アン・ハサウェイがオスカーにノミネートされたが、主役一人だけでなく出演者全員の演技アンサンブルと、それを即興性を取り入れて(監督のジョナサン・デミの音楽映画やMTVの経験が役立ったと思しい)捕らえたカメラワークの緊張。
ジミー・ヘンドリックスのアメリカ国歌ばりに結婚行進曲を噛み砕いて演奏するバンドをはじめ、随所にすぐれた音楽センスを見せる。
新婦の家の壁にロシア・イコンが何枚も飾られているところをみると、ロシア系なのだろうか。ウェディング・ケーキが象だったり、新婦側の付き添いがサリーを着ていたりしているところを見ると、新郎側はインドと関係あるのかと思うと、南米のカーニバル風のアトラクションが混ざったりする。
こちらがわからないだけかもしれないが、ナショナリティをあえて曖昧にごっちゃにしているみたい。
舅と花婿が皿洗い機にどれだけ食器を上手に入れられるか、大人気ないバトルになるのが可笑しい。なんでも、シドニー・ルメット(脚本のジェニー・ルメットの父親)とボブ・フォッシーの二大監督が実際にやったことが元になっているとのこと。
監督のジョナサン・デミはロジャー・コーマン・スクールの出身だが、コーマンが結婚式の客の役でクレジットされている。「羊たちの沈黙」にも出てましたね。
(☆☆☆★★)