一帯がかつては石灰岩採掘場だった跡だろうか。

 

 

   

ここは鍾乳洞入口から入って、少し歩いてきたところ。

鍾乳洞は、二酸化炭素をふくみ酸性化した雨水や地下水が、石灰岩層に浸み込み、浸食が進み、気の遠くなるような年月をかけて造り上げた大自然の造形である。

わたしは鍾乳洞を写真や映像で見たことはあったが、直に中に入り、現物を目の当たりにしたのは今回が初めて。その意味では貴重な体験であった。

 

 


   
   

照明も、場所により違う色でライトアップされている。
白磁の滝、妖怪の塔など、場所の特性や鍾乳石の形により、興味深いネーミングをほどこしていた。
鍾乳洞のでき方を教える解説板も見られ、見学者を惹きつけるさまざまな工夫がなされているのが、見てとれた。

 

 

   

ただ、正直なところ、日頃運動不足の老人(わたし)にとってはたいへんしんどいコースでもあった。
コースには比較的広いところ、天井の高いところもあるが、狭いところ、かがんで歩かなければならない天井の低いところがあちこちにあった。

岩に頭をぶつけつつ、同行の友人にリュックを持ってもらったり、手を引っぱってもらったり・・。
汗だくになってやっと出口に近づくことができた。友人たちには、心から感謝である。

 

 


   

ゆっくり休んで、次に向かったのは、同じ田村市常葉町の山中にある磯前神社(いそざきじんじゃ)

ここには、山腹の崖地によりかかるように建てられた社殿があった。(上の写真)

「懸造り」と呼ばれる建て方で、階段下の説明板によると、
「土台の三隅を自然石に架け、もう一隅を高さ2メートルの太い束(つか)(柱)で支えている」
のだそうだ。

建物の周りにスペースがないので、社殿に上がるには、床下のせまい空間をかがんで通りぬけ、反対側にかけられた小さいはしごを使って登る。

「あぶくま洞」で疲れ果てたわたしは、この社殿への参拝を、友人たちにことわってパス。
神様、お許しください。

 

 

   
   

田村市の中心部、船引町にある「丸信ラーメン」で昼食。
チャーシューラーメンと餃子。これもたいへん美味しかった。

 

 

 

     

今回の福島旅でも日本酒の蔵元2軒を訪ねた。田村市の玄葉本店と三春町の三春酒造である。
ただ両方とも残念ながら、入口は開いてなかった。

今は酒の仕込みの多忙期で、そのためのようだった。

上の写真の「三春駒」は、三春町のスーパーで購入。地元でしか売ってない酒である。大事に飲もう。


今回の福島旅は、わたしにとっては、自分の体力の限界をいやというほど知らされた旅でもあった。
日頃からウオーキング、筋トレに励まねば・・。


写真協力:Y.T.氏


心遣いの宿:福島の旅2023前編

2023-12-06 | 散歩、時々旅

先週末、友人たちと4人で、福島への一泊旅行に行ってきた。 ‘湯と酒と人情を福島で味わおう’ という毎年恒例の車旅である。

わたしたちはほぼ毎年、11年間、会津を中心とした福島の鄙びた宿と日帰り温泉巡りをしてきた。(神社仏閣や博物館、道の駅などにも行ったけど)

今年訪れたのは、訪問順にいわき市、小野町、田村市、三春町である。

上の写真は、いわき市常盤湯本町の、「いわき湯本温泉 さはこの湯」。
江戸末期の建物様式を再現したという独特の外観の日帰り湯。今年はここが皮切りだった。

内部の雰囲気も古めかしい。広い湯船に浸かりながら、建物最上部の湯気逃がしと採光の窓をゆったりと見上げることができる。なんと贅沢な気分か。

観光客向けというより、地元の人たち向けの入浴施設である。平日だったせいか、お年寄りを中心に、昼前からたくさんの人たちがくつろいでいた。

 

 


   

ここは、太平洋に面したいわき市にある塩屋埼(しおやさき)灯台。

美空ひばりの唄った「みだれ髪」の歌詞に、「塩屋の岬」として出てくる岬にある灯台だ。(作詞:星野哲郎/作曲:船村徹)

 

 

   

近くに「みだれ髪」の歌碑があった。
ここはいわき市の観光スポットの一つ。小型バスで来ていた人たちなど観光客も少なからず見かけた。

 

