とある32歳の女性が家政婦として働きだした家で行う奇妙な行動とその過去を、フラッシュバックをはさみながら非常に凝った謎めいた構成で綴る。
部屋の天井のアップからティルト・ダウンして窓辺の女性を捕らえたカットなど構図の面白さを狙ったものかと思っていると、後で天井に秘密があるのがわかるといった調子。
最後にばらばらのジグゾーパズルのピースがはまって終わるあたり、監督・脚本のジュセッペ・トルナトーレが技巧家としての腕前を見せようとしているみたい。「謎解き」だと核心のモチーフが突っ込み不足になりがちなので、匠気の方が先に鼻につく感じもあるが。
オープニングからヌードや暴力が頻繁に描かれて、特に子供に対する暴力は見ていてかなり嫌な気分になる。理由は後でわかるわけだけれど、後付けの理屈なので嫌な気分は残る。
どう見てもあれ殺されてるぞと思わせる人がぬけぬけと生きて再登場するのはどうかと思う。
(☆☆☆★)