prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「闇のスタジオ」(シノプシス)

2012年05月13日 | シノプシス

登場人物

大山信也 22
長妻節子 22
武村有紀 11

毛利  先輩スタッフ カメラマン
田口  さらに古参のスタッフ 演出部
その他、スタジオのスタッフたち
テレビ番組の出演者
亡霊たち

東京H町にある、大きめの撮影スタジオ。そこに録音助手の信也と、スタイリスト助手の節子の若いスタッフの二人がぴったり寄り添ってやってくる。たちまち先輩の一人の毛利に「なんでスタイリストの荷物を、録音助手が持ってやってんだ」とひやかされる。と、もっと古参の先輩の田口が「こいつらはもう公認の仲なんだよ。野暮言うな」
実際、思い切り大きな荷物なのだが、節子はさらに信也の手首に巻いているペンダントに目をつける。「それもちょっと貸してくれない、とにかく集められるだけのペンダント集めろって状態で」「いいけど」と、信也は外して渡す。「なんで、それだけいっつも首にかけないで手首に巻いてるの」と聞くが、信也は曖昧な答えしか返さない。二人はキスして、それぞれの部署に向かった。

スタジオの収録作業が始まる。簡単なセットで出演者数人の通販番組だ。
ヘッドフォンをかけて音声を聞いている信也の耳に妙な意味不明の声が入ってくる。
首を傾げている信也に、「何か変な声が聞こえたんだろ。このあたりではずいぶん空襲で焼け死んでるからな」「川にとびこんだところを火にまかれて、焼け死ぬとともに溺れ死んだそうだ」「トンネルの中に大勢の遺体が供養されないまま押し込まれているらしいぞ」などと田口が、怖がらせるのを楽しむように耳打ちする。

毛利は操作しているカメラのファインダーの映像が妙にちらつくのにいらいらしていたが、ふと気付くと、ちらつきの向こうに妙な人影が写っている。肉眼で見ると誰もいないところに、カメラを通すとすっぽりと防空頭巾をかぶって顔を見せない人間の姿が見えるのだ。
かと思うと、突然ぷつっと照明が落ちてしまう。暗い中、懐中電灯を振り回してどこが悪いのか調べるが、どこも接触不良など起こしておらず、原因がわからない。

暗がりでスタッフたちが右往左往する中、節子が見ると、信也の首に自分が預かったはずのペンダントがいつのまにかまたかかっているのに気づく。節子があれっと思うと、信也が心ここにあらずといった風にとことこと歩いてくる。節子のところに来たのかと思うと、上の空で気付かないまま何かに導かれるように歩いてしまったらしい。
ふっと節子が信也のペンダントを見ると、ここにいるわけのない小さな女の子の手が(手だけで顔は見えない)そのペンダントをつかんでいる、と思ったら、その手が消えている。信也に聞くが、当人にはペンダントを持って行った覚えも首にかけた覚えもないという。

改めて節子はペンダントを預かり、間違えないように自分の首にかけておく。と、誰かがそのペンダントを引っ張る。気のせいかと思ったら、ぐいっと頭が下がるほどの力で引っ張られ、下を向いた拍子にペンダントをひっぱった青ざめた女の子と顔を合わせてしまい、悲鳴を上げる。
すぐに女の子はまた姿を消すが、節子がさらに闇をじいっと注視すると、何人かの頭巾をかぶった人影が闇に紛れているのが見えた、と思った時、さらに突然強い寒気が襲ってきて何だろうと思ったところで明かりがつく。
気がついたら節子の頭のてっぺんから足の先まで、びっしょりと水で濡れている。いったい、どこからそんな水が現れたのか、見当もつかない。

暗くなっていた間に肝腎の通販商品がいつのまにかなくなっていて、探し出すのにまた時間をくうといった調子で現場は混乱して一向に仕事ははかどらない。徹夜もやむなしと田口が言うが、毛利がこのスタジオは十二時以降は使ってはいけないのだと強く主張する。それ以降になると、「出る」からだ。結局節子と信也が残って明日の準備をするということで話がまとまる、というより下っ端の二人に押し付けて全員逃げてしまう。

次の日に備えて、二人はそれぞれの部署で夜を過ごす。信也は控え室で機材のチェックをしている。ふと見ると、鏡の中に10歳くらいの女の子が写っている。(女の子の顔を見るのがこれが初めて)あっと思ってよく見ようとしたら、もう姿は消えている。

