原田芳雄が福島原発でアポなし撮影してるのをゲリラ撮影しているのだそうだけれど、すべて取材拒否。だものだから、とにかくドラマの描写としては舌足らず、隔靴掻痒もいいところで、フランチェスコ・ロージ監督作みたいにわからないなりに異様なサスペンスが出ているわけでもない。
田原総一郎の原作は読んでないが、あまり突っ込んだこと書けないからフィクション仕立てにしたと思しい。
原発ジプシーを主人公にでもしないと、とてもドラマとして現実に対抗できるものにはならないのではないか。そういうのを作ってもこの国では潰されるとかいったきいたふうなことは言わないでおきます。
現地の新聞記者が佐藤慶。もちろん日和ります。
岡田英次の科学者が「事故のパニックによる原子力発電所開発の中止のほうが国民にとってよほど危険」などと言っているあたり、今見ると原子力村の基本的な構造はこの映画が作られた1978年から、というよりもっと前から変らないのはわかる。
わかっていて変えられなかったのが問題なのです、今更ながら。
チャイナ・アクシデントという言い方をしているのが、奇妙に聞こえる。チャイナ・シンドロームの方が有名になりすぎましたものね。
(☆☆★★★)