 

塩屋埼灯台の上部から見た太平洋。

われわれの11年間の福島旅では、これまで会津、中通りが多く、今回初めて海の見える浜通りに来た。

 

 


    

いわき市遠野町の「手打ちそば うつつ庵」で昼食。
天ぷらそば。コシのある美味しい蕎麦だった。

 

 


いわき市を離れてとなりの小野町へ。ここは標高659メートルの山、東堂山中腹にある満福寺。
1000年以上前に、奈良の高僧徳一大師によって開山されたといわれる古刹である。

巨大な自然石の上に建ち、近世木造建築の粋を集めた鐘楼。
昭和60年から奉安が始まり、すでに500体ほどの羅漢像がある「昭和羅漢」。
そして参道の杉木立が有名なお寺だ。

上の写真は鐘楼。

 

 

     

昭和羅漢。
(羅漢とは「仏、宗教的聖者」の意)

羅漢の奉安は今も受け付けられていて、カラオケを歌っている羅漢など、新しい世相を映したものも登場してきている。

 

 

      

この日の宿は、小野町の「小町温泉 太田屋旅館」。

‘小町温泉’ というのは、この小野町には小野小町(おののこまち)生誕伝説があり、多くの温泉宿で名前に入れているようであった。

太田屋旅館では、ご年配の上品な女将さんが、笑顔で迎えてくれた。

 

 


   

これは翌朝の朝食。

残念ながら、この日の夕食は、話に夢中になり写真を撮り忘れてしまった。

その夕食の内容を、思い出しながら書いてみると、4人のテーブルの真ん中に、豚肉と野菜たっぷりのチゲ風大鍋。
そのほか一人一人には、マグロとブリの刺身、カレイの煮つけ、野菜の煮物など盛りだくさん。それを一度に並べるのでなく、女将さんが順次運んできてくれた。

冬至に食べるという「小豆粥」もご馳走になった。
女将さんの育った茨城では小豆粥は甘い味付けだったが、嫁いできたここ小野町は塩味の、甘くない小豆粥だったのだそうだ。

塩で薄く味付けされた小野町風小豆粥は、お粥の旨みが出ていて、たいへん美味しかった。

わたしたちはいつものことながら、ビールに加え、お酒も燗でたくさんいただいたことを付け加えておこう。

ここ太田屋旅館、お風呂も湯がたっぷりで、ストーブが点いているのに布団には大きな湯たんぽを入れてくれていた。細部にまで心遣いの利いたあたたかい宿だった。

友人たちとの福島一泊旅、一日目はこれで終わり。二日目は田村市と三春町を訪れる。
それは稿をあらためて書くことにしたい。

写真協力:Y.T.氏

 みだれ髪 - YouTube (「みだれ髪」美空ひばり)


人間の味と年輪

2023-10-15 | 散歩、時々旅

先週末、新潟県の弥彦まで一泊で行ってきた。母校の同期会に出席のためである。

宿は弥彦神社のすぐ前にある「四季の宿 みのや」。荷物を置いて、さっそく弥彦神社をお参りした。
弥彦に来たら新潟県出身者としては、まず何をおいてもここ越後一宮弥彦神社を参らねばなるまい。

弥彦神社参拝は10年ぶりである。拝殿に向かい、拝みながらこの10年いろいろなことがあったが、なんとか無事に過ごせたことを感謝し、これからの健康も祈念した。

今回集まった面々は12人、数十年ぶりに会う人もいて、「どこのおじいさん方だろう」と思わないでもなかったが、それを言ったらブーメランはこちらに戻ってくる。

人生の喜びも悲しみも、苦しみもたくさん味わってきたにちがいない友人たちは、人間の味と年輪を、容貌にも人柄にも刻みこんできたのである。

そんな仲間が笑顔で再会できた今回の同期会、この上なく楽しかった。

 

 


   

翌朝、露天風呂から見た弥彦山。紅葉が始まった山に朝日があたってほんとうにきれい。






   

前日から天候に恵まれ、秋の爽やかな風が通り過ぎていく。朝風呂の楽しみ、ここに極まれり、である。

ここ「みのや」さん、料理も美味しく、たいへんいい宿だった。

 

 


   

