prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「なくもんか」

2009年12月25日 | 映画
ところで、見ず知らずで育った弟が漫才で人気が出ているということ、どうやって知ったのだろう。戸籍謄本を取り寄せたところで父が離婚してなくて弟がいるのはわかるだろうけれど、今どうしているかまでわかるのか。
冒頭のナレーションで、なぜかすでに相手のことを知っていて説明しているからなんとなく納得してしまっていたけれど、ここでひっかかって困ってしまう。

商店街のセットに「読売新聞」の販売店の看板が見える。もちろん製作委員会に一枚かんでいるからだろうが、こういう他のメディアのケイレツを排除した世界っていうのも不自然なもの。「毎朝新聞」なんて出されるよりはいいけれど。

お笑いコンビを片方の主役に据えるというのは相当に危険で、映画の中の観客は笑っていてもこちらはちっとも笑えない、という恐れがある。
それをカバーするのにすべったところ自体を笑いにもっていっている。あとクライマックス、人気漫才コンビの片方が別人になって登場したら観客怒り出さないとおかしいのを陣内孝之の政治家を先に怒らせてカバーしている。
工夫はしているけれど、ともに十分とは思えない。

「親戚をたらいまわしにされ」なんてナレーションがかかるバックで、誰かがたらいをまわしているのが見える小技が可笑しい。
(☆☆☆)


本ホームページ


なくもんか - goo 映画