節子はふと気づくと確かにしていたペンダントが、またもなくなっているのに気づく。一度ならず二度までも、しかも首にかけっぱなしにしていたのに、なくなるとはどういうことだろうとスタジオに戻ってみる。
と、セットの一部のライトがなぜかつけっぱなしになっている。「誰かいるの」
近づいていくが、スタジオはがらーんとしてまるでひと気がない。出て行こうとすると、ちかっ、ちかっとセットの陰から鏡で反射するような光が送られてくる。
「誰?」さらに近づいていくと、スポットライトが当たった机の上にまるで場違いな折鶴が置いてある。
「何これ」よく見ると、周囲の半ば闇に沈んでいるあたりにも、折鶴がたくさん置いてある。あるいは束になって吊るされている。
その中に、変わった文様の折鶴がぽつんと置かれてあるのに、ふと節子は気付いて怪訝な顔をする。何かシーサーをデザインしたような柄だ。と、突然ろうそくが灯され、その火が吊るしてあった折鶴の束について燃え広がっていく。それを見た節子は立ちすくむ。

信也はふと違和感を覚えて、ポケットに手を突っ込む。と、節子に貸してまだ返してもらっていないはずのペンダントが出てくる。
「どうなってるんだ」さらに、折鶴までもが出てくる。

信也がペンダントをベッドに寝ている少女に渡すフラッシュバック(舞台式のごく抽象化したベッドとバックの幕程度といった装置を使う)
少女がだだをこねて、ふとんをかぶってしまうフラッシュ。

スタジオの闇の中、薄気味悪くて立ち往生している節子。突然、携帯の着信音が鳴り響く。
心臓が止まりそうなくらいびっくりするが、見ると発信者は信也なので助けを求めるつもりで出る。
「いつ俺のペンダント、返したんだ」「返してないよ」改めてぞっとする節子。
「今どこにいるの」「スタジオ」そして目の前の机周辺に折鶴がたくさんあることを信也に告げて、このあたりには戦没者が大勢埋まっているとかいうけど(節子も知っている)、その慰霊に使われたものではないかなどと言う。「そうじゃない」「なんでそう言えるのよ」
その時、ふと「待って。確かにちょっと違うような気がしてきた」と、呟く節子。そのとき、何者かが暗がりから姿を現そうとしているのに気づく。
悲鳴をあげる節子。信也は控え室を飛び出してスタジオに向かう。

節子が逃げようとすると、突然すべての明かりが消えて真っ暗になる。
そこに信也が飛び込んできたが、あまりに暗いので身動きとれない。
二人は携帯の明かりを頼りに、互いに声をかけあって位置を確認する。
と、すうっとまた一部の明かりがついて、抱き合っている二人の姿が現れる。
「早く逃げましょう」と節子は言うが「ちょっと待って」と信也は奥に進んでいく。
「折鶴があったって」「それが何、早く逃げないと」
だが、信也は鶴が置かれた机の前にまで到達する。信也は折鶴を見て
「やっぱり、な」「何がやっぱりなの」「化けて出ていたのは戦争の犠牲者じゃなかったんだ。折鶴なんて置いてあったから、そう思い込んでいたけれど」「じゃあ、誰」
その時、節子は暗がりから誰かがすうっと姿を現すのを見る。
悲鳴をあげる節子。だが信也は「落ち着いて」と呼びかける。
「久しぶりだね、有紀」
現れたのは、控え室の鏡の中にいた、信也にペンダントをもらっていた女の子(有紀)だ。
フラッシュバック。ベッドに横臥している生前の有紀。枕元に折鶴が一羽置かれている。
「これは幸運のお守りだから、持っていて」と信也が有紀にペンダントを渡す。
「でも、まもなく君(有紀)はいなくなった」
空になっているベッド。母親が「これはもともとあなたのですから」とペンダントを信也に返す。

「それで、ペンダントを首にかけないでいたのね」「幸運のお守りなんて言っておいて、(有紀に)役に立たなくて、ごめんな。(節子に)返してもらっても、また首にかける気にはならないし、かといって捨てるわけにもいかないし。それで首にかけないで持って歩いてたんだ」

フラッシュバック。信也が腕に巻いていたペンダントを節子が持っていくのを見ている有紀の亡霊。

「でも、どこが幸運のペンダントなの」「これを買ったら君(節子)と出会えたことだ」驚く節子。有紀も驚く。

フラッシュバック。公園のベンチで寄り添っている信也と節子を、部屋の中からそっと見ている有紀。二人の距離がますます接近しそうになると、手鏡で光を送って節子の顔に当てて邪魔する。
その光は、先ほどスタジオから脱出しようとする節子を邪魔する光とだぶる。
「本気で嫉妬していたのかい」信也の言葉にうなずく有紀。節子は複雑な表情。
節子「思い出した。あの鶴を、あたしも折った。見覚えがあると思ったんだ」