帰路、新幹線で飲もうと、東三条の駅で買ったビールとつまみ。

NHKのテレビ番組「呑み鉄本線日本旅」に出てくる六角精児の向こうを張って、「呑み鉄本線上越新幹線旅」をやってきた。

写真の「風味爽快ニシテ」は「新潟限定ビイル」とのこと。サッポロビールの生みの親は、新潟県人(中川清兵衛)なのだそうだ。
新潟県出身者としてはうれしいではないか。

 

 


   

今回の旅で買ってきたお土産は金物の町、三条市で作られた包丁と弥彦酒造の「泉流 弥彦」(普通酒)

包丁は燕三条駅近くの燕三条地場産センターで、泉流 弥彦はみのやの向かいの酒屋「やよい」で買った。

同期会の思い出にひたりながら、ゆっくり飲むことにしよう。


早朝の ‘WALKING & STRETCHING’ 散歩

2023-09-17 | 散歩、時々旅

さしもの今夏の暑さも、昨今朝方にはようやく陰りを見せてきた。
夜が明けるのも遅くなってきて、5時ではまだ薄暗い。

きょう日曜日、朝5時過ぎに、ここ2~3か月サボってきた早朝のウオーキングに出た。

 

 


   

ここはボウリングからカラオケまでできる ‘SPORTS ENTERTAINMENT’ 施設。
明かりがついていて、早朝なのに営業中のようだ。

正面に回ってみると、金、土、日は24時間営業とのこと。若い人(が多いと思う)のエネルギーはすごいなあ。

 

 


   

途中の小公園にある健康器具。

わきにある解説板によると、黄色い器具はストレッチフープといって、体幹のストレッチができるという。

いすに座って上のバーを両手でつかみ、そのまま体を横にたおすと体幹のストレッチになるようだ。

 

 

   

実際にすわってバーにぶら下がり、頭を左に30秒、右に30秒、交互にゆっくり傾ける。
これをくり返すと、肩から首筋にかけての筋がグ~ンと伸びるのを感じる。

体幹のストレッチになったかどうかは分からないが、首筋のストレッチにはなった。終わったあと肩周りのコリがほぐれ、たいへん気持ちがいい。

しばらくぶりのウオーキングは、 ‘WALKING & STRETCHING 散歩’ となった。


水面のスケッチ

2023-04-05 | 散歩、時々旅

春の日に輝く水面(みなも)

4月に入って、朝の空気はヒンヤリしていても、昼下がりには格好の散歩日和になる。
ウオーキング好適シーズンが、ようやくやってきた。

 

 


   

川に入って泳ぐカワウ(川鵜)

 

 


   

時折、水中に頭からもぐって餌を獲る。

 

 


   

水中にもぐるのは、カモやコサギにはできない芸当だ。

 

 


   

花筏(はないかだ)

花筏とは「水面に散った花びらが連なって流れているのを筏に見立てた語」と大辞泉にある。

水面にもあちこちで、ささやかな物語があるのだ。


ウオーキングに筋トレとストレッチ

2022-10-16 | 散歩、時々旅

寒い日と雨の日がつづいていましたが、きのう、きょうと寒くもなく暑くもないウオーキング好適日。
ひさしぶりに近くを小一時間歩いてきました。

 

 

 


    

散歩道わきの小公園にある運動器具。

「ストレッチフープ」と解説板にあります。

すわってぶら下がると、肩まわり、肩甲骨周辺の筋肉がほぐれ、片手でぶら下がると体側の筋肉のストレッチになる。

 

 

 

    

下から見上げたところ。

 

 

 

    

これは「腕立てボード」。

床での腕立て伏せはかなり力が要りますが、これは斜めなのでさほどでもない。無理なく回数をこなせます。

 

 


    

右から腕立てボード、ストレッチフープ、背のばしベンチ。

ウオーキングの有酸素運動に加え、筋トレとストレッチ(のまねごと)を同時にこなす。

ときどきここに来てやっています。


白い電線

2022-08-11 | 散歩、時々旅

白い電線ではありません。

早朝、昇りかけた陽の光が反射して、白く見えました。

 

 

 

 

  

