株のディーラーのケヴィン・ベーコンが相場で失敗して自分ばかりか両親の財産まですってしまい、自転車を使ったメッセンジャーに転身する。
周囲も含めてメッセンジャーを続けていこうとしているわけではなく(実際問題、若くないとできないだろう)、体を使った仕事と株屋とが対立して扱われているのかと思うとそうでもない。途中でまたいきなり株取引を仲間を助けるためにやって(都合よくも)大儲けしたりするものね。
主人公が自分の生き方をどうするのかというドラマより、拳銃など危険なブツを扱う(買うのがチャイニーズ・マフィアと思しい)奴が絡んできてそれを撃退するかどうかといった、ちょっとあさってな展開になる。
1986年とあって、株取引もかなりアナログ。
ローレンス・フィッシュバーンがラリー・フィッシュバーン名義で出演、ヤバいブツを運び割とあっさり殺されるメッセンジャー役で、2003年の「ミスティック・リバー」でのベーコンとの共演は17年ぶりということになる。
二人が自転車で街中で競争するシーン、なぜか舞台がニューヨークだったはずがいきなりサンフランシスコの坂道になる。そりゃ坂道を一気に降りるのは見せ場にはなるけれど、あまりに違う場所なのがバレバレというか隠す気もないみたい。勤務地変えたのかと思ったぞ。
28歳のベーコンはお肌つるつる。
さまざまな自転車の曲乗りが見られるのが、公開当時は相当に斬新だったのだろう。音楽の曲調とか使い方は「フラッシュダンス」あたりのMTV演出が映画に取り入れられるようになった頃のものですね。
ガールフレンドたちの描写がかなり中途半端。複数いるのだからもっと葛藤ありそうなもの。
渋滞している車の間の狭い空間をとばしていると、いつタクシーがドア開けたりするかひやひやする。車が動いていればいれば怖いしで、このあたりは最近の日本の自転車事情にも通じる。
(☆☆☆)