フラッシュバック。寄り添っている信也と節子が言葉を交わす。「知り合いで病気の子がいるもので」「わかった。何羽折ればいい?」「多いほど」
節子は、シーサー柄の折り紙で鶴を折る。さっき、見たのと同じ折鶴になる。「どこか見覚えがあったと思ったんだ」
病床の有紀の枕元に吊るされた何十という折鶴の束が届けられる。
しかし、やがて有紀の顔に白い布がかけられる。

節子の耳元に有紀の声が届く。「ごめんなさい」
有紀が信也におずおずと近寄ってくる。抱きつこうとするが、突き抜けてしまって触ることはできない。試みに折鶴を取ると、それは持ち上げることができる。受け取る信也。
有紀が満足したように微笑む。
と、節子と信也の二人は、有紀の後ろの闇に、無数の亡霊が佇んでいるのに気付く。

節子ははっとした。
最初に信也のところにペンダントが戻ったとき、有紀がそれをひっぱって信也を亡霊たちの群れから遠ざけていたのだ。あの時は、亡霊たちと有紀とごっちゃにしていたが、実は有紀が信也を守っていたのだった。その後節子がかけたペンダントをひっぱったりしていやがらせしてはいたが。
そして、今また有紀が亡霊たちの前に立ちふさがって信也と節子のところに迫ってこないよう小さな体を盾にして防いでいる。

信也と節子は有紀に呼びかける。亡霊たちとかかずりあってはいけない。早く成仏しなさいと。有紀は微笑んで、すうっとわずかに光り、また暗がりの中に溶け込むように消えて行った。
二人は、盾になっていた有紀がいなくなったもので、たちまち迫ってくる亡霊たちから大急ぎで逃げ出し、スタジオから脱出する。

逃げ切った二人はビルから出て行きながら会話をかわす。
「ペンダント、どうしようか」「そうね。二人で持ってましょう」
さらに、ぽつりと続いた。「あしたの収録、どうなるんだろう」
(終)

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言霊大戦

 


「ミラーズ2」

2012年05月13日 | 映画
ミラーズ2(前作「ミラーズ (完全版)」付) (初回生産限定) [DVD]
クリエーター情報なし
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


鏡に写った人間の像が本物とは別に勝手に動き出し、自分の体を傷つけると本物の人間の方も同じように傷つく、という具合に、実物の方が鏡像に従う設定なのはキーファー・サザーランド主演の前作と共通。

主人公が自分が運転する車の事故で恋人を亡くし自分を責めてアルコールやドラッグに一度溺れかけていたという設定なので、主人公が鏡の中の自分が自殺しようとするのにひきずられそうになるのに対抗してなんとか生きる意志を取り戻すというシーンがあるに違いないと勝手に先読みしたら大ハズレ。
悪い奴がいてそいつをやっつければ解決という単細胞的展開になってみるみる先細りします。

鏡の中に現れる女の亡霊が祟っていたのだが、なんで亡霊が鏡の中に入ったのか、なんで直接姿を現さないで祟るのか、祟る順番も変ではないか、といった疑問がぽろぽろ出てくる。

映画も半分ほど進んでから別の女が現れて、あっさりヒロイン役に納まる。死んだ婚約者への思いはどうなったのか、主人公も映画(ビデオ作品だが)の作り手もまるっきり失念したみたい。

前半に出てきた父親との関係とか、主人公が警察に殺人の容疑をかけられたりといった次の展開を期待される要素がことごとくそれっきりであとにつながらない。
前半の鏡の中が現実とずれるさまざまなイメージは魅力的だし、スプラッタも工夫していてけっこう期待させるのだが、みるみる尻つぼみ。

あと、クライマックスの追っかけにさしかかってから回想を入れて謎を解決するってやめてもらえませんか。話の腰を折られる感じだし、だいいち絵解きしてもらわなくてはいけないほどの謎ではない。

父親役がウィリアム・カット。出演時59歳。「ビッグ・ウェンズデー」で共演したジャン・マイケル・ビンセントがアルコールでぼろぼろになったのに比べると老けてはいても原型は保っています。

(☆☆★★★)

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ミラーズ

5月12日(土)のつぶやき

2012年05月13日 | 映画
00:11 RT from web  [ 5 RT ]
テレ東は民放じゃないらしいですね(笑) RT @hfuruta: !RT @nucoxx (;゜Д゜) 『オダギリジョー主演「家族のうた」 民放連ドラ最低記録更新の3・1%』 bit.ly/Kdtxyj
ダークボさんのツイート

08:41 from ブクログ(booklog.jp)
【本棚登録】『アメリカのヒスパニック=ラティーノ社会を知るための55章 エリア・スタディーズ』大泉 光一 booklog.jp/item/1/4750322…