今朝(11日)の5時半くらいの景観です。

少し雲が多く見えますが、今日も猛暑日(35度超え)の予報。

台風に発達する見込みの熱帯低気圧が南から北上中で、関東に接近するおそれもあり、それも心配です。


茶濁散歩

2022-07-28 | 散歩、時々旅

このところ早朝5時過ぎに歩いている。

日が昇ってしまうと、もう暑くて歩けなくなるからだ。

といっても、正直なところ一生懸命歩いているわけではない。せいぜい30分ほど、汗まみれにならないうちに帰ってくる。

これを自分で「茶濁散歩(ちゃだくさんぽ)」とひそかに呼んでいる。(御茶を濁して帰ってくる)

まあ、まったく歩かないよりは健康効果があることだろう、少しは。

それに無理して茶濁散歩ならぬ ‘汗だく散歩’ をして、熱中症になっても、誰もほめてくれない。

歩いていると、朝食前なので、空腹を感じてくる。これがなによりの健康の証(あかし)ではないか。

 

 

 

    

これはアオサギのようである。

この川ではシロサギ(コサギ、チュウサギなど)はよく見るが、アオサギを見るのはめずらしい。

しばらく見ていると、わたしを警戒してか、飛んで行ってしまった。


 

 

 

   

電線に止まったチュウサギ(だと思う)

川の中に入っているシロサギはよく見るが、電線に止まったのを見たのは初めてだ。

東のほうを向いている。昇りつつある朝日を見ていたのだろうか。


湯と酒と人情と・・福島出会いの旅2021 後編

2021-11-04 | 散歩、時々旅

福島県中通りへの旅2日目は、まず「道の駅はなわ」に寄ってお土産などを買い、鮫川村村民保養施設「さぎり荘」に向かいました。

村営の温泉施設です。(上の写真)

2日目もきれいに晴れ上がり、紅葉した楓と青空の対比がことのほかきれい。

窓の外の青空と木々の緑を眺めながら、ゆっくり ‘朝湯’ に入りました。

 

 

       

「黙浴」の貼り紙が、館内のあちこちにありました。初めて知った(見た)言葉です。

「黙食」「リモート」「おうち飲み」もそうですが、コロナ禍で生まれた新語を集めてみるのもおもしろいかもしれません。

 

 

 

 

これは中島村の「汗かき地蔵」。

座像で、高さが2メートル近くもある堂々とした石地蔵です。

なぜ「汗かき地蔵」と呼ばれているかというと、昔から事変など何か良くないことが起こりそうなとき、このお地蔵さまは五体から汗をふき出し、それを人々に知らせてくれたからだそうです。

この言い伝えが「奥州汗かき地蔵」として広く知られ、江戸時代までは参詣人が群れをなしたと、そばの説明板に書いてありました。

 

 

 

     

昼は石川町の「マルコーラーメン」へ。

 

 


     

まず出汁をとったあとの味付けされた鳥ガラが一皿、サービスで出され、そのあとに出てきたのが店名にもなっているこのマルコーラーメンです。

盛りだくさんのチャーシューにワンタン、薄切り餅、ゆで卵にシナチクと、具がふんだんに入った ‘全部盛り’ ラーメン。
美味しくて、息継ぐ間もなく ‘全部食べ’ してしまいました。

 

 

 

     

このあと上の写真の川辺八幡神社(玉川村)など、地元の古くからの神社をいくつかまわり、帰路につきました。

 

 


         

古殿町の豊国酒造で買った「純米酒 超」。飲むのが楽しみです。


今年の福島旅行は最高の天気に恵まれ、例年にもまして楽しく充実した旅となりました。

写真協力:Y.T.氏


湯と酒と人情と・・福島出会いの旅2021 前編

2021-11-04 | 散歩、時々旅

先週末、福島県に一泊二日で行ってきました。

男4人の車旅。毎年秋に、同じメンバーで、湯と酒と人情を求めて、文化と自然に触れつつ、福島県内各地を旅してきました。今回で10年になります。

今年は昨年に引き続き、福島県中通りの旅。石川町、古殿(ふるどの)町、鮫川(さめがわ)村、中島村、玉川(たまかわ)村、塙(はなわ)町辺りを巡りました。

おかげさまで二日間とも絶好の秋晴に恵まれ、紅葉し始めた景観を愛でながら移動した快適な旅となりました。

上の写真は石都々古和気神社(いわ つつ こわけじんじゃ)(石川町)の鳥居。青空が深い。

 

 

 

 

石都々古和気神社の本殿。

昨年行った棚倉町の八槻都々古別神社(やつき つつ こわけじんじゃ)、馬場都々古別神社(ばば つつ こわけじんじゃ)と合わせ、中通りの三つの都々古別(古和気)神社をお参りしたことになります。

 

 

 

  
  

「蕎麦美人」というお蕎麦屋さんでお昼。

野菜天そば(上)とウナギの天ぷら(下)。ウナギの天ぷらは初体験。モチモチして意外に美味しかった。

 

 

 

   

近くの「母畑(ぼばた)温泉 高蔵内源泉(たかぞううちげんせん)」で ‘真昼の立ち寄り湯’。

母畑温泉は東北一のラジウム含有量を誇り、天然のラドン温泉と呼ばれています。(ラジウムは新陳代謝を促進し、自然治癒力を高めるといわれる)

 

 

 

  

樽の露天風呂もありました。日の高いうちに温泉につかるのは、最高の贅沢です。

 

 

 

  

スポーツなどで全国にその名を知られた「学法石川」の正門。
学校法人石川義塾が正式名称で、歴史ある中高一貫校です。

韓国ドラマ「冬のソナタ」の撮影舞台となったソウルの高校の正門前に、10年ほど前に行ったことを、ここに来て思い出しました。

日本から来たらしいアジュンマ(おばさん)たちが数名、門の内側をのぞき込んだり、校舎にカメラを向けたりしていました。

今、学法石川の正門前には、県外から来たおじさんたち(われわれ)がいます。

 

 

 

  

古殿町の豊国酒造。

酒蔵(さかぐら)巡りもわれわれの重要なテーマ。わたしはここで「純米酒 超」4合瓶を買いました。

 

 






鮫川村にある江竜田の滝。

江竜田の滝とは、久慈川支流の渡瀬川と大戸中川からなる渓谷にある大小いくつかの滝(二見ヶ滝、そうめんの滝、虹ヶ滝、青葉の滝、龍神の滝、昇竜の滝)の総称です。

地図で見ると、これは二見ヶ滝でしょう。思いのほか見事な滝で、色づき始めた木々も美しく、予期していなかっただけにうれしい驚きでした。

 

 

 

     

宿泊の「谷川の湯(やかわのゆ)」。去年も泊まった宿です。(塙町)

 

 

 

     

入浴後、5時半から、こたつでの夕食。

こたつのテーブルがせまくて、4人分の料理と酒・ビール類が並べきらないので、それぞれが自分のお膳から一品ずつとってテーブルに上げ、食べることに。

料理にウナギの蒲焼がありました。昼に「蕎麦美人」でウナギの天ぷらを食べたので、この日はウナギ重(かさ)なり。ふだんめったに食べないのに・・。

(テーブルには別に、宿の畑で育てたこんにゃく芋で作った自家製こんにゃくが、小さく切り分けられて皿に盛ってありました。これがほんとうに美味しかった〈生姜醤油で〉

こたつで落ち着いたせいか、今年もアレコレ話し込んでしまい、寝たのが12時近く。それを寛容に許してくれた宿のおかあさんに感謝です。

(2日目は後編に続く)


*写真協力 Y.T.氏


粋な計らい

2021-02-17 | 散歩、時々旅

散歩道の対岸の河津桜は、7分咲きとなりました。(16日)

 

 

 



ここから先は市営の広い墓園。

遊歩道わきのこの柵の扉はいつも閉まっていて、2~300メートル離れた正門か裏門に、グルっとまわらなければ、墓園の中には入れないのですが、ここ数か月ずっとこの扉は開いています。

入口に説明板があって、「運動(散歩)のため利用する人が増えているので、新型コロナが落ち着くまでこの門を開放します」と書いてあります。

中にはところどころに屋根付きの東屋があり、トイレも数か所あり、車道もないので、たしかにゆっくり散策することができます。

前例を優先させがちな行政も、たまには粋な計らいをするものですね。

 

 

中に入って、間近で撮った河津桜。

写真の下部にメジロが写っています。

 

 

   

メジロは枝にとまってもすぐに飛び立ち、また別の枝にとまりに来る。
動きがせわしなくて、ねらって撮れないので、スマホを枝のほうに向けて、えいやっとシャッターを押すと、写っていました。

 

 

   

これは別な角度から。

このメジロ、こちらを見ているようにも見える。

 

 




墓園から見た富士山です。