09:48 from gooBlog production
「わが母の記」 役所広司・主演 脚本監督・原田眞人 原作・井上靖 goo.gl/8DyF0

09:57 from Tweet Button
総統閣下が橋下市長に論破されたMBS記者にお怒りのようです (3:59) #nicovideo #sm17783579 nico.ms/sm17783579 わはは。

11:32 from web
80年代のカルト映画をリメイクしたスプラッター最新作「マニアック」が写真を初公開! cia-film.blogspot.com/2012/05/maniac… @wibiyaさんから 「マニアック」とか「血のバレンタイン」とか「発情アニマル」とかまでリメーク。カルトって知名度低いって意味ではないのですけど。

11:34 from web
そのうち、「バーニング」とか「デピルスピーク」とか「誕生日はもう来ない」までリメークって言い出すかも。「誕生日はもう来ない」はストーリーがわかるようにしてほしいけどね。

11:40 RT from web  [ 37 RT ]
昨日書いた、高松高裁の原告らを法廷に入れず、判決を言い渡した件。yomiuri.co.jp/national/news/… 原告の山本さんと弁護士は最初、法廷に入ろうとした。しかし、同じ時間に5つの民事判決を言い渡す、山本さんの判決は5番目と裁判所からいわれ廊下の椅子に座って待つよういわれた。
imanishiさんのツイート

11:41 RT from web  [ 29 RT ]
注目事件なので、テレビ撮影が入っており、そのカメラが終わり廊下に出てきた。しかし、二人が呼ばれる気配がない。傍聴席から出てきた支援者から判決が言い渡されたときき、びっくり。すでに、裁判長らは退廷していた。
imanishiさんのツイート

11:41 RT from web  [ 31 RT ]
原告や支援者は、裁判所の3人の職員を廊下で問い詰めた。しかし「わからない」「確認する」というばかり。「この3人がわからないはずがない。彼らが仕切っていたんだから。何がわからない、確認するのか」とは傍聴していた、元愛媛県警の仙波さん。
imanishiさんのツイート

11:41 RT from web  [ 33 RT ]
弁護士が謝罪を求めたところ「すいません」と一人の職員が応じたが「ヘラヘラと笑いながら言うので、ええ加減にしろと怒鳴った」と仙波さん。判決を言い渡した金馬裁判長は最後まで現れず。高松高裁はきちんと調べ、連絡すると約束したが、5月11日には何の連絡も来ていないという。
imanishiさんのツイート

11:41 RT from web  [ 31 RT ]
さらに怒りを増幅させるのが「被告の国、県、県警には声をかけ、法廷に呼んだ。裁判所は中立のはず」と原告は怒る。より詳細はメルマガでもかいてます。mag2.com  ID 0001439730  まいど! 週刊! 今西憲之ジャーナル
imanishiさんのツイート

11:41 RT from web  [ 50 RT ]
新聞報道では原告らを呼んだが「声が届かなかった」と高松高裁のコメントが出ていた。「まったく呼ばれていない、ウソだ」とは原告の山本さんの母。そして、受け取った判決。被告で白バイに乗っていた、愛媛県警の警官の名前「兵頭」なのだが「兵藤」と誤字。裁判所も裁判長もホンマ、ええ加減やわ。
imanishiさんのツイート

11:43 from web
前から不思議に思っているのだけれど、「国を訴える」ってなんなのでしょうね。裁判所は国そのものでしょ。スポーツでいうならアウェイで試合するのを通り越して、審判が相手チームということです。

11:49 from web
「マニアック」はジョー・スピネリ脚本・主演。「アンクル・ジョー」はバート・ヤング脚本・主演。二人に共通しているのは「ロッキー」の出演者ということ。スタローンが脚本・主演で大成功したのに続いたのでしょう。

12:48 from Twitter for iPhone
被告が裁判所や検察を金銭的損害や精神的苦痛で別に訴えるなんてことありうるのですかね。常識的には考えにくいし、あっても即却下だろうけど、あっていい。

17:20 from web
iPhoneのMovie Walkerアプリが動かない。他もいろいろ試すが、映画館の上映スケジュールを調べるアプリってどうもいいのがない。MWだって、まだましという程度。一番知りたい上映時間が一番後にわかるようにしか設計されていないのだ。紙の雑誌のぴあの方が使いやすかったな。

18:46 from SOICHA
同じ地域でやっている映画の時間を並べて見られるようになってないと、どれみれば都合いいのかわかりにくい。

18:51 from SOICHA
あ、シネコンだけなら問題ないのか。しかし、だけっていうのはイヤですね。

by yapoono6 on